牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

9月15日(日) 「海賊とよばれた男 下②」 百田尚樹著

2013-09-15 07:07:55 | 日記

 本書を読み終えた。第四章のタイトルは「玄冬」。国岡商店の店長(社長)国岡の困難に立ち向かう精神力は並大抵ではない。また店員(社員)を家族のように大切にする人間愛にも驚かされる。

 彼は20世紀の文明に欠かすことのできなかった石油にいのちをかけた人物であった。この物語は現実に存在した人物をモデルにしているとのことである。世界的な活躍をした人物であったがこの話は彼の死で終わっている。

 人はどんなに活躍をして名誉を得てもいずれ死ぬ存在である。イエス・キリストが語った言葉が心に浮かんできた。「人は、たとい全世界を手に入れても、まことのいのちを損じたら、何の得がありましょう。そのいのちを買い戻すのには、人はいったい何を差し出せばよいでしょう。」

 この小説は歴史経済小説に分類されているようだ。良い本だったと思うが、正統すぎて小説としてつまらない面があった。同じ経済小説としてはやはり池井戸潤氏の作品の方が断然面白い。