牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

9月4日(水) 「経済学入門 ミクロ編②」 ティモシー・テイラー著

2013-09-04 06:29:18 | 日記

 著者はまず企業の生産性を高め、国を豊かにし、世界の経済を発展させる分業(複数の人が役割分担して何かを作り上げるシステム)について書いている。

 理由として3点をあげている。
 ①分業すると労働者は得意な仕事に、企業も地の利を生かした事業に集中できる。
 ②分業で1つの仕事に集中すると、その仕事に習熟しやすい。
 ③分業すると規模の経済を活用できる。
  (「規模の経済」とは大量生産によってコストが下がること。)


 次に需要(ある商品を買いたいという意欲)と供給(ある商品を売りたいという意欲)について書いている。
 
 価格は世の中の需要と供給のバランスで決まるとしている。すなわち、価格が上がると需要量が減り、価格が下がると需要量が増える。人は一般的に安いなら買うが、高いなら買わないということだ。逆に価格が上がると供給量が増え、価格が下がると供給量が減る。企業は高い値段ならもっと生産して売ろうとするが、安い値段なら生産して売るのをやめるからだ。そのようにして市場経済では、価格は需要と供給の均衡点(需要曲線と供給曲線が交わる点、需要量と供給量が一致する点)に向かって引き寄せられる。均衡点とは、要するに「ちょうどいい状態」のことである。

 本からの引用。「例えば、あるものの価格が均衡点より高い時、供給量が需要量よりも大きくなります。すると売れなかったものが余って、倉庫に積み上がります。売り手は在庫を処分したいので、人々が買いたいという価格まで値下げします。このようにして価格が下がってくると、需要量が増えて供給量が減り、やがて両者が均衡点で出合います。、、、、それに対して、例えばあるものの価格が均衡点よりも低くなると、需要量が供給量を上回ります。これは売り切れる前に手に入れようと、店の前に行列ができるような状態です。こうなると多少高くても売れるので、売り手は価格を上げていきます。その結果、需要量がだんだん減り、供給量が増えてきて、再び両者が出合います。つまり、価格が均衡点に達するのです。」

 著者はこの需要と供給の考え方を知って使えば、あらゆる価格の動きを理解できるとしている。そしてこれが経済学の基礎であると書いている。私たちも少なからず農産物の直売でこの需要と供給の関係を体験している。価格を安くすれば売れるが、私たちの利益はあまり上がらない。価格を高くすれば売れなくなり、結局私たちの利益が下がっていく。生産者である私たちと消費者の間でちょうどよい値段というものがある。これが著者のいう均衡点だ。
 どちらも得をする値段を設定していく。これが私の目指している直売である。どちらか一方が損をするような直売(商売)では長続きしないであろう。