株式会社KDM建築設計室の(自称)IT建築設計士が、日々建築関係の情報や、IT関連の活用をつらつらと書き連ねていきます。
KDMな日常
吹田市の建築基準法関連の条例改正
吹田市で、建築基準法関連の条例改正が行われます。
簡単に言ってしまうと、
1.新築建物の高さを規制します!
2.準防火地域を広げます!
という事です。
もともと、建築物の高さは色々な条件で規制されているのですが、さらに色々な規制をかけるようです。
で、その規制内容を聞いたんですが、種類が多い・・・・。
あと、条件により緩和もあるのですが、それもさらにややこしや~。
確認申請の概要書の閲覧方法 大阪市版
確認申請には、概要書という書類があります。
その名の通り、その建物の大まかな配置や、建築主や設計主、施工者の内容が記載されております。
そして、過去の概要書は誰でも閲覧することができます。
大阪市の場合、建築指導課に過去の年代ごとの地図が備え付けており、それを見て確認番号と年代を確認し、備え付けの書類に記入して窓口に持って行って、調べてもらいます。
また、最近の物件ならば、場所の分かる地図を持っていったら、調べてくれます。
配置図と道路関係は図で表示されているので、隣近所で設計する場合に非常に参考になります。
もし、建物を調べたいという事があれば、まず概要書の確認をオススメします。
ちなみに、設計士に言えば、簡単に調べてもらえますよ~。
ただし、概要書や確認申請という制度以前の建物には、当然ながらありません。
容積率の緩和について
建築基準法の規制の中で、容積率というものがあります。
200%とか、300%とか、地域ごとに都市計画で決められております。
敷地の広さに応じて、建物の面積の最大限度が決められております。
容積率が200%ならば、80㎡の敷地には160㎡までの建物が建てれます。
敷地に接してる道路の幅によっても規制されており、条件の厳しいほうが適用されます。
その容積率ですが、共同住宅の共用廊下・共用階段は、容積率の面積から省くことができます。
その昔、内部階段や内部廊下は、容積率の計算に入れなければいけませんでした。
結果、建物全体のボリュームを確保するためには、廊下や階段をギリギリ狭く設計するか、外階段にしなければなりませんでした。
この緩和処置ができたことにより、内部廊下でも多少ゆったりとした幅を確保できるようになったのです。
ただ、あくまで共用廊下・階段であり、住戸内の廊下や階段は緩和されません。
さて、共同住宅は、そういう形で緩和処置があるのですが。
テナントビルは、緩和されません。
あくまで、共同住宅の為の緩和処置の為、テナントビル、事務所ビルなど、住宅以外では緩和されません。
ボリュームプランを考えるときには、注意が必要です。
法律・条例の影響
吹田市の条例改正が大きなニュースになってます。
大きい建物は、環境への負担を軽くするように!という条例です。
それだけ聞けば、なんの問題もない、良い条例ですな。
全国的に先駆けて環境に配慮した条例として施行されましたが、結果大規模施設は吹田市を避けて建設されることになりました。
申請して許可するのに平均3年超かかるようでは、無理もありません。
現行の手続きフローを見ると、どんだけスムーズに行っても、結構な期間がかかります。
緩和することにより、1年半程度となるそうですが、それでも時間かかりますね。
確認申請厳格化の時もそうでしたが、結局現場を見ずに作った条例なんでしょうね。
震災被害により、条例を緩和した某市は、逆にマンション建ちすぎて人口が増えすぎて困ったそうですが。
人口が増えるものの、社会基盤(学校等)が追いつかなくての事で。
そこらへんのバランスは難しいでしょうね。
ただ、ある市役所関係の方は、市の仕事は営業だと。人口増えて収入を増やすのが仕事だと。
なるほどね~と思いました。
市全体の利益を考えて規制を制定していかないといけませんね。
確認申請の構造のダブルチェックについて
建物を新築する場合に、構造的にある範囲を超えると、確認申請の構造で、ダブルチェックが必要になります。
確認申請機関とはまた別の、第3者機関で、構造を厳しくチェックするのです。
