鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

麻衾

2012-07-07 20:30:49 | 句鑑賞 Ⅰ(土)





       麻衾吾を焼く炎美しき






                  柴田由乃   余生小粋により




「吾を焼く炎」とは、死んで火葬に付されることに他ならない。


しかし、死んでもいない自分が焼かれるのを、自分が見るわけがない。

とすると、夢か作り話ということになる。



仏教では現実界はもともとわれわれが思うほど現実ではない。

死後の一時期は「中有」と言って字のごとく、中途半端な、宙ぶらりんな存在なのだが

夢も存在の一種と考えられている。

したがって、夢は現代人が思うような、幻の世界とは違う。

インデアンも言うように 夢の世界は、過去の人々とも、

他の動植物や他の生命体とも心を通わせることが出来る時間空間を越えた世界なのだ。



とくに作者には夢や霊が幻ではなく

この世界と同じような現実性を持っていることを知れば

読者には気味悪い恐ろしい句も

作者には美しい感動的な情景であったことが分かるのである。



今津大天  俳句の対話術より




この作者は 第六感が すこぶる敏感にはたらいたりすることがある。

夢の世界ははたして ただ夢だけで終わるのであろうか。

いえいえ 何かを我々に教えてくれたりする。

そんな現実でもないつまり中有の世界 ましてや 自分が焼かれることを想像することは恐ろしい。

しかし いつかは そうゆう時が必ずくるのです。






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3 コメント

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Unknown (ハセドン)
2012-07-08 11:25:57
鮎さん こんにちは。

これは一種の哲学でしょうね。
死というものを客観的に見つめて、
美しく焼かれることによって霊魂もまた
史有で、美しさを保つのでしょう。
そういう気持ちの中に【麻衾】を持って来たと思います。

【麻衾】は麻布で作った粗末な夜具の事でしょうか。  万葉集に出てきますけど。
≪寒しくあれば麻衾引きかぶり・・・・≫

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Unknown ()
2012-07-08 12:55:11
ハセドンさん
今津先生は哲学を教えていられる先生です。
人間にとって生まれたときから死に向かって進んでいるのですね、貧しさの中に生きても 焼かれる炎は美しくありたいものです。
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こんにちはです。^±^ノ (てくっぺ)
2012-07-08 14:35:10
麻衾・・・初めて見て聞いた名前です。^±^
なんと読むんでしょうか?
種類はアオイの仲間でしょうか?
花や葉っぱがタチアオイに似てますよね。^±^
あ、ゼニアオイにも・・・。
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