風箱の徒然ブログ

旅の思い出話から、木工、日常の徒然を気ままに

飛び魚漁に参加する

2008-05-05 11:38:00 | 1996~97原付日本一周沖縄編
キビ刈りが終わった事で、自分の中で一つの旅の区切りがついた。

さて、日記は1冊書き終えて、新しい日記帳に入る。
波照間にもう少し滞在することになる。

1997年4月7日
波照間での新たな生活が始まった。
OMさんの誘いで、飛び魚漁をする事になった。
漁船に乗るのは生まれて初めてだ。

OMさんの奥さんは、自分達のために、朝早くから起きて弁当をと朝食の準備をしてくれた。
水仕事なので、乾き易い化繊のジャージを履き、キビ刈りの時に使ったシャツを着て、その上からライフジャケット、そして漁師用の雨合羽である。
長靴もキビ刈りのを流用した。

USさんの船「海幸丸」に乗る。
船酔い・人間関係・仕事ができるか・・・不安は尽きない。

8:00頃出航。

398馬力のディーゼルターボのエンジンがうなり、波照間港を出た。
軽い船体に強力なエンジン。白波を立てて海の上を自由に航行するのは爽快そのものだった。
客船ではないから、ブリッジ以外に覆うものがない。
潮に逆らって突き進むと、まともに潮の飛沫を受ける。


航行中は風が気持ち良く、実に楽しい。

船がポイントに止まり、網投げが始まる。
最初の2時間位は平気だったが、しかしそれ以降ジワジワと気持ち悪くなってきた。
『あ、こいつが船酔いか・・』
意識がユラユラしてきて、とにかく気持ち悪い。

もう、どうにもならなくなって、吐いてしまった。
吐いても気持ち悪さは収まらず、ずっと続く。
その日は5回も吐いていた。
船酔いをこうして実感した。
三半規管が波によって狂っているな、と朦朧とした意識の中で考えた。

1回目の網回収は何とかやった。
しかし、昼から14:00頃は最悪で起きる事すら出来ず、2~3回目の投網、回収は出来なかった。
4回目の時は何とか気分も落ち着き参加した。

これまたえらい物にはいってしまったな、もう乗りたくねえ・・・
早く港に着かねえかな。そればかりだった。

港に着き、陸に上がってからもまだ頭がユラユラしていた。
気分が悪いが、それでも船の上に比べれば天国のようだ。

船の上で飯を食べるなんて考えられなかった。
しかし、吐いてばかりで、脱水症状を起こしかねないと思い、水だけは無理してでも飲んでいた。

飛び魚漁は、追い込みと言って、2隻の船がチームになって網と仕掛けを張り、網の輪を縮めていきながら、魚を徐々に追い込んでいく。

船酔いで観察どころではなかったが、まあ仕事と船酔いは慣れるしかないようだ。