その分、申請料も高くなるし、審査期間も長くなります。
そこで、着工を早くする為に、ダブルチェックにひっかからないような設計にする事があります。
しかし、ダブルチェックしない代わりに、結構安全率を確保する構造計算をするので、柱や梁が太くなります。
現場で長いことやってる職人さんがびっくりするのです。
なんで、この規模でこんなにごっつい梁や柱になるのか?と。
しかし、計算的には必要なサイズなので、しょうがありません。
概算見積をする時には、注意が必要な項目です。
大阪府においての、省エネ措置の届出
大阪府内において、床面積が300㎡を超える建築物の新築には、省エネ措置の届け出が必要になります。
大阪市においては、こちら
建物に省エネの処置をしなさいという事なんですが、また内容的にちらっと見たところ、熱貫流率ふんにゃらの計算が必要です。
で、市の窓口にその計算は設備の専門業者じゃなくてもできるのか?と聞いたところ、できますよ~そんな難しくないとの返事でした。
参考資料を聞いたら、分厚い本3冊程紹介頂きました。
ちら見した範囲でも、そんなすぐ簡単に計算できるような内容にはみじんも感じなかったのですが、とりあえず本を揃えてみようかと聞いたら、書店には置いてないとの事。
通販限定らしいです。
ますます簡単な気はしなくなりましたが、とりあえず今後着工する物件には必要な内容です。
こういう本こそ電子書籍で販売して欲しいなーと思いつつ。
駐車場の確保
地域によって、内容は様々ですので、各地域での確認が必要です。
しかし、建築物の場所によっては、駐車場を設置できない場所もあり、近隣での確保で許可もらえる場合があります。
ただし、市によっては、その駐車場の契約書の写しの提出まで求められます。
範囲も様々で、計算方法も複雑だったりと、プランの段階でしっかり協議しないと、あとで大変です。
IT建築士があなたの家を守ります。
株式会社KDM建築設計室
大阪市の自転車駐車場の附置義務 その2
前回はこちら
自転車置き場を設置しなければならないという話の続きですが。
実際どの程度必要なのか?という事ですが、大阪市の場合
ワンルーム 戸数×0.7(切り上げ)台
ファミリータイプ 戸数分必要
です。
また、その駐輪場台数の内、10%は原付バイクが止めれる仕様にしなければなりません。
当然、自転車より幅が大きくなります。
ファミリータイプ 20戸のマンションならば、
自転車 18台
原付 2台
となります。
店舗関係は、面積等から計算する事になってます。
意外とスペースが必要なので、プランニングの段階から、役所で打合せすることをオススメします。
大阪市の自転車駐車場の附置義務
大阪市では、共同住宅もしくは集客施設においては、規模に応じて駐輪場を設置しなくてはいけなくなりました。
平成22年10月1日以降に着工する物件にかかってきます。
簡単に言うと、マンションには駐輪場を作りましょう! という事です。
また、自転車の必要台数によって、原付バイク置き場も必要になります。
サイズとしては、自転車 2m×0.5m 原付バイク 2m×0.8m となります。
2段式の駐輪場など、台数が確保できる施設なら、それで台数を確保してもよいです。
今回は大阪市の条例ですが、地域によって色々な設定があるので、役所に確認が必要です。
確認申請の現状
確認申請ネタですが、また一つ。
元々、建築確認申請は役所でしか申請できませんでした。
申請の多い時期は、長蛇の列も珍しい話ではありませんでした。
で、規制緩和の一つとして、確認申請を民間の検査機関でも審査できるようになりました。
そして、今現在、統計的には、確認申請の多くが、民間検査機関で審査されております。
地域によっては、民間95%、市5%というのも珍しくありません。
やはり、民間のほうが『早い』『親切』というイメージが強いのだと思います。
市によっては、担当課の仕事が無いので、是非とも市に出して欲しいとおっしゃるところもあるようで。
今後、そういう形での競争的なものも、生まれてくるのでしょうか?
私自身、民間に初めて出した時、その審査スピードが早いのには驚いたものです。
« 前ページ |