![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/0e/390a500553d0ac218150a0a130016a50.jpg)
今年初めて見た桜です。
この枝だけ花が開きかけていました。
今日はそれにちなんで この句を選びました。
混み合ひて目あかぬ花もありぬべし
浜 明史
句集「人日」より
この句を読んで 混みあってついに咲かぬままになる花もあるのかと
不思議な感じがした。
もちろん この句は
花を咲かせている桜の木を愛でているのだが
その光景を逆説的に「目あかぬ花もありぬべし」と 言ったところが おかしい
この句を団塊の世代の人が読むと
感慨はいっそう深いものとなる
本来花の多さは木の勢いの盛んなことを示す
それと同様に 人口の多さ 密度の高さはその国の勢いを示すといえるだろう
しかし その余りの多さゆえ 返って
その中には目のあかぬ花となる運命の人もいるのかと
わが身を振り返って思う
しかし 評者は
「目あかぬ花もありぬべし」
の 言葉の背後に
「目あかぬ花などあるわけがない」
との 真実が表出されているとも感じる
今津大天
俳句の対話術より