最近八年同棲していた彼女が出て行った。
この前、泣きながらケンカをしたのが原因だろうか。まさか出て行くとは思いもしなかった。
そういえば、いつも仕事から帰ってきたら彼女の姿があった。笑顔でお帰りと迎えてくれる彼女が好きだった事が改めて分かった。
いなくなって初めて寂しさや孤独を感じた。世界にただ一人取り残されたような感じがした。心にポッカリと穴が空いたようだった。
なぜ彼女は帰ってこないのだろうか。
俺に嫌気がさしたのか。ちゃんと仕事もしているし、彼女の記念日には必ずプレゼントをやっていた。何がいけなかったのか。
もしかしたら、違う男が出来たのかもしれない。
おとなしい彼女が違う男とイチャイチャしているかと思うと胸がムカムカとした。男がいるならいるで、そういってくれればいいだろう。
彼女が帰って来なくなってしばらく経った。
冷たい雨が降る日に、カズエがやってきた。ずぶ濡れのカズエは濡れた子猫みたいに震えていた。俺は、わけも聞かずそっとドアを開けて家へ入れてやった。
カズエとは、昔ちょっとした事で知り合ったのだが、まさか家に来るとは思いもしなかった。
それから、仕事が終わって夜になると必ず家にやってくるようになった。居心地がいいのだろうか。
カズエは、鼻歌を歌いながら、弁当を持って、階段を上がってくる。
上がって来る時にカタカタとハイヒールの音が聞こえて来た。最近この音を聞くのが楽しみで仕方ない。
今は、彼氏はいないらしい。私には一応彼女がいる。八年同棲していた彼女を裏切るわけにはいかない。だけど、いつ戻ってくるかも分からない彼女を待つわけにもいかない。カズエと彼女がばったり遭ったらそれこそ冷や汗ものだ。
カズエは、別に美人ではないし、スタイルもいいというわけでもない。
カズエの愛くるしい笑顔と性格がとてもいい事に時々胸が張り裂けそうになる時がある。
仕事が終わって疲れた時に、肩を揉んでもらった。肩をもんでいるカズエの姿を見ていい女だなと思った。
遠い彼女より近くの彼女がいいのかもしれない。
それからずっとカズエの事が気になって、夜も眠れなくなり、ご飯も喉を通らなくなった。
苦しくなって、次に会った時に告白をした。
「好きだから、付き合って」と照れて言った。
「あなたの事大好きだけど重すぎる恋は嫌いだから」カズエは苦笑いを浮かべて言った。
重すぎる恋?俺は一晩中どういう意味かを考えた。遠まわしにふられたのかもしれないなと思った。
色々と考えた結果。もう一度意味を聞こうと思ったが、愛し合う事が一番早い方法かなとも思った。
家に来るようになって二週間が経った。
カズエといつも触れ合いたいと思うが、手を触れようとすると石みたいに体が動かなくなる。
この気持ちは、遠い昔に忘れてきたものだとすぐにわかった。人を恋する気持ちだった。彼女を愛しく思うばかりに自分を情けなく思い、しり込みをするのだった。
まさか、この俺が恋わずらいになるとは思いもしなかった。
だけど、酒を飲んでいる時に、酔った勢いでカズエを激しく抱きしめる事が出来た。アルコールが入ったせいか、緊張がとけて、うまく抱き合う事が出来た。
カズエも寂しかった。俺も寂しかった。お互いの寂しさを紛らわすのはやはり愛し合う事が一番いい方法だった。
愛し合った後、すがすがしい気持ちになった。
頭の中でどうしてやってしまったのかと疑問が少し残ったが、隣で気持ち良さそうに寝息をたてて、横になっているカズエを見て、うれしい気持ちで胸がいっぱいになった。
心の奥の方で結婚してもいいかなと思った。
外は夜が明けていた。カーテンの隙間から日差しが入って来た。スズメの鳴き声も聞こえてきた。遠くから聞こえてくる新聞配達のバイクの音が耳障りだった。
窓の隙間から冷たい風が入って来てくしゃみをした。カズエが起きないかとそっと横顔を見た。
カズエはくしゃみに反応して、何か呟いて寝ながら笑っていた。
きっと幸せな家庭を夢に見ているに違いなかった。
この前、泣きながらケンカをしたのが原因だろうか。まさか出て行くとは思いもしなかった。
そういえば、いつも仕事から帰ってきたら彼女の姿があった。笑顔でお帰りと迎えてくれる彼女が好きだった事が改めて分かった。
いなくなって初めて寂しさや孤独を感じた。世界にただ一人取り残されたような感じがした。心にポッカリと穴が空いたようだった。
なぜ彼女は帰ってこないのだろうか。
俺に嫌気がさしたのか。ちゃんと仕事もしているし、彼女の記念日には必ずプレゼントをやっていた。何がいけなかったのか。
もしかしたら、違う男が出来たのかもしれない。
