旧ラックのたね

PVL・WEST症候群があり、発達がゆっくりな娘の日常を書いています。

病棟のヒトコマ

2008-05-31 | 日常のよもやま話
今日はよくドクターヘリが飛ぶ日だ。
屋上から飛んでいっては、また帰ってくる。隔絶されているからわからないけど、外で大事件でも起こっているのか、と思うほど。

隣のお部屋には夜の間付き添いがいない3歳くらいの男の子がいる。
朝と夜はベッド柵をがたがた揺すって、檻の中の子グマのよう。寂しいのか夜になると看護師さんに甘えて抱っこしてもらっている。とてもかわいい坊や

坊やの隣に小学校3,4年生くらいの男の子が入院してきた。
坊やのことを気にして、キャラクター付きのキーホルダーを投げ合いっこしたり、別の遊びに誘っている。坊やもそのお兄ちゃんが好きみたいで、寂しさもやわらいでいい表情でキャッキャッとはしゃいで遊んでいる。
あるお母さんが男の子に「上手に遊んでるけど兄弟おるん?」と聞くと、「一人っ子。こいつが何回わたしても投げよるねん。もう僕疲れてきた」なんて言いながら、坊やの相手をまんざらでもなく続けている。とっても微笑ましい光景だった。

泣きながら反り返って背這い移動するあーのことを周りのお母さんがさりげなく見てくれていて、わたしがシャワーに行く間に抱っこしてくれている。とても助かっている。放置すると顔をベッド柵に打ち付けるくらい、あーの怒りの反り返り移動パワーは強いのだ。
あ、そうそう。昨夜からエクセグラン減量になり、担当医の先生に抗議しちゃった。なぜこのタイミングから減量やねん!と。担当医は上司(神経のチーフ)から指示を受けただとわかってはいるけど、ちょっとねえ。
専門ではないのに、一生懸命誠実に答えてくれて、逆にその先生(小島よ○お似でおっぱっぴー先生と呼んでいる)に好感がもてた。


ACTH療法にあたり、感染を心配して「個室に行かせてください」と何度もお願いしたが、感染には十分配慮しますから、と希望は退けられてきた。どうやらこの病院では個室は少し違う意味合いで使われているようだ。
昨夜個室のエリアは看護師と医師がバタバタ出入りして慌ただしくなっていた。同室の人がせっぱ詰まった様子で電話をかける母親らしき人の姿を見ていた。
・・・ずっとずっと頑張ってきた子が、苦しみから解放されてお空に還ったんだ
たぶん見たことない子だけど、すごく寂しい気持ちになる。親御さんの気持ちを思うと辛くてたまらなくなる。この病院は、あちらの世界が身近な病院なんだ。

小さな事で悩んでいるのが恥ずかしくなる。
生きていることがとても幸せなこと。その子の分も生きていきたいと思う。

今日こそは

2008-05-30 | west症候群
トリクロ使わなあかんかも~。

昨夜かろうじて眠ったものの、夜中におなかがすいたと大泣きして背這い大移動、反り返りウルトラCをキメていたあー。今日も抱っこしていないと眠ることができず、とにかく怒りまくっている。使わずにすむなら使いたくなかったトリクロを今夜は使わないと眠れないかも。

ACTH5回目になり、火がついたように激しく泣くようになった。消灯までは部屋から出さないようにしているから洗濯・食事・哺乳瓶の準備消毒に至るまでの作業が滞ってしまう。今も発作は続いているというのに、明日からエクセグランを減量していくってマジ!?デパケンは飲まなくても変わらないけど、エクセグランは少なからず効果があったから怖すぎる。
思わず先生に「それは冒険です!!」って抗議しちゃった。発作が止まり脳波が改善してから減量していってもいいんちゃうん?もっと言いたかったけど主治医たちは小児神経学会に出かけて留守。留守居の先生にかみついても仕方ないんかな。
他の人にも聞いたけど、結構この病院は思い切って「攻め」の治療をする。これは神経関連に限らないこの病院のスタイルらしい。

薬が減ることは、とてもうれしい。体の負担を減らせるもんね。同時に薬を断つことで発作が再発もしくはひどくならないか、と。「薬続けてください」とお願いする自分が、ひどい親のように思えてくる。

複雑。。。

ユーカリの木

2008-05-29 | Weblog
4回目のACTHしたのに今日もシリーズがあり凹んでるわたし↓脳波は改善されてきてるらしいけど、発作が残ってたらやはり嫌すぎ。先生は焦るなって言うけれど、嫌なもんだわ。

