私とピアノと、日常と…

30年ぶりに再会したピアノや、日々を見つめるための日記みたいなものです。

パーヴェル・ネルセシアン ピアノリサイタルin札幌

2017-10-19 14:13:28 | コンサート
もう~、凄かった!良かった!!

ベートーベンソナタ「熱情」の後、15分間の休憩だったんですが…、あまりの衝撃と感動に呆然…(''◇'')
何が起こったのか?席から動くことが出来ず、頭の中で演奏を振り返ろうとしても追いつかず…。
真後ろのおじさんは感動の言葉を連発してるし…、とにかく凄い!
その後のカプースチン、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、素晴らしかった!

私はピアニストの手が見える席に居たのですが、何よりもペダリングの凄さに驚きました。
音は濁らないし、ペダルを踏み変える回数が半端なく多い。
あんなに右足首を動かしたら、筋肉痛にならないのか?と心配になってしまうのは歳のせいでしょう…けど。

ピアノの弾き方も色んなパターンがありました。
ピアニッシモも単純ではなく、鍵盤を触るようなすごく軽いタッチや、引っかくようなタッチ、手首を少し下げて重みで弾くようなタッチなど、それぞれ音色が違う。
フォルテッシモでは重い音や鋭い音など中にはガツン!とくる音もありますが、決して雑な汚い音で鳴ることはありません。
高音もコロコロしたり、キラキラしたり…。
どうしたらあんな綺麗な音が出るんでしょう。

そして、どんな気持ちを乗せて音楽を奏でているのでしょうか?
ネルセシアン氏は派手なパフォーマンスをする演奏家ではないと思います。
表面的には淡々と難なくピアノを弾いている印象を持つかもしれません。
でも、表現力は極めて豊かでした。
曲に入り込んで弾いているんだと思いますが、表情からはあまり読み取れません。
あんな物凄い「熱情」を弾くんだから、内側にある感情は半端なものではないと思いますが…。
それがまたカッコいい~。

アンコールは2曲。
ペトロフのプレリュード、リスト編曲の愛の詩。

終わってからサイン会があるようだと聞いていたので、先生からロシア語を教えてもらって数日間、反復練習して何とか覚えたんだけど…。
ネルセシアンさん、なかなかロビーに出てきてくれない。どうもサイン会はなさそう…。
観客がほとんど帰って心細くなってきたので、私ももう帰ろうとコートを着たら、突然さっそうと現れました。やっとです。
でもいざ、どうして良いか分からず、N先生の袖を掴んで「きゃっ、どうしよう…(*_*;」なんて、まるで乙女のように…。(何をいい歳こいたおばさんが…。)

顔を真っ赤にしながらも「スパシーバ(ありがとうございます)」までは良かった。
ネルセシアンさんも握手しながら目を見開いて「スパシーバ!」って!!
その後「ザ、プリクラースヌィ、カンツェールト(素晴らしいコンサートを)」と言う所が舌が回らないのか、頭が白くなったのか?うまく言えない。
「プリクラースヌィ」はネルセシアンさんがネイティブで返してくれたので通じたようですが…。
見かねてN先生が助け舟を出してくださったり、「私の生徒です。」みたいなことをロシア語で説明してくださったんですが…。
全く、相変わらず本番に弱い私です…。

ま、でもネルセシアンさんと目を合わせて会話が出来たので目的は達成です。
まずは第一段階。次は絶対に「スパシーバ、ザ、プリクラースヌィ、カンツェールト」って噛まないで言いきるぞ!!

それにしてもベートーベン「熱情」…もう一回、聴きたい。

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