~旅とアート~

世界の秘境巡りの旅行記と絶景写真。
各国料理レストランの食べ歩きレポートや旅行情報など写真満載で発信。

ブログを引っ越しました

ブログを引っ越しました。新ブログはこちら↓

~旅とアート~KaycomDESIGN

また、旅行情報サイトTravel.jpの「たびねす」でナビゲーターとして記事の寄稿もしているのでご覧ください。

関連リンク 引き続きよろしくおねがいします!

おすすめ小説第18弾

2012-04-14 12:03:29 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第18弾。
また読みたくなった再読本を含め、人気作家の作品ばかりです。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


【送料無料】夜は短し歩けよ乙女

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
また綺麗な夢の世界を見させてもらった。あの登場人物たちと李白さんの電車に乗ってみたい。この本を読んで「電気ブラン」を知り、実際に飲んでみることができた。


【送料無料】つくもがみ貸します

お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟2人が切り盛りする小さな店「出雲屋」。鍋、釜、布団と何でも貸し出す店ですが、よそにはない奇妙な品も混じっているよう。それらは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。気位高く、いたずら好きでおせっかい、退屈をもてあました噂超大好きの妖たちが、貸し出された先々で拾ってくる騒動ときたら…!ほろりと切なく、ふんわり暖かい、極上畠中ワールド、ここにあり。(「BOOK」データベースより)
---感想---
自分の家にあんなにたくさんつくもがみがいたらちょっと面倒くさいけど、出雲屋でバイトするなら面白そう。江戸の生活や文化がとても好きで、この時代の本を読むとドラえもんに頼んで連れて行ってもらいたくなる。今後、つくもがみと人間が会話することを望む。


【送料無料】告白

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。(「BOOK」データベースより)
---感想---
再読。初めて読んだときは、第一章でやられてそのまま読み終わってしまった感じだったが、今回はそのあともジンジンと脳みそに響いてきて、より感じるものがあった。後書きにもあったが、ここで語られていることを鵜呑みにしていいのかどうか考えると収拾がつかなくなるので、やっぱり鵜呑みにしようとおもう。


【送料無料】陽気なギャングが地球を回す

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。(「BOOK」データベースより)
---感想---
とても読みやすかった。伊坂さんの作品らしく、いろいろな伏線が張られていてそれが後になって意味を持ってくるのが楽しい。驚きはあまりなかったが、気軽に何か読みたいときには最適。


【送料無料】陽気なギャングの日常と襲撃

嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇ー天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。(「BOOK」データベースより)
---感想---
4人の日常の話だが、やっぱり色々な問題に巻き込まれていく。ちょっとしたことが後でちょっとづつ絡んでいくのは伊坂さんの作品らしくて楽しい。


【送料無料】出世花

不義密通の大罪を犯し、男と出奔した妻を討つため、矢萩源九郎は幼いお艶を連れて旅に出た。六年後、飢え凌ぎに毒草を食べてしまい、江戸近郊の下落合の青泉寺で行き倒れたふたり。源次郎は落命するも、一命をとりとめたお艶は、青泉寺の住職から「縁」という名をもらい、新たな人生を歩むことに―――。青泉寺は死者の弔いを専門にする「墓寺」であった。直に死者を弔う人びとの姿に心打たれたお縁は、自らも湯灌場を手伝うようになる。悲境な運命を背負いながらも、真っすぐに自らの道を進む「縁」の成長を描いた、著者渾身のデビュー作、新版にて刊行
---感想---
湯灌という職業を始めて知った。高田さんの作品は他のもだいたい読んだが、その当時のことがとても勉強になる。みおつくしなどに比べると、涙の量は少なかったが、やはりほろりとさせてくれた。


【送料無料】街の灯

昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗号の謎「銀座八丁」、映写会上映中の同席者の死を推理する「街の灯」の三篇を収録。(「BOOK」データベースより)
---感想---
初めて北村作品を読んだ。レビューを見て読んでみようと思ったが、う~~ん・・私にはちょっと合わなかった。この前に高田郁さんの本を立て続けに読んでひどく感動し、心のテンションがそのレベルにある状態で読んでしまったためか、特に何の感動もなく終わってしまった。また時間をおいて読んだら違う感想を持つかもしれない。


【送料無料】玻璃の天

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。(「BOOK」データベースより)
---感想---
1巻よりも読み応えがあった。おそらく英子が少し成長したからだと思う。ただやっぱり謎が簡単に解かれすぎな感があり、そのあたりは自分にはちょっとものたりない。あとがきを読んで、これ以降の展開に興味をもった。


