聖書の「契約」構造論に続いて書かれているのは、聖書の「約束」的構造論である。
本からの引用。「旧新両約書を一貫し、かつその全体の信仰の拠点となっているものは、神が民または人に対して与えたもうた「約束」である。」
著者はまず旧約聖書における「約束」を取り上げている。本からの引用。「旧約聖書にあらわれている救済史によって見ると、選民イスラエルの選民信仰の根源であり、その拠点となっているものは、太祖アブラハムに対する選び主ヤーウェの約束である。」
「 「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。(創世記12:1-3) これこそ実に選民としてのイスラエルの選民性を基礎づけ、その存在を確固たらしめている「根源約束」である。 」
「このアブラハムに対する「根源約束」は、その中に「国土獲得」、「子孫繁栄」、「万民福祉」という三点をその部分的約束として含んでいる。この三点をよく見ると、第一の「国土獲得」は、選民たるべき者の国家建設のための基盤に関する約束であり、第二の「子孫繁栄」は、その国家建設の資料たるべきものであり、第三の「万民福祉」は、この基盤と、この資料とによって建設される選民国家の使命であって、選民を選民たらしめるものであった。」
これがアブラハム契約であり、アブラハムの祝福とも言える。この契約は新約時代や現代に生きる私たちにも関係がある。これをどのように解釈するかによって私たちのイスラエル観が決まる。この契約は現代の中東問題を考える上でも大切である。逆に言えばこのことが分からなければ現代の中東における政治的問題を理解することはできないだろう。
私の見解では、日本のマスコミはパレスチナよりの報道をしている。イスラエルに関して無知である。これを改めなければ中東問題に関して正しい情報を日本国民は得ることができない。情報統制がひかれれば原発問題をはじめ、日本は正しい情報を得ることができなくなる国にますますなる。2年半前の原発問題でも最初は情報が隠されていた。今でも隠されているのだが。それが法律で認められ正当化されはじめていったらこの国はいよいよおかしくなっていくのは目に見えている。