浪越指圧「奥の近道」ブログ

NPO法人基本指圧研究会

西表で「ナンバ式骨体操」の講習会

2008年11月24日 | 基本指圧研究会の報告
  今回の西表島・島人文化祭では、11月8日(10:00p.m.~12:00)に同行したメンバー・熱田大吾郎くんによる「ナンバ式骨体操」の講習会も開催しました。 
  私達が日頃学んでいる、ナンバの基本となる12の動きを体系化した「ナンバ式骨体操」を、島の方々の健康に役立てていただこうという企画です。 
  医療事情が厳しい島の人たちは、健康問題にはとても敏感です。  

  この日、よく怪我をするという中学生が数名、ヨガの先生、シーカヤックの日本チャンピオン・崎原健さん、学校の先生など、ナンバに興味を持たれている方々24名が集まっての講習会になりました。  

  私は助手を務め、まずナンバについての説明をしました。“捻(ねじ)らず、うねらず、踏ん張らず ”というナンバの身体の使い方を、日常生活に取り入れることでより快適な生活を手に入れていただきたいと、実際にいくつかの動きを体験してもらいつつ、理解を深めていただきました。 
  12の基本の動きによる骨体操には、皆さん大変熱心に取り組まれていました。よく理解できた様子で、とても和やかに講習会が進行できました。よく怪我をするという中学生達も、「準備体操にこれを取り入れよう」と、楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした。  

  10時開始の予定でしたが、案の定「沖縄時間」により遅れました。終了時間はきちんと12時にしたのですが、参加者の熱心な質問が多く、予定を20分も過ぎてしまいました。 

  1時からは指圧の予定があり、少し急いでいたので質問はこちらから強引に打ち切りましたが、まだまだ色々聞きたいことがあるようでした。

 「面白かったね」
 「これ、絶対ちゃんとやろうね」
 「大ちゃん(熱田くん)ありがとう!」  

  参加者の口から出る嬉しい反応に、はるばる西表まで来た甲斐を感じました。「次回もまたぜひ来てください」との熱心な言葉に、ぜひ応えたいと思っています。 
  大ちゃん、ご苦労様でした。

長野で研修会、肩甲下部の練習こそ基本

2008年11月24日 | 基本指圧研究会の報告

(この実技研修会のあと、西表の島人祭の参加に、仕事にと忙殺され、ブログでの報告が大変遅くなりました。お詫びします) 
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  日本指圧専門学校同窓会主催の第2回地方実技研修会が、11月2日(日)と3日(祝)の両日、長野県の佐久平で開催されました。次にその次第を記します。  

  第1日目 
  13:00~14:45 『効果的な圧し方と臨床での応用』 講師 金子孝夫先生 
  15:00~16:45 『保険往療マッサージの実情と運営』 講師 川原善次郎先生 
  18:30~20:30 懇親会  

  第2日目 
  9:00~11:20 『臨床のための基本指圧』 講師 鈴木林三先生 
  12:30~14:30 『フリー指圧イン佐久平』 ボランティア指圧施術  

  基本指圧研究会からは、埼玉県在住の6名が参加しました。1名は、前日から参加しました。あとの私達5名は、車に乗り合わせて3日に参加する予定でしたが、3連休最終日で高速道路の大混雑が予測されたため、急きょ新幹線での参加に切り替えました。 
  3日朝7時18分、大宮発の「あさま503号」にて佐久平まで約1時間。現地の朝の寒さに驚き、一同思わず肩をすくめて急ぎ足で会場の勤労福祉センターへ向かいました。まだ新しい建物のようで、綺麗で設備が整った立派な会場でした。  

  目指すは、鈴木林三先生の「臨床のための基本指圧」です。定刻通りの9時開始で、先生によるデモンストレーションの後、いつものように2人1組で肩甲下部の練習です。 
  私は肩甲下部の練習が一番大好きです。それは、なにより楽しい練習だからです。わざわざ地方まで、足を運ぶ価値がある練習なのです。参加した研究会のメンバーは、各々のレベルに応じて一歩前進した感覚を掴んだようです。
 「ヤッパリ肩甲下部の練習が1番楽しい!」 
  帰り道、異口同音に晴れやかに語っているのが、とても印象的でした。  

  新幹線は超満員でしたが、早朝からの強行軍の疲れも吹き飛ぶほど、ワクワクした気分で帰途につきました。この日受けた教えを自分の中でしっかり消化していこうと、全員が誓い合いました。次回また指導を受けられるまでには、今より数段上達したレベルで向かいたいと考えています。  

  鈴木先生の「肩甲下部の圧し方がすべての圧し方の基本である」という発見は、本当に凄いものだと改めてしみじみ感じる講習会でした。今から次回を心待ちにしています。  

  執行部の皆様、本当にありがとうございました。素晴らしい講習会の開催に、心から感謝いたします。また地元の先生がたのお心遣いにも感謝いたします。ありがとうございました。  
  ボランティアで圧させていただいた方々との交流も、指圧普及に貢献できた手応えを実感できる有意義なものでした。今後の拡がりに期待したいと思っています。本当にありがとうございました。


沖縄・西表、3年ぶりの島人文化祭で指圧

2008年11月23日 | 基本指圧研究会の報告
  11月7~9日、沖縄の西表島で3年ぶりの島人文化祭が開催されました。これは、西表島エコツーリズム協会の主催で行われる文化祭です。 
  今年は環境省も協賛し、八重山地方の環境保護団体と共に、自然環境を守るための催しものが盛りだくさんでした。9日のグランドフィナーレには、水の環境問題に詳しい落語家の江戸家子猫さんの高座もあると聞き、とても興味をひかれました。

