人は別れを繰り返しながら成長する。楽しい事もあれば苦しい事もあるのだが…結局はいい思い出になったりする。でも…結構寂しいものだ、親しい人との別れほど辛いものはない。だから、人間は成長するのだろう。
時は4月、とても仲のいい先輩が進学して自分達がやってきたサークル活動も3年生が卒業したわけで新3年生の自分達が引っ張って行かなくてはならない。ちなみにこのサークル活動は卒業ギリギリまで3年生が参加する活動なので、運動部のように夏が世代交代の時期ではない。
桃子の参加するサークルは「木工ボンドサークル」といって、なんでも木工用ボンドが白い状態から透明になるのを観察して楽しむというサークルだ。団長である三塚井さんが引退したため、桃子が後をついで「団長」となった。三塚井さんは、はちゃめちゃな団長だったが…なにか心にひっかかるモノを感じていた。
「じゃあ、今日も観察しよっか☆」
「そうだね、とりあえず黒板にでもやろっかな♪」
と、意味不明なサークル活動をしていた。別に暇な時に活動しているようなものであるので受験は全く関係ないのである。と、いうよりも真面目に進学を考えている人はこんなサークルには入らない。
どうしてなんだろう…。三塚井さんがいなくなってから毎日暇でしょうがないわ。あの人…いつも遊んでばかりいたからなぁ…変な魔法みたいな呪文も唱えてたっけ…「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」なんて言ってたわね。おまけに店の壁に木工ボンドで落書きしてバレないか…なんていう冒険も数多くさせられたわね。それでバレて三塚井さんだけ切り抜けて私だけがこっぴどく叱られたっけ…。ハァ…。ま…まぁ忌まわしい過去は忘れる事にしようかしら。
桃子が少し思いふけってボーッとしていると、友人が声をかけてきた。
「団長、だんちょ~」
「え?団長はもう卒業したけど…?」
「な~に言ってるの、今は桃子が団長でしょ?」
「あ…そうだったわねゴメンゴメンっ」
あ~もう、ダメダメ!もう団長(三塚井ドクロ)はいないのよ…。忘れるの、忘れるのよ。あの人はもうこの世にいないのよ、この世に………いや、違う違う…別に死んだわけじゃないわ。なんでだろう、団長の事を忘れられないわ。
「ねぇ、今思えば三塚井さんって、いい人だったと思わない?なんていうか…バカだけど、悪い人じゃなかったよね?」
桃子が何となく口に出してみる。他の人はどう思っているか知りたくなったのだ。みんなも寂しがっているんじゃないか、と。そう思いたかったのだ。桃子は別れとかに少し弱いタイプなのだろう。
そう言うと、その友達も思い出したようで、少し間を開けてこう言った。その言葉は桃子にとってどういう意味を与えたのだろうか。とりあえず、納得するしかない内容だった。
「言い換えると…悪い人じゃないけど『バカ』だったよね」
…………
「…そうね」
時は4月、とても仲のいい先輩が進学して自分達がやってきたサークル活動も3年生が卒業したわけで新3年生の自分達が引っ張って行かなくてはならない。ちなみにこのサークル活動は卒業ギリギリまで3年生が参加する活動なので、運動部のように夏が世代交代の時期ではない。
桃子の参加するサークルは「木工ボンドサークル」といって、なんでも木工用ボンドが白い状態から透明になるのを観察して楽しむというサークルだ。団長である三塚井さんが引退したため、桃子が後をついで「団長」となった。三塚井さんは、はちゃめちゃな団長だったが…なにか心にひっかかるモノを感じていた。
「じゃあ、今日も観察しよっか☆」
「そうだね、とりあえず黒板にでもやろっかな♪」
と、意味不明なサークル活動をしていた。別に暇な時に活動しているようなものであるので受験は全く関係ないのである。と、いうよりも真面目に進学を考えている人はこんなサークルには入らない。
どうしてなんだろう…。三塚井さんがいなくなってから毎日暇でしょうがないわ。あの人…いつも遊んでばかりいたからなぁ…変な魔法みたいな呪文も唱えてたっけ…「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」なんて言ってたわね。おまけに店の壁に木工ボンドで落書きしてバレないか…なんていう冒険も数多くさせられたわね。それでバレて三塚井さんだけ切り抜けて私だけがこっぴどく叱られたっけ…。ハァ…。ま…まぁ忌まわしい過去は忘れる事にしようかしら。
桃子が少し思いふけってボーッとしていると、友人が声をかけてきた。
「団長、だんちょ~」
「え?団長はもう卒業したけど…?」
「な~に言ってるの、今は桃子が団長でしょ?」
「あ…そうだったわねゴメンゴメンっ」
あ~もう、ダメダメ!もう団長(三塚井ドクロ)はいないのよ…。忘れるの、忘れるのよ。あの人はもうこの世にいないのよ、この世に………いや、違う違う…別に死んだわけじゃないわ。なんでだろう、団長の事を忘れられないわ。
「ねぇ、今思えば三塚井さんって、いい人だったと思わない?なんていうか…バカだけど、悪い人じゃなかったよね?」
桃子が何となく口に出してみる。他の人はどう思っているか知りたくなったのだ。みんなも寂しがっているんじゃないか、と。そう思いたかったのだ。桃子は別れとかに少し弱いタイプなのだろう。
そう言うと、その友達も思い出したようで、少し間を開けてこう言った。その言葉は桃子にとってどういう意味を与えたのだろうか。とりあえず、納得するしかない内容だった。
「言い換えると…悪い人じゃないけど『バカ』だったよね」
…………
「…そうね」
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