【送料無料】砂のクロニクル(上巻)

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。かつて共和国が成立した聖地マハバードに集結して武装蜂起を企む彼らだったが、直面する問題は武器の決定的な欠乏だった。クルドがその命運を託したのは謎の日本人“ハジ”。武器の密輪を生業とする男だ。“ハジ”は2万梃のカラシニコフAKMをホメイニ体制下のイランに無事運び込むことができるのか。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
再読。イラン、イラク、ロシアなどの民族対立の話で重いが、その分すごい読み応えがある。いつか現地に行ってみたい。


【送料無料】砂のクロニクル(下巻)

機は熟した。運命の糸に操られるかのようにマハバードには様々な人間が集まっていた。革命防衛隊副部長のガマル・ウラディ、隊員のサミル・セイフ、クルド・ゲリラのハッサン・ヘルムート、過去を抱えた女シーリーン、そして二人の“ハジ”も。それぞれの思惑が絡み合い、マハバードは今、燃え上がる-冒険小説の第一人者が渾身の力を込めて描く壮大なる叙事詩。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
今回も「外史」の存在をこれでもかと実感させられた。何かが起きてそれを考えるとき、表に出ている部分だけで判断するのではなく、その裏にもまた別の事実があるかもしれないことを一度推測してみてから結論を出していきたいと思う。おすすめの本だ。



アンケートにご協力お願いします♪

にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
↑気に入っていただけたらポチッとお願いします。

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第17弾

2011-12-03 16:22:40 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第17弾。
今回は高田郁特集。本当に読んでよかった小説でした。泣けます。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


【送料無料】八朔の雪

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。
大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!(「BOOK」データベースより)
---感想---
最高に面白かった。澪のひたむきな姿とそんな澪を見守りさりげなく手を差し出す周りの人の温かさにじんわりと心が温かくなる。「雲外蒼天」という言葉に自分も勇気をもらった。続きも迷うことなく購入したので、この先が楽しみ。


【送料無料】花散らしの雨

---感想---
面白くてあっという間に読んでしまった。いつもはおっとりしている澪のいざというときの強さがかっこいい。つる屋の面々やお客の江戸っ子のチャキチャキぶりも、同じ江戸(東京)出身としては気持ちがよく、ついついにやりとしてしまう。「ありえねぇ」は傑作だった。


【送料無料】想い雲

土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だったー。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。(「BOOK」データベースより)
---感想---
りうさんやご寮さんはじめとする、澪を取り巻く人たちのちょっとした言葉が、澪を通して読んでいる自分にもズンズン響いてくる。次から次へと問題が起こるが、澪の努力と人柄、周りの人たちの助けで見事に乗り切っていくさまは、「水戸黄門」的魅力がある。野江ちゃんと出会うシーンは、まるで夢のように美しい情景が浮かんだ。


【送料無料】今朝の春

---感想---
あの時代の身分の差という大きな壁を改めて感じた。小松原さんと澪ちゃん、ぜひ幸せになってほしい。面と向かった料理対決という今までにない試練を乗り越え、料理人として一皮向けたような澪ちゃんは、今後もどんどん成長していくのだろう。最後まで応援したい。


【送料無料】小夜しぐれ

季節が春から夏へと移ろい始める卯月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相手とは!?-(第三話『小夜しぐれ』)。表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』、『夢宵桜』、『嘉祥』の全四話を収録。恋の行方も大きな展開を見せる、書き下ろし大好評シリーズ第五弾。(「BOOK」データベースより)
---感想---
今まではっきりしなかったことが次々と明らかになってきて、今後の展開がとても気になる。わがまま娘だった美緒ちゃんの腹をくくった姿に、せつなさとともにあの時代の女性の強さを感じた。小松原さんと澪ちゃんの仲がうまくいくことを願うが、源斉先生の存在もちょっと気になってきた。


【送料無料】心星ひとつ

---感想---
こうくるか~という結末(まだ終わりじゃないけど)で、ここで次を待たされるのはつらい。それにしても澪の人生はジェットコースターのように激しい。上ったと思ったら谷底に突き落とされ、それでも歯をくいしばってまた上ってくる・・。周りの人に恵まれているからがんばれるところもあると思うが、それは澪自身の人柄と努力が周りの人をそうさせているのだと思う。


【送料無料】銀二貫

大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。
---感想---
「銀二貫」が色々な形に姿を変えて、最後は大きなものになって戻ってくる。松吉のひたむきさと、その周りの大人たちのカッコよさがたまらなく心地よい。「澪つくしシリーズ」で高田さんに嵌り、こちらも読んでみたが、期待通り感動させてくれた。