あーは副作用による不機嫌~。起きてる時間中ミルクか泣いて抱っこを要求するかの2つに1つ。ミルクを欲しがるから薄めて1日7回飲ませている。眉間にしわ寄せて不機嫌ですが何か、といらいら。笑顔もほとんどなく、反り返って怒ってる。不機嫌になる子ほど効くと先生は言うが…あてにならんな。トリクロを使わなくてもなんとか寝てくれるのが救い。


あーの抱っこポーズはコアラに似てる。両足をわたしの胴に巻きつけて、くたーっと寝る。かわいい♪んで、わたしの服をところ構わずちゅっちゅっ吸ってる。わしゃユーカリかぃ!?


…ユーカリなのかもしれないな。
たくさん種類があるのにコアラが食べるのはほんの数種類。
選ばれた、という考えは本当は好きじゃないけどさー、あーコアラに服をはむはむしゃぶられるわたしは、コアラが選んだユーカリなんかな?

コアラを元気に育むためには、ユーカリの木がまず元気でないといかんね。

2度と目にしたくないもの

2008-05-25 | west症候群
発症してから2ヶ月間に一番よく使った言葉。
よくも悪くも変わりません。

服薬をはじめてから、発作が増えもせず減りもせず続いていたあー。
ACTHをはじめて発作がぴたっと止まった、、、わけではないようだ。

スパスムも別の発作も2度と見たくない。早く苦しみから解放してあげたい。


同室のママさんと盛り上がったのが、「先生や看護師さんが見てるのはほんの一部よねー」という話。
あーはうつ伏せにすると頭をぐっと持ち上げることができるが、気分が乗らなくてしないときもある。でも、回診で先生が来てうつぶせにしてもやる気がなかったらカルテに「首持ち上げず」って書かれて終了。特にwestだからか、「できるときもあるんですよー」って話すと「だんだんできなくなってきたんですか?(すわ退行か!?)」と尋ねられちゃう。いやいや、タイミングの問題やって。
ドクターも看護師さんもたくさんの患者をさばいているから一人一人をじっくり見ることができず、一瞬のできるかできないかで判断されちゃうよねーという親同士のプチ嘆きで盛り上がったのだ。
一番この子の状態を知っているのは家族とリハビリの先生だったりする(笑)
親はどうしても欲目で見てしまうもんなんだけどさー。

志!

2008-05-23 | 日常のよもやま話
先週から看護実習生が来てる。あーは師長さんから実習対象者に選ばれ(長期入院だろうから、という理由)若いタマゴさんが週4回来てる。
子ども慣れしてない様子と、そんなに積極的な姿勢とも思えなかったので、初日に「何科志望ですか?」と聞くと「精神です!」と即答されてビックリした。彼女曰く、内科などの病棟は業務をこなすだけで忙しく、患者のメンタルケアまでしている余裕がないかだらという。うーん、確かに精神科はメンタルケアをする場所だけど、他科と同じく看護師さんには余裕がないんじゃないかなぁ?

でも、そういう心意気の看護師さんがいればうれしいよね。

あーは会話ができるわけじゃないし、抱っこなどの身体介助(?)には実習上制約があるみたい。あーを実習生に見てもらって小児慢性の申請にいこうかと企んでたけど、無理なのねー。

せっかくなのでいろいろ話を聞くことにした。彼女はセルフヘルプグループに行きたいとか、グループ療法の見学に行きたいという希望があるそうだけど、デリケートな人が集まるデリケートな場所なだけに難しいね。ダルク等に連絡を取ったら情報はもらえそうだけど。
一生懸命な様子は伝わってきた。
病棟で臨床経験をある程度積んで、訪問看護に行った方がいいかも、と話した。精神障害の方には医療との連携って欠かせないし、退院して地域生活を送るにあたって調整が必要なこともたくさんある。訪問して相談に乗ったり、服薬確認と様子見、悩み相談にのることもできる。彼女が精神病棟で勤務をするとしても、病棟内で日常のケアをするのはもちろん大切だけど、いずれ社会で暮らすために、という視点をもって看護してほしいなあと思ってメッセージをこめたつもり。

こんな話ばっかりしてるから小児科実習っぽくなくなってきた。。。
いいのかこれで。

そりゃーもう、あっさりと

2008-05-22 | west症候群
ACTH開始。

実施にあたって、最後までドクター側も意見が分かれてる部分があったよう。
昨夕に間隔の短いシリーズ(1シリーズ52回)があり、やっぱりやりましょうと決まった。
治療に耐えたら、あーの発達は進むのかな?発作は止まるのかな?
治療が終わったら発作が止まり発達が進む保証なんてどこにもない。
ただ、可能性に賭けるしかない。


