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おすすめ小説第14弾

2011-01-02 10:38:48 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第14弾。
ネパールに旅行など行っていたので前回からだいぶ時間があいてしまいました。
今回は受賞・話題作のホラー・SF系が多いです。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■りら荘事件[鮎川哲也]

残り少ない暑中休暇を過ごすべく、秩父の『りら荘』に集まった日本芸術大学の学生たち。一癖も二癖もある個性派揃いである上に各様の愛憎が渦巻き、どことなく波瀾含みの空気が流れていた。一夜明けて、りら荘を訪れた刑事がある男の死を告げる。屍体の傍らにはスペードのA。対岸の火事と思えたのも束の間、火の粉はりら荘の滞在客に飛んで燃えさかり、カードの数字が大きくなるにつれ犠牲者は増えていく。進退窮まった当局の要請に応じた星影龍三の幕引きや如何?贅を尽くしたトリックと絶妙な叙述に彩られた、純然たるフーダニットの興趣。本格ミステリの巨匠鮎川哲也渾身の逸品。(「BOOK」データベースより)
---感想---
すごかった。こんな複雑なトリックなのにちゃんと辻褄が通っていて最後の謎ときのときは、口を開けて読んでしまった。設定が昔なので、言い回しなどが独特な部分もあるが、それはそれでこの物語の雰囲気にあっていると思う


■巷説百物語[京極夏彦]

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧―。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。小豆洗い、舞首、柳女―彼らが操るあやかしの姿は、人間の深き業への裁きか、弔いか―。世の理と、人の情がやるせない、物語の奇術師が放つ、妖怪時代小説、シリーズ第一弾。(「BOOK」データベースより)
---感想---
興味はあったがなかなか手が出せなかった京極夏彦に初挑戦。2週間かかってやっと読み終わった。話が複雑かつ時系列になっていないので、読むのに時間がかかると、前の内容があやふやになって更にわからなくなる。短編ごとに一気に読むのがおすすめ。内容はとても好みで、トリックだけでなく昔の生活の様子もよくわかり勉強になる。江戸っ子のかけあいが特に好き


■MM9[山本弘]

地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“特異生物対策部”略して“気特対”が、昼夜を問わず駆けまわっている。多種多様な怪獣たちの出現予測に、正体の特定、自衛隊と連携しての作戦行動…。相次ぐ難局に立ち向かう気特対の活躍を描く本格SF+怪獣小説。(「BOOK」データベースより)
---感想---
怪獣災害にまじめに取り組む世界の物語。「怪獣」というと子供向けなイメージがあるが、自然災害などと同じような扱いなので大人でも十分楽しめる。特に最後の戦いはスリルもスピード感もあり一気に読んでしまった。おすすめ


■夜市[恒川光太郎]

妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
なんとも幻想的でホラーというよりファンタジー。不思議な世界が描かれているが、決して押し付けがましくなく、自然にその物語の中へ入っていける。子供の頃、きっと体験しただろう不思議な(不思議だと思った)体験をほのかに思い出した


■クリムゾンの迷宮[貴志祐介]

藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ? 傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」(「BOOK」データベースより)
---感想---
結末がとても気になる本。しかし、その結末はちょっと謎が残りすぎて消化不良だった。内容は面白かったゆえに残念


■パレード[吉田修一]

都内の2LDKマンションに暮らは男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
もしかしたら気づかないだけで、自分のすぐそばでもこんなことが起こっているのかもしれないと思ってしまう。毎日同じことの繰り返しに思える日常でも、実は隠れたところでとんでもないことが進行している可能性もあるのだと気づいた。再読したい





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