【送料無料】「みをつくし料理帖」文庫セット




アンケートにご協力お願いします♪

にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
↑気に入っていただけたらポチッとお願いします。

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第16弾

2011-06-24 22:33:31 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第16弾。
今回は再読のも含め、読んでよかった本をご紹介。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら



【送料無料】極点飛行

桐村彬は、南極で物資輸送に携わるパイロットだ。チリ有数の富豪である日系実業家シラセが南極基地で負傷。救助に向かうが、帰路、謎の双発機に襲われる。背後には黄金伝説を巡る陰謀があるのか。独裁者ピノチェト将軍の元部下、南米に巣くうナチス残党とネオナチ、見え隠れする超大国の影…真の敵の正体は?極限に命を懸ける男たちの姿が胸に迫る、冒険小説の金字塔。(「BOOK」データベースより)
---感想---
南極を舞台にした小説を読んだのは初めて。舞台もすごいが、スケールもすごい。ナチスからCIA、黄金伝説に航空冒険…それらが見事に絡み合ってひとつの物語になっている。冒険小説が好きならたまらない一冊だろう。最後は急ぎ足の感じもあるが、充実した満足感を得られること間違いなし。南極に行ってみたくなった。


【送料無料】太平洋の薔薇(上)

伝説の名船長・柚木静一郎は最後の航海を迎えていた。横浜への帰路を襲った海賊の罠。船を乗っ取った彼らの目的は、積荷や身代金ではなかった。裏で、悪名高いテロリストが糸を引いていたのだ。乗組員の命を楯に取られ、柚木は無謀とも言える嵐の海への航海に挑んでいく。同じ頃、ロシアでは100トンにも及ぶ、史上最悪の生物兵器が盗み出されていた-。大薮春彦賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
「極点飛行」が面白かったのでこちらも期待して読んだ。まだ上巻だけだがやっぱりスケールが大きくて面白い。生物兵器に海賊、マフィアにCIAなどなど、あらゆる登場人物や場面がひとつにつながっていく。下巻が楽しみ。


【送料無料】太平洋の薔薇(下)

海上保安監である柚木の娘・夏海と同僚たちの必死の追跡に、荒れ狂う海が立ちはだかる。さらに追い討ちをかけるように、悪夢のような事故が!いずれ死ぬ運命なのか-絶望的窮地に追い込まれながらも、柚木と乗組員たちは、テロリストの野望に命を懸け立ち向かう。男たちの熱い思いが胸を打つ!全選考委員の絶賛を浴びた、圧倒的迫力の大薮賞受賞作品。(「BOOK」データベースより)
---感想---
エンタメ小説として素直にとても楽しめた。この作家お得意のスケールの大きな世界を思う存分満喫できる。上下巻の大作だが、終末に近づくにつれこの冒険が終わるのが残念に思えるくらいのめり込めた。生物兵器を巡り勇敢な海の男たちが戦う姿はとても素敵だし、その心根には感動する。おすすめ。


【送料無料】旅をする木
広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐるアラスカ。1978年に初めて降り立った時から、その美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を写真に撮る日々。その中で出会ったアラスカ先住民族の人々や開拓時代にやってきた白人たちの生と死が隣り合わせの生活を、静かでかつ味わい深い言葉で綴る33篇を収録。(「BOOK」データベースより)
---感想---
再読。何度読んでもアラスカの壮大さを感じることが出来る。一緒に一度は絶対に行くつもりだが、まだもうちょっととっておきたい。今自分が東京で働いているときと同じ瞬間に、アラスカの奥地でツンドラの大地を歩く動物たちがいると思うと不思議な感じがする。


映画化決定!!主演: 中谷美紀 さん 2011年公開<文庫>阪急電車(著) 有川 浩

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車-人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。(「BOOK」データベースより)
---感想---
再読。またほっこりしてしまった。どこにでもありそうなちょっとした出来事なのに、じんわりと心に染み込んでくる。たまたま乗り合わせた人の一言で救われたり、気づかされたり、一緒に人生を歩むようになったり…登場人物たちがちょっとずつ交差してそれぞれに影響を与えていくさまが面白い。


★がんばろう日本!★
アイのうた~東日本大震災チャリティ・アルバム



アンケートにご協力お願いします♪


にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
↑気に入っていただけたらポチッとお願いします。

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第15弾

2011-05-01 13:23:33 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第15弾。
3ヶ月以上ぶりの紹介になってしまいました。
今回はスケールの大きな冒険小説と巷でうわさのマネジメント小説が入っています。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■砂のクロニクル(上巻)[船戸与一]

