DrKの株日記

現役医師が仕事の合間をぬって株と格闘するブログ

不思議なくらい低い数値だ

2011年06月02日 | Weblog
福島からの避難者ら4割が内部被曝 長崎大病院調べ

「 福島第1原発事故を受け、救援活動などで現地入りした人や、現地から長崎県に避難している人たちを長崎大病院(長崎市)などが調べたところ、約4割が内部被曝(ひばく)していることが分かった。原発作業員以外の体内放射能の測定結果が明らかになるのは初めて。健康影響は考えなくていいレベルという。同大の研究グループは5日、広島市中区で開かれる「原子爆弾後障害研究会」で報告する。
 同大病院は3月14日から、福島県に派遣された大学や長崎県職員のほか被災地からの避難者を対象に、ホールボディーカウンター(全身測定装置)を使って体内放射能を検査している。同月末までに検査を受けた計87人を分析したところ、通常は検出されない放射性ヨウ素131を34人(39%)から、セシウム137を22人(25%)から検出した。
 ヨウ素は体重1キロ当たり平均8・2ベクレル、セシウムは同12・5ベクレルだった。人間(成人)の体内には通常でも、放射性物質のカリウム40が50~70ベクレル存在することから、健康影響はないと考えられるという。
 研究グループに参加した長崎大先導生命科学研究支援センターの松田尚樹教授は「ヨウ素やセシウムの値は予想の範囲内だった。呼吸を通じて取り込んだものが大半ではないか」とみる。4月以降に福島県内に入り、測定を受けた人の検出量はゼロに近づいているという。」


この記事を読んでどう思うだろうか?普通は、
「へ~ちょっとしか福島にいなかったのに4割の人がセシウムに内部被曝しちゃったんだ!
どれだけ危険なんだよ~」

自分は逆だ。
実際、預託実効線量を計算してみた。
ホールボディカウンタによる体内放射能測定実習

多分、あってると思うが(笑)
なんと1マイクロシーベルト!(これ一生分ね)
福島の外部被曝の放射線量がだいたい1マイクロシーベルト/時だから
1時間分の被爆量にも満たない。
これでは健康被害なんてありえない。

普通におかしい、低すぎる!
なぜだ?
土壌の汚染レベルに比べて
いくらなんでも少なすぎだろ。
理由がわからない。
計算間違いじゃないと思うがw

呼吸だけって被験者は現地で食事してなかったのか?
長崎大って山下がいるところだからな~
こんなに早く敢えてマスコミにだしてくるのも怪しいが…

ちなみに
安全基準を超えた「内部被曝」(要精密検査)すでに4766人、異常値を示した人1193人
隠された放射能汚染を暴く

こちらは単位がベクレルじゃないのでシーベルト換算がよくわからないので不明。
cpmってホールボディカウンタの数値っぽくないんだけどな。
むしろ、スクリーニングのGMサーベイメータの数値っぽいんだけど…

まあ、早く福島の子供たちを検査してくれって話だが…。

福島県にまだ人が住んでいるという愚かさ

2011年06月02日 | Weblog
昨日のブログでウクライナの健康被害について述べたがもう一度
日本のデータと比較してみる。

2012年3月11日までの累積放射線量(単位はミリシーベルト、2011年5月17日付朝刊)
これは、来年までの累積放射線量の予想である。
図の単位が間違ってるのか?と思ったが、
福島市内には10ミリシーベルト/年の場所があるようだ。
ってことはその周りにははるかに広範囲な5ミリシーベルト/年の場所があり
そのまた広範囲の場所に1ミリシーベルト/年の場所があるってこと。

ウクライナでは,放射性核種の土壌汚染密度と平均被曝量の値に基づき,汚染地域を4つのゾーンに分けている。
①避難ゾーンチェルノブイリ原発周辺30kmゾーン→強制避難地域、このゾーン内で働いた人々は「リクビダートル」と呼ばれている

②移住義務ゾーン:放射性核種の汚染密度が次の地域.セシウム137:15Ci/km2以上,ストロンチウム90:3Ci/km2以上,プルトニウム239:0.1Ci/km2以上.ただし,放射性核種の地中からの移行が大きな場合には,セシウム137:5~15Ci/km2,ストロンチウム90:0.15~3Ci/km2,プルトニウム239:0.01~0.1 Ci/km2.このゾーンの平均被曝量の基準は,5ミリシーベルト/年