  私達は7日朝の飛行機で現地入りしたかったのですが、石垣直行の航空券が入手困難でしたので、6日の夕方まで仕事をして、夜のJALで羽田を発ち、那覇で前泊することになったのです。 
  ところが、たまたま宿泊したホテルのレストランで、地元で生産している「ニヘデビール」に出会いました。これは玉泉洞という鍾乳洞の珊瑚を使って濾過し、加熱処理せずに作っているという地ビールで、これまで味わったことのないマイルドで深みがあり、美味しいビールでした。気温30度という異常な暑さのなかで、この出逢いには感激ひとしおでした。  

  翌7日、朝一番の飛行機で石垣島へ。そこから連絡船に乗り換えて、西表島に入りました。同行した2人はこの日の予定はOFFでしたので、竹富島の観光に出かけました。  
  驚いたことに、西表は那覇よりもっと暑いのです。朝から直射日光がジリジリ射してきます。港には崎原章子さんが迎えて下さいましたが、なんと70年振りの暑さだとのことでした。その足で、染色家の石垣昭子先生の工房へ案内していただきました。

  樹齢を刻んだ南国らしい木々に囲まれ、横に長く伸びた枝には、これから紡(つむ)がれる糸芭蕉が干され、風になびいて涼しげです。オープンな雰囲気の工房の広い窓は、日除けにパッションフルーツの棚が作られています。 
  若い人達が大勢染色を学んでいて、活気に満ちた空間です。ここから石垣先生の「風の通る布地」が、世界中のデザイナーの元に届けられているのです。 
  以前から心底感心しているのですが、この工房の名前が素晴らしいのです。「紅露工房」と書いて、「くーるこうぼう」と沖縄読みします。この命名には、昭子先生のセンスが光っているのを感じます。  

  到着するなり早速昼食をご馳走になってしまいました。「ジューシー」という、西表独特の豚肉と野菜の炊き込みご飯です。これにピパーツという島胡椒の葉を千切りにしたものを混ぜているのですが、今まで経験のない、この島らしいなんとも優しい美味しさです。思わず「美味し~い!」とストップモーションになりました。  

  西表島は食べ物のとても美味しいところです。海、山、川の自然から採取できる豊富な食材に恵まれ、ほとんど自給自足に近い生活が楽しめるのが何より羨ましい思いがします。いつもながらの美味しい食事、ありがとうございました。本当にご馳走様でした。  

  午後からさっそく指圧です。この日は4人の方を施術しました。指圧初体験の方もあり、島の方々とのゆったりとした時間が共有できる静かな環境の中で、日常の多忙を忘れ、指圧を通して友好を深めることができたと思います。 
  最後の指圧が石垣先生でした。同じ「手仕事」に携わる者同士、若い人達の手について話に花が咲きました。先生は、今の人は、芭蕉の糸を紡ぐのに「親指と人指し指しか使えない」と嘆いていらっしゃいました。糸を紡ぐのは、5本の指全部を使わなくては質の良い仕事はできないそうです。話が昔ながらの伝統的な遊びや教育に触れて深まり、また新たな気付きがありました。  
 
  私達の子ども時代の一般的な遊びに、あや取り、お手玉、折り紙、おはじき、こま回し等々、手指を使うものがたくさんありました。暇さえあれば、いつでも誰もが普通にやっていた遊びです。 
  教育では、多くの小学生は手指を使うソロバンをやっていました。書道もしかりです。年齢が上がればお茶、お花等々。挙げればキリがありませんが、今の子供達はほとんどやらないのではないでしょうか? 
  雑巾が絞れない子供も珍しくないのも驚きです。これでは育つ過程で、手指の器用さが養われるチャンスが無さすぎます。

 「手先を器用にするグッズを考案しました。今実用新案の申請をしたので、この先き製品化される予定ですから待っていてください」  

  私がお話しすると、先生は現況を少し嘆いておられるように見えました。

 「それは楽しみです! でもわざわざそういう物を使わなくてはダメな時代になったのですね」  

  翌日も指圧をして、今回合計9人の大人と、1歳8カ月から8歳までの子供5人の指圧をしました。子供達は本当に素直でした。この自然環境の中で、村の人達皆がいつでもあたたかく見守っている中、安心してスクスク育っているのがよく分かります。本来は皆こうあるべきだとつくづく思いました。  

  自然に囲まれて指圧ができるのは、私にとってはとても嬉しい贅沢なことです。次回の訪島を約束して指圧の全予定を終了しました。


10月,11月,1月  月例練習会

2008年11月23日 | 月例練習会の予定

10月19日(日)  9時30分~11時30分 月例練習会 豊島区勤労福祉会館 和室
11月30日(日) 13時30分~15時30分 月例練習会 豊島区勤労福祉会館 和室
  ☆12月の月例練習会(池袋)はお休みです。

平成21年
 1月18日(日)   9時30分~11時30分 月例練習会 豊島区勤労福祉会館 和室 
  桐朋学園大学教授・矢野龍彦先生、同講師・長谷川智先生を迎え、古(いにしえ)の日本人の動き “ナンバ ” を学ぶ講座を開講します。“捻らず、うねらず、踏ん張らず ”のナンバの動きは、基本の圧し方に通じるものがあります。1歩前進するためのヒントを、この機会にぜひ掴んでください。 
 
  定員がありますので、参加ご希望の方は研究会事務局まで直接お申し込みください。定員になり次第締め切らせていただきます。会員以外でも、興味のある方はどうぞ!