とてもビビっていたけど、シナジスと同じく太ももにうつ筋肉注射だった。
消毒して接種終了までわずか5分の出来事。そりゃーもう、あっさりと終わった。でもこの注射がこれからあーの体に与える影響を思うと涙が止まらない。
あれだけの副作用の話を聞いて、誰が打ちたいと思うだろう?
どこの親がすすんでうけさせたいと思うだろう?
先生は「消化管出血する可能性が高いので、ガスター出します」と言って去っていった。

声を殺して泣いていたら、周囲のお母さん達も一緒に泣いてくれた。
副作用で顔が変わってしまうかもしれないから、かわいい写真もいっぱい撮った。みんなが協力してくれたおかげで、笑顔の写真がたくさん撮れた。病気と闘ってる子のお母さん方の姿勢や励ましの言葉にどれだけ救われたかわからない。


乗り切ろう、2週間。
乗り切って、笑顔で帰ろう。
2週間後、2ヶ月後、2年後、20年後も笑顔でいられるように今、一緒に耐えよう。

ハゲとちょろり

2008-05-21 | Weblog
うつぶせにして、頭を上げる練習中に後ろから激写!!

かわいいし。

上の子のうなじにちょろりと髪が生えてたら次に女の子が生まれると聞いたけどほんまかな?
いつになるかわからへんけど…いつか妹ができるん?

優しさが生まれる場所

2008-05-21 | Weblog
母がいっぱい。

病棟には付き添いのお母さん方がたくさんいる。大学病院だけに入院経験も豊富。辛い経験をたくさんされてるだろうに、明るい方が多く、強いなぁと感心することが多い。それにとても優しい。

付き添いのお母さん方はあーにも気軽に声をかけて、ちょっとしたことでもいっぱい褒めてくれる。褒め言葉は大好物〓わたしを褒めてくれる人はだぁれ??あーは入院してから、声が聞こえてくる方向を探すようなそぶりを見せ始めた。周囲への関心、人への関心が出てきたんやったらうれしいな!!たくさんのお母さん方に感謝!みんなに育ててもらってるのね。

人見知りのわたしだけど、あーのおかげで出会いのチャンスをもらえた。この子はいい人を引き寄せるパワーがあるのかな?

揺れる気持ち

2008-05-20 | Weblog
エクセグラン増量でもシリーズは止まらず、ACTHをすることに決まった。事前検査のオンパレード。また検査の日々だ。

この病院は短期ACTHをする。通常2ヶ月近くかける治療を3週間で終わらせるんやって。短期少量で通常のACTHと同じ効果を出すという。治療成績も同様、つまり再発も同じ確率で有り得るってこと(T_T)

副作用も治療自体も怖い。再発なんてまっぴら。それでも賭けるしかない。しかも、この病院はACTHで発作抑制+脳波改善できたら断薬なんやって。薬切って大丈夫なん?

短期治療で発作を止め、薬から解放されて生活する。
↑なんて夢のような話!!

でもネガティブなもう一人のわたしが「そんな甘いもんじゃねーぞ」と語りかけてくる。

一握りの淡~~い期待と大きな不安を抱えつつ、その日に備えよう。
発作を止めて帰ろうね!!

検査、検査、検査

2008-05-17 | west症候群
入院してから検査が続いている。
それを希望して転院したので願ったりなんだけど、結果を聞くのがとても怖いな。
ビデオ脳波と血液検査、聴覚視覚連動検査をした。

大学病院だけあっていろんな病気の人がいる。病気が違っても同じ悩みを抱えていて、みんな思いやりと優しさにあふれてる。新入りのわたしに病棟内のルールを教えてくれたり、話しかけてくれてとてもうれしい。

治療はとても積極的。エクセグランを増量してしばらくシリーズ発作がなかったから、40mg/日→65mg/日に一気に増量し、それで効果がなければACTHをする、とのこと。個室隔離無しなんだって。ビタミンB6はしないのか尋ねたら、カンファレンスでB6をすることも検討したが、スパスムが2ヶ月も続いていることを考えると、発作を止めるのを優先するという結論になったそう。

ACTHの副作用はとても怖い。
けど・・・けど・・・・、発作が少なかった先週のあーの発達ぶりを見ているとやったほうがいいのかなあと思う。

ものすごく揺れる。