建人 建築事務所 徒然的な”独り言”

日々のことを書いています。仕事のこと、出掛けた先のこと、映画の感想、日々の楽しみなど。建築以外のことも書き込んでいます。

『大学時代の恩師の書籍』と『新入社員の恩師の言葉』

2020-05-18 15:45:23 | 徒然的な“独り言”

今日も『賃貸マンション』の
自宅で自粛生活を過ごしています。

妻以外と誰ともしゃべっていない日々なので
このまま、無口になってしまうと不安・・・。
まぁ~そんな冗談は置いといて(笑)

今まで買い溜めて山積みになっていた
専門書や図集を鑑賞しています。

今回、大学時代の恩師の彦坂 裕先生の書籍の
「夢みるスケール―スケール・寸法・サイズの博物誌」
流石、彦坂 裕先生の本で面白かったです。
実際に存在するものや、空想上のものなどの寸法(大きさ)を
対峙・対峙することで、寸法(大きさ)が持つ意味を
再認識させてもらえる書籍でした。

例えば、丸の内の東京駅の全長と東京タワーの高さは
約330mでほぼ同じ寸法(大きさ)になるとか
その他公園、都市計景観などの対峙・対峙などを含め
ミクロ・マクロの「もの」のサイズ感やスケール感について
実際に体験で感じられる寸法(大きさ)で
解説・考察している興味深い内容でした。

大学時代の恩師の彦坂 裕先生の講義は
課題はグループ作成で大変でしたが
内容はワクワクさせるものでした。

 

この書籍を読んで寸法(大きさ)の伝え方の大切を改めで
考えてみると新入社員の恩師の言葉を思い出しました。

数年前に亡くなった新入社員の時のお世話になった方で
その人から、仕事へ対することから社会の常識から
人との接し方など様々なことを教えてもらいました。

それは自分で作成した設計やデザインを説明する際に言われた言葉です。
「図面の寸法(大きさ)を身近なものの寸法(大きさ)にして
 具体的で、伝わりやすくするように心がけなさい」という言葉です。

それから、施主や関係者のすべての人に図面などの寸法(大きさ)を
説明する際、必ず「mm:ミリメートル」ではなく
「cm:センチメートル」で伝えたりしています。
また、具体的な図面の寸法(大きさ)を説明する際には
「図面の段差は、あの階段と同じ高さです」
「図面のカウンターは、このテーブルと同じ幅です。」とか
身近なものと類似・対比させて説明しています。

なるべく設計やデザインの説明や提出物は
一度で完結するように心がけています。
そして、図面の寸法(大きさ)や図面の表現について
誰からも質問が来ないように心がけています。
いまだに、上手くいかないことが多いですが・・・。

設計やデザインする自体が存在しない非現実なものから
現実なものにする必要な共通言語的なものが
図面に記されている寸法(大きさ)や図面の表現力だと思います。

設計やデザインした非現実な世界の空間を
施主や関係者のすべての人に想像して
理解してもらうは難しいと思います。
すべての人に想像して理解してもらえるような
図面の寸法(大きさ)や図面の表現力がないと
施主は、設計やデザインを選んでもらえないし
現場は、施工してもらえないから
現実なものにならないですかね・・・。


これから仕事の様式が大きく変化することになると思います。
図面の作図が手書きからPCに移行した時のように
設計の仕事のやり方が変わりコミュニケーションも変わり
個人の作業が時間や負荷が増え、見直しや相談が後回しになり
上司や他の人のチャック機能が希薄になり、
気づかない小さなミスから大きなミスが増えるのではないですかね。

まぁ~これからも、恩師の言葉の通りに伝え方に気を付けようと思います。
これから始まる「アフターコロナ」や「withコロナ」の世界がどうなるか?
いつまで、新型コロナに怯えながら生活するのか?分かりませんが。

今のこの時間とこの機会と大切にしていきたいです。