(社)東京建築士会 江戸川支部主催の
平成22年 第2回研修会に出席しました。
内容は「設計は請負」判決(平成21年4月23日・東京高裁判決)について
講師に弁護士(第二東京弁護士会消費者問題委員会住宅部会所属)を迎え
実例の判決内容を元にした勉強会でした。
無知な私だけなのか分かりませんが
一級建築士として依頼者と設計契約を結ぶ場合
その設計契約とは「法的」には
どの種類の「契約条件」になるのか知りませんでした。
また「契約条件」による「法的根拠」が違うことなど
今回の勉強会で理解できました。
意外と“あいまいな”状態で今まで設計契約を行っていたことと
今まで問題がなかったのが“ラッキー”だったのかもしれません。
簡単に勉強会で知り得た内容を載せると
一般的に「契約」とは「請負契約」と「委任契約」
そして「準委任契約」の3種類に分類されるそうです。
「請負契約」:仕事の完成に対して報酬を支払う契約。
例:建築工事請負など。
「委任契約」:法律行為の事務処理を委託・受託することを約束する契約。
例:弁護士の訴訟代理など。
「準委任契約」:事実行為の事務処理を委託・受託することを約束する契約。
例:医師の手術など。
【違い】:弁護士の裁判にしても、医師の手術にしても、結果は請け負わない。
建築工事は、結果を請け負う。
結果に着目しているのが請負契約であり、
結果を問わないのが委任契約。
端的に言えば、顧客が成果物に対して
報酬を払っているのが請負契約。
プロセスに対する手間賃として払うのが委任契約。
そこで「設計契約」は上記のどの部類に属するのかというと
「“基本設計”は、設計図書そのものよりも、
顧客の要望を具現化するという事務処理に重きを置けば、
準委任の要素がある。とはいえ基本設計といえども、
基本設計書の完成に対して報酬を
支払っていると考えれば請負の要素がある。」
「“実施設計”は、実際の建築に必要な図面を作成するという、
仕事の完成を請け負う要素が大きい。
特に大規模建築物の設計は、
個人と個人の間の信頼関係というより、
多数の設計者による分業が前提で、
建築に必要な膨大な枚数の
設計図を作成するという請負的要素が大きい。」
ということと考えられるそうです。
その他に今回の研修会では、具体的な講義として
「設計契約が準委任契約だったとすると
今回の結論は異なるのか?」や
「実務契約での注意事項」などを聞くことが出来ました。
最後に設計業務を行う時の「教訓」として
1 「施主とのインフォームド・コンセントによる対話型設計」
2 議事録などの証拠を残して、サインか捺印をもらう。
3 顧客にとって無意味な設計にならないよう、予算はできるだけ守る。
4 予算を超える場合は、オプション工事という形で区分しておく。
5 契約時点で、想定される期間を区切っておく。
6 契約書に、設計者が、著作権を留保するか、
著作権を譲渡して報酬請求できるかの選択権を持つように記載する。
以上のアドバイスを頂きました。
いやぁ~難しい内容の題材でしたが
講師の方が分かりやす講義をして頂いたので
簡単に理解できることが出来ました。
大変ためになりました。
今、色々と難しい社会になってきてます。
仕事を行う上で、建築以外の知識も必要です。
「初めから知ってれば」と思う前に
やはり、勉強ですかね・・・。
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