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。かつて共和国が成立した聖地マハバードに集結して武装蜂起を企む彼らだったが、直面する問題は武器の決定的な欠乏だった。クルドがその命運を託したのは謎の日本人“ハジ”。武器の密輪を生業とする男だ。“ハジ”は2万梃のカラシニコフAKMをホメイニ体制下のイランに無事運び込むことができるのか。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
読み始めは難しそうな印象を受けたが、すぐに面白くなった。登場人物が多く、しかも名前が似た感じなので覚えるのが大変だが、主要人物さえおさえればなんとかなる。民族対立という重い問題を扱っているが、それぞれの立場で真っ直ぐに自分の信念のために戦う男たちがかっこいい。とても読み応えのある作品。後半が楽しみ。


■砂のクロニクル(下巻)[船戸与一]

機は熟した。運命の糸に操られるかのようにマハバードには様々な人間が集まっていた。革命防衛隊副部長のガマル・ウラディ、隊員のサミル・セイフ、クルド・ゲリラのハッサン・ヘルムート、過去を抱えた女シーリーン、そして二人の“ハジ”も。それぞれの思惑が絡み合い、マハバードは今、燃え上がる-冒険小説の第一人者が渾身の力を込めて描く壮大なる叙事詩。山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
久しぶりに読み応えのある作品で傑作だった。巻末の解説に、「正史」ではなくその裏に潜む真実の「外史」を見ることになり、世界の見方がそら恐ろしいほど色合いを変えるだろう、と書いてあったが本当にその通りになった。「ゲリラ」とか「革命軍」とか聞くとひと括りに「銃を持った過激な人々」というイメージを受けていたが、作品では、立場が違えど戦わざるを得ないそれぞれの強い信念と、それに関わる一人ひとりの壮絶な人生が描かれている。同じ人間だけど、自分とは違いすぎる観念と世界になんだか圧倒されてしまった。


■もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
[岩崎夏海]

公立高校野球部のマネージャーみなみは、ふとしたことでドラッカーの経営書『マネジメント』に出会います。はじめは難しさにとまどうのですが、野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気付きます。みなみと親友の夕紀、そして野球部の仲間たちが、ドラッカーの教えをもとに力を合わせて甲子園を目指す青春物語。家庭、学校、会社、NPO…ひとがあつまっているすべての組織で役立つ本。(「BOOK」データベースより)
---感想---
気にはなっていたものの表紙のイメージなどで敬遠してなかなか手に取る気がしなかったが、読んでみてよかった。ドラッカーの言う「マネジメント」を野球部に置き換えて実践していくことでとてもわかりやすくなっている。マネジメントについてももちろん勉強になったが、物語としても面白かった。


■黒いトランク[鮎川哲也]

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。(「BOOK」データベースより)
---感想---
トリックが複雑で理解しながら読むと時間がかかる。もう一度通して読んでみたい。しかしこの難解さゆえ、読み応えがあり十分楽しめた。


■天空への回廊[笹本稜平]

エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘-。大藪賞作家、渾身の超大作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
純粋な山岳小説ではなく、それにテロ組織との戦いなどが絡んで複雑だが、文章が読みやすいのでサクサク進む。エベレストのあの状況で戦うサトシの驚異的な体力と精神力には感動。私はちょこちょことしか読めなかったが、時間のあるときに一気に読むのがおすすめ


■空の中[有川浩]

200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは-すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。(「BOOK」データベースより)
---感想---
フェイクや白鯨含め、キャラクターが個性的でそれぞれに光っていた。最初は着地がどうなるか全く読めなかったが、最後は「あーよかった」とほっとできる。無からの教育の重大さは人間にも通じるものを感じた。


■海の底[有川浩]

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく-ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。(「BOOK」データベースより)
---感想---
「空の中」に続き、とうていありそうもない設定だが、このリアリティには脱帽。有川さんの文章は、私のツボをちょいちょい刺激し軽い笑いが後を絶たない。ディテールの詳しさと、心理描写が素晴らしく、感心したり、涙したり、憤ったり…そのシーンごとに完全にこちらの感情が持っていかれた。ラストはスッキリ気持ちよく終わる。


■マルドゥック・スクランブル(The 1st Compres)完全版[冲方丁]