おとなしい彼女が違う男とイチャイチャしているかと思うと胸がムカムカとした。男がいるならいるで、そういってくれればいいだろう。
彼女が帰って来なくなってしばらく経った。
冷たい雨が降る日に、カズエがやってきた。ずぶ濡れのカズエは濡れた子猫みたいに震えていた。俺は、わけも聞かずそっとドアを開けて家へ入れてやった。
カズエとは、昔ちょっとした事で知り合ったのだが、まさか家に来るとは思いもしなかった。
それから、仕事が終わって夜になると必ず家にやってくるようになった。居心地がいいのだろうか。
カズエは、鼻歌を歌いながら、弁当を持って、階段を上がってくる。
上がって来る時にカタカタとハイヒールの音が聞こえて来た。最近この音を聞くのが楽しみで仕方ない。
今は、彼氏はいないらしい。私には一応彼女がいる。八年同棲していた彼女を裏切るわけにはいかない。だけど、いつ戻ってくるかも分からない彼女を待つわけにもいかない。カズエと彼女がばったり遭ったらそれこそ冷や汗ものだ。
カズエは、別に美人ではないし、スタイルもいいというわけでもない。
カズエの愛くるしい笑顔と性格がとてもいい事に時々胸が張り裂けそうになる時がある。
仕事が終わって疲れた時に、肩を揉んでもらった。肩をもんでいるカズエの姿を見ていい女だなと思った。
遠い彼女より近くの彼女がいいのかもしれない。
それからずっとカズエの事が気になって、夜も眠れなくなり、ご飯も喉を通らなくなった。
苦しくなって、次に会った時に告白をした。
「好きだから、付き合って」と照れて言った。
「あなたの事大好きだけど重すぎる恋は嫌いだから」カズエは苦笑いを浮かべて言った。
重すぎる恋?俺は一晩中どういう意味かを考えた。遠まわしにふられたのかもしれないなと思った。
色々と考えた結果。もう一度意味を聞こうと思ったが、愛し合う事が一番早い方法かなとも思った。
家に来るようになって二週間が経った。
カズエといつも触れ合いたいと思うが、手を触れようとすると石みたいに体が動かなくなる。
この気持ちは、遠い昔に忘れてきたものだとすぐにわかった。人を恋する気持ちだった。彼女を愛しく思うばかりに自分を情けなく思い、しり込みをするのだった。
まさか、この俺が恋わずらいになるとは思いもしなかった。
だけど、酒を飲んでいる時に、酔った勢いでカズエを激しく抱きしめる事が出来た。アルコールが入ったせいか、緊張がとけて、うまく抱き合う事が出来た。
カズエも寂しかった。俺も寂しかった。お互いの寂しさを紛らわすのはやはり愛し合う事が一番いい方法だった。
愛し合った後、すがすがしい気持ちになった。
頭の中でどうしてやってしまったのかと疑問が少し残ったが、隣で気持ち良さそうに寝息をたてて、横になっているカズエを見て、うれしい気持ちで胸がいっぱいになった。
心の奥の方で結婚してもいいかなと思った。
外は夜が明けていた。カーテンの隙間から日差しが入って来た。スズメの鳴き声も聞こえてきた。遠くから聞こえてくる新聞配達のバイクの音が耳障りだった。
窓の隙間から冷たい風が入って来てくしゃみをした。カズエが起きないかとそっと横顔を見た。
カズエはくしゃみに反応して、何か呟いて寝ながら笑っていた。
きっと幸せな家庭を夢に見ているに違いなかった。
今日の、最高だね!どんどん円熟味を増してきてるよ!ってことは、いっぱい「経験」してるってこと?
一つ一つのフレーズに頷けたよ。カズエは、過去の私かもしれない。「彼女を愛しく思うばかりに...しり込みをする」も、過去のある人の思いと一致。「お互いの寂しさを紛らわすのはやはり愛し合うことが一番いい方法」で、実は.........ウチらの結婚って、これがはじまり、だったのよね、少なくとも、私サイドは。こんなとこで告白して、なんですが。
ただし!結婚数年を経過すると、「やっぱり、そんなんじゃ、ダメだった...」と思ったりもするけど、誰としても、何かしら、あるでしょうしね。(=14日の作品参照、ですね。)
今後も期待してまーーーす!!
経験ありそうに見せるのがいい男の条件ではないでしょうか。難しい所です。
全然経験ないと言ったら嘘だと言われそうなので、逃げのコメントをしました(笑)
これからも一生懸命、愛を探して書いていきます。ヨロピク。
「経験ありそうに見せるのがいい男の条件」…なるほど、深いですねぇ。そうね、「経験ないデス」って言う人ほど、すごく遊んでますね。確かに遊びも勉強のひとつではあるけど、女は男の「嘘」はすぐ見抜けるからねっ。
次回も楽しみにしてまーす!!