今回発刊したDVD「指圧の教科書 -基本指圧-」は、浪越指圧の原点である基本指圧を、できる限り分かりやすく解説して映像化したつもりです。浪越徳治郎先生の指圧を継承された鈴木林三先生から学んだ身として、何とかこの技術を、指圧を志す方がたにお伝えしたいと考えていました。
大まかな構想は十数年前から練っていたのですが、3年前、私が指圧をやっているうちに完成させたいと強く思うようになりました。具体的になったのはそれから半年後、2年半前の山梨大学医学部キャンパス大講堂で開催された「第4回山梨ダウン症フォーラム」の講演に招かれたときです。「子供のお腹を圧す」ことを映像化し、当日、参加した皆さんに見せることになりました。
これを撮ってもらったのが常田高志監督でした。常田さんはドキュメンタリー映画の製作・監督をされている方で、長谷川知子先生に紹介していただきました。先生はダウン症の権威で、元静岡県立こども病院遺伝染色体科医長を務められた方です。
もちろん鈴木先生にもお願いしました。先生は圧し手としての私の技術を見守り、指導してくださいました。そのほか私の治療院のスタッフをはじめいろんな方の協力を得て、やっと発刊にこぎつけた次第です。
鈴木先生はこの動画の撮影を1回残して急逝されましたが、大事な個所はほとんど撮影が終了していました。先生亡き後はDVDを立派に仕上げることこそが供養になると自分に言い聞かせて、指圧の仕事をしながら進めてきましたが、予定を大きく遅れてしまいました。
当初、今年の初めには出来上がるはずでしたが、ナレーション作りが思っていたより難しかったのです。スタジオを借りての収録が5月に終わり、その後編集や諸々細かい作業が続いていました。なんとか6月には出来上がる予定が7月にずれこみ、その後印刷の不手際などで、やっと鈴木先生の三回忌直前、8月9日に手元に届きました。三回忌は今年の8月13日でした。
出来上がったDVDを先生のご子息に送ることができ、3回忌にギリギリでしたが、無事8月12日にDVDを千葉・四街道の先生のお墓に手向けることができました。1人でもこのDVDを勉強の糧にして、基本指圧を身につけていただけたら嬉しい限りです。
基本指圧研究会会員の方たちに感想を聞いてみましたが、このDVDが出来上がるのを待ち望んでくれていたのがよくわかります。さすが、「無駄な力が抜けた状態で圧す」ことを目指している基本指圧研究会会員のメンバーです。感想も的を射たものでした。
浪越指圧の原点である基本指圧を分かりやすく解説して映像化できたDVDです。指圧の技量が上がる都度、見える部分が変わってきます。細部までこだわって作ったつもりですので、そこまで見てほしいものです。見ている方に解説しながら説明すると「なるほど」と、納得してもらえるのですが、そのような機会はあまりないと思います。残念ですが、何回も見ていただくことで、技術アップを目指してください。
内容は浪越指圧の肝心要である、「前頸部」「腹部」指圧を詳しく解説しています。
〇映像は、横臥位(20分)
伏臥位(25分)背部・下肢
仰臥位(45分)上肢・下肢
頭部・胸部・顔面部・腹部
〇特典映像 基本指圧研究会の講習会
横臥位指圧法、前頸部を圧す
仰臥位指圧法、腹部を圧す 指導:鈴木林三
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また、日本指圧専門学校の石塚寛校長先生から推薦文をいただいています。
DVD「指圧の教科書 -基本指圧-」発刊に寄せて
(前略)特に注目すべき点は、受け手の姿勢を整えることで圧が入り易く、無駄な力が抜けた指圧が奥深く達しているのが見て取れるところです。「指圧は痛いほど良く効く」と言われるのは大きな誤りで、つぼを得た快圧で副交感神経優位の状態に導くことが重要です。このDVDは、多くの指圧師の正に「指圧の教科書」となると思います。
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石塚先生は、医学博士で(国立)徳島大学名誉教授でもあります。文章は少し長いので一部分を掲載させていただきましたが、全文は「村岡曜子治療院」で検索していただくと、ホームページに掲載されています。
DVDをお申し込みの方も、ホームページに方法が掲載してあります。分かりにくいようでしたら、次に連絡をお願いします。
080-8012-1881(ケイタイ)留守電対応になる予定です。
049-223-6088(ファクス)18時から翌朝8時の間に送信してください。