なぜ私なの?-賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。法的に禁止された科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。この緊急法令で蘇ったバロットはシェルの犯罪を追うが、そこに敵の担当官ボイルドが立ち塞がる。それはかつてウフコックを濫用し、殺戮の限りを尽くした男だった。代表作の完全改稿版、始動。(「BOOK」データベースより)
---感想---
最初、場面転換していると気づかず読んでいて混乱したが、その書き方を理解してからは問題なくついていけた。ちょっとグロイ描写もあるがまあ許容範囲。バロットが刺客たちを次々打ち倒していく際のバロットの感覚がリアルに伝わってきた。まだ物語りは始まったばかりという感じなので次に期待。


■マルドゥック・スクランブル(The 2nd Combust)完全版[冲方丁]

少女は戦うことを選択した-人工皮膚をまとい、高度な電子干渉能力を得て再生したパロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を手に、驚異的な空間認識力と正確無比な射撃で、次々に相手を仕留めていくバロット。しかしその表情には強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前に迫る。緊迫の第2巻。(「BOOK」データベースより)
---感想---
ラノベっぽいイメージがあったがなかなか奥が深い。カジノの必勝法は論理的で面白かった。機会があったら挑戦してみたい。ボイルドの過去が明らかになってきて、だんだん魅力が沸いてきた。


■マルドゥック・スクランブル(The 3rd Exhaust)完全版[冲方丁]

それでも、この世界で生きる-バロットは壮絶な闘いを経て、科学技術発祥の地“楽園”を訪れ、シェルの犯罪を裏づけるデータがカジノに保管された4つの100万ドルチップ内にあることを知る。チップを合法的に入手すべく、ポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコックの奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、彼女は自らの存在証明をかけて、最後の勝負ブラックジャックに挑む。喪失と再生の完結篇。(「BOOK」データベースより)
---感想---
想像してたのとちょっと違ったが、気づけばどんどん引き込まれていた。特にカジノのシーンは秀逸。ウフコックとバロットの特殊な力があってこその偉業だが、次の展開と勝負の結末が気になって一気に読んでしまった。途中が盛り上がりすぎるとラストでがっかりされられることもあるが、これはその点でも満足のいく終わり方だった。


■ゴサインタン―神の座[篠田節子]

豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望…揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある、魂の再生を力強く描く第10回山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
終盤のネパールのくだり以外は、輝和の言動にイライラさせられ、内容自体も「淑子の不思議な力」→「疑心暗鬼の夫」の繰り返しで、結木家破滅の意味も結局なんだったのかよくわからなかった。とにかくくどいくらい長く、感動もそんなになかった。しかし、読者の評価は高いので読んでみてもいいかも。





にほんブログ村 写真ブログへ

-----
商用利用可の写真素材

「もしドラ」を読んでみた

2011-04-30 12:35:21 | おすすめ小説
【送料無料】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら



遅ればせながら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

を読んでみました。

驚異的に売れ続けているので気にはなっていたのですが、
なかなか買うまではいかなかった本。
たまたま会社で借りることができたので、読むことができました。

内容はタイトルどおり、

高校野球のマネージャーが弱小野球部を甲子園に連れて行くために、
ドラッカーの本を参考にしてマネジメントの観点から強豪チームに育てていく

というもの。
ここで主人公のみなみちゃんが、
「世界で一番読まれているマネジメントの本」として参考にしたのが、


マネジメント 基本と原則 [エッセンシャル版]

です。
ここに書かれていることを野球部に当てはめて実践していくのですが、
まず、それがお見事だなと思いました。
当然ながらドラッカーのこの本は、
主に企業のマネジメントを対象としているのですが、それを

これが野球部だったら何にあたるのか

という解釈の転換から始まるのです。
これは、ドラッカーが言っていることをわかりやすく理解するために役立っており、
思わず「なるほどね」と感心してしまいました。

物語は、青春真っ只中の高校球児とその関係者が、
みなみちゃんのマネジメントによってどんどん変わっていき、
やがては学校全体、地域住民まで巻き込んで、

甲子園に行く

という目標に突き進んでいきます。
その過程には様々なことが起こり、涙なくして…という場面もありますが、
一致団結して何かをやり遂げる様は読んでいてとても気持ちの良いものでした。

マネジメントを軸に感動もあるこの小説は、物語としても大いに楽しめます。
仕事だけではなく普段の生活にも役に立つと思うので、
まだ未読の方はこのGWに一度読んでみてはいかがでしょう。
やはり売れているだけの事はあるおすすめの一冊です。


★がんばろう日本!★
アイのうた~東日本大震災チャリティ・アルバム



アンケートