恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

1.プーちゃん

2005年08月01日 | ベストストーリー
 私は、あなたの事を先生と呼ばない。あだ名で呼んでいた。毎日毎日メールでやり取りしていた。悲しい事やうれしい事。何でもメールで話していた。
エロい話もまざっていた。時々暴走する癖がある先生。とまる事を知らない。時々本当に先生なのかと心配になった。
 だけど、超優しい。私の事となると真剣に聞いてくれる。こんな人は他にはいない。純粋で、他人の為に心から、心配して、何よりも愛を語るのが好きな人だ。
 今では、愛を語れる大人が何人いるんだろう。きっとあんまりいないと思う。
 私は、あだ名で呼ぶけど、他の人は先生と呼んでいた。あだ名がいっぱいある人だった。中学では、会長と呼ばれて、議長とも呼ばれていたらしい。高校では、総代。今では先生だ。こんなに名前がある人は世の中で何人くらいいるだろう。
 だからこそ、私はちゃんとあだ名で呼ぶ。
 「プーちゃん」体が大きくて、熊のプーさんみたいだから、プーちゃんとつけた。私だけのオリジナルネームだ。
 「プーちゃん」は遠くから見ると可愛い。出席簿を持っていると熊が何か食べ物を持っているように感じた。
 プーちゃんの授業はとても楽しい。分かりやすく、時々、人生や愛について教えている。本当の授業なんてお構いなしだった。教科書もあまり進まなくて違う先生から、怒られていた。
 「すいません。ちょっと夢中になっちゃって」テヘッととぼけていつも笑っている。その愛くるしい笑顔にみんな笑って簡便しているみたいだった。
 私とプーちゃんが付き合うようになったのは、メールで悩み事を相談している時に急にキュンと恋心が芽生えてしまってからだった。
 プーちゃんを見るたびにドキドキして胸が痛くなった。どうする事も出来なくて、告白したら「じゃー付き合うか」とオッケィしてくれた。
 私もうれしかった。プーちゃんもうれしかったに違いない。職員室に行っても皆が微笑んで祝ってくれて、チョーうれしかった。中にはヒューヒューと言ってくる先生もいたけど、プーちゃんは気にしてないようすだった。
 プーちゃんが幸せならよかったんだ。歳は20歳くらい離れていた。私が20歳の時にはプーちゃんは40歳だった。
 今では、懐かしく思う。あの頃は若かったけどプーちゃんを選んで本当に良かった。私が60歳であなたが80歳。あなたが死ぬ時まで幸せだった。あなたがいつも語っていた愛を感じる事が出来たから。
 今度は孫に、愛が一番大切だということを教えないとね。
 「ねぇプーちゃん」

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4 コメント

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Unknown (papie)
2005-08-04 10:54:52
心がほんわかとあたたかい感触に包まれました。…ところでここに登場する「私」は、あの時のNさんなのでしょうか?あの時のことがモチーフになっているのでしょうか?と、すれば、あのお話、「え?え?ここで終わっちゃうのー?」って思ってたけど、こうやって完結されて、昇華されて、…よかった、って安心しましたよ。

それにしても、この短さで、よく起承転結巧みに、すてきなお話書けますよね。すごいな~。キーボーさん、近い将来作家デビューなのでは?
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そういうことにしててもいいですけど。 (キーボーです。)
2005-08-04 19:37:31
 どうでしょうね。ヤッパリ読む人に決めてもらうのがいいのでしょうね。Nさんとは、結ばれたかったんですが、現実にはうまくはいかないものです。

 この物語はこの物語として見ていただけたらいいなぁと思います。

 昔は、作家に憧れて色々書いていたんですが、なかなか、こちらも現実では難しいようです。円高の影響かな。(笑)
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Unknown (mimi)
2005-08-07 00:48:09
こんにちはぁ☆初めて書き込みます♪良いブログですね♪ミミが毎日見ている彩香さんの日記も恋愛あり、ちょっとエッチな話ありで、ドキドキ、でもとっても切なくってウルウルで超オススメですょ(*>Å<)





http://www4.diary.ne.jp/user/484493/

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ぷーちゃん (恋するうさぎちゃん)
2005-08-19 15:22:28
なぜか先生に恋ばかりしてしまいます。スーツを着て優しく教えてくれるところに惚れてしまいます☆たしか私の中学のときの塾にプーちゃんみたいな先生がいましたぁ
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