③移住の権利が与えられる居住ゾーン:放射性核種の汚染密度が以下の地域.セシウム137:5~15Ci/km2,ストロンチウム90:0.15~3Ci/km2,プルトニウム239:0.01~0.1 Ci/km2.ただし,放射性核種の取り込み率の高い土壌の地域では,セシウム137:1~5Ci/km2,ストロンチウム90:0.02~0.15Ci/km2,プルトニウム239:0.005~0.01Ci/km2.このゾーンでは,被曝量は事故以前のレベルから1ミリシーベルト/年を越える可能性がある

④厳重な放射能管理の下で居住が認められるゾーン:放射性核種の汚染密度が以下の地域.セシウム137:1~5Ci/km2,ストロンチウム90:0.02~0.15Ci/km2,プルトニウム239:0.005~0.01 Ci/km2.ただし,放射性核種の取り込み率の高い土壌の地域では,セシウム137:0.2~1Ci/km2の値とする.このゾーンの被曝量は年間1ミリシーベルトを越えてはならない


参考として日本のセシウム137の推定値を引用しておく
中鬼と大鬼のふたりごと5月13日より
<セシウム137:推定最大値>
東京(奥多摩以外の大部分):77,000Bq/m2(MBq/km2)=2.1Ci/km2
茨城(北茨城・日立除く):125,000Bq/m2(MBq/km2)=3.4Ci/km2
福島市中心地:500,000Bq/m2(MBq/km2)=13.5Ci/km2
※1Ci(キュリー)=37000MBq(MBqは百万ベクレル)

東北と首都圏の大部分は④で場所によっては③
福島市内は、ほぼ②場所によっては①に入る部分があるということだ。


<子供たちの健康状態>

チェルノブイリ事故で被曝した子供では,1987年から1996年まで慢性疾患がたえず増加してきた.表14は,チェルノブイリ被災地域の子供の発病率と罹病率の値である.

この約10年間で,罹病率は2.1倍に,発病率は2.5倍に増加した.罹病率の増加が最も激しいのは,腫瘍,先天的欠陥,血液,造血器系の病気であった.最も罹病率が高いのは,第3グループ(厳重な放射線管理下の住民)の子供たちである.同じ期間において,ウクライナ全体の子供の罹病率は,20.8%減少していることを指摘しておく.

このように,被災地域の子供たちの罹病率は,全ウクライナ平均での子供の罹病率をはるかに超えている7,8.被災地域の子どもたちの病気の構成を表15に示す.

同じ期間に,先天的欠陥の発生率は5.7倍に,循環器系および造血器系の罹病率は5.4倍に増加している.

妊娠中と出産時の異常の増加に伴い,新生児の死亡率が増加している.また,1987年に1000人当り0.5件であった0~14歳の子供の死亡率は,1994年には1.2件に増えている.

神経系と感覚器官の病気(5倍に増加),先天的欠陥(2.4倍に増加),感染症・寄生虫起源の病気,循環器系の病気などによって,子供の死亡率は増加している.

他の地域の子供に比べ,問題の子供たちのガン発生率も明らかに大きい.被災地域の子供の,腫瘍発生率は1987年からの10年間で3.6倍に増加している.ガンの種類によって,その死亡率の増加傾向は,必ずしも一定していない.しかし,汚染地域の子供のガン死亡率は,他の地域の子供よりも大きくなっている.

東北と首都圏に住む子供たちは、結局のところ最も罹病率の高いグループに入るということか。
もう福島なんてほとんど強制避難区域だし、
健康被害の基準は1ミリシーベルト/年あたりに存在しているはずなのに
20ミリシーベルト/年とかもう見当はずれな数字であることがわかる。

ガンにさえならなきゃいいや…
そんな浅はかな考えでまだ福島に居続けるとしたら大間違いである。
ガンだけじゃない心臓や肺や血液や
そういったありふれた病気に苦しめられるのだ。

前にブログで現在の放射能被曝は汚染された土壌に由来すると書いた。
今の放射線量はおそらく今の住民が生きている限り
同じ放射線量が続くだろう。
校庭で遊ぶことすらできない
そんな土地に住み続けることなんて普通に考えてムリだろう。
子どもだけじゃない大人もだ。

十年後にこのブログを自分で見たときどう思うのだろう?
もっと声を高くして注意をするべきだったと思うのだろうか?
それともあまりに楽天的な考えをしていたことに落胆するのだろうか?

3月15日や16日の自分のブログを見ると
その時の自分に思わずこんなことが起こってたんだよって
語りかけてしまう。
たった数ヶ月前なのに…
十年後の自分は、今の自分に何を語りかけるのだろう。