鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

句鑑賞 春の句

2012-03-05 14:09:38 | 句鑑賞 Ⅰ(土)





        のこる世は神と綱引き独活膾




              柴田由乃





「のこる世」というのは、余生、のこされた人生という意味だが

「神と綱引き」というのは 神は綱をあの世の方へと引っ張るが
自分は引かれまいとして踏ん張っているということである。

「独活膾」の「独活」の文字が結局は一人で生き
そして 死んでいく人生を間接的に表しているようで おもしろい季語である。

しかし「神と綱引き」というのは 神との競争とも取れる
神と競争するなんて不遜な考えだが しかし 神は
本当は神と競争するような人間が出てくるのを待ち望んでいるのではないか

何しろ神が人間を作ったのだ
その人間が神より劣っているわけがない。
(もし 神より人間が劣っていたら それは神がへまをしたことになる)

人間には最高に達する権利がある 知恵も能力もある
最高と言うのは もちろん神である

だから 神と 綱引きをして 勝ったらいいのではないか


       「つちくれ」 句評
        今津大天 より





残る 余生 健康にも自身がなくなり 体も 弱ってきます
そんな時 人は神によって生かされているのを感じるものなのでしょうね。

そうなんです、神に勝て 人生を 楽しんで長生きしましょう。

季語の独活 句に妙に マッチして いいですね。



最新の画像もっと見る