私は地球で楽しく遊ぶために生きている

心はいつも鳥のように大空を飛び 空に吹く風のようにどこまでも自由に

女達の恋愛事情~理香子の場合~最終章

2016-07-16 21:37:21 | オムニバス恋愛小説
人は生きていく中でさまざまな選択がある。
もしも、あの時田島と出会っていなかったら・・・
もしも、あの時職場の先輩のプロポーズを受けていたら・・・
もしもあの時ユリを産まないで、独身でいたら・・・
私の人生は変わっていただろうか。
いや、結局何が起ころうと人生の「もしも・・・」は繰り返されるのだ。

田島は、ユリを選んだのだ。
私は、不幸にも愛されない側になってしまった。
私は女を失った。自信を失った。
それは、体の一部分をもぎ取られたような喪失感だ。
女として?そう女としての哀しみと喪失感だ。
正直に言わなければならない。
私は母親にはなれなかった。
ユリが感じていたであろう母という生き物に最後までなれなかった。
・・・でもユリ、あなたは田島に選ばれた。
    女として勝組じゃない・・・

私は空を見上げ呟いた。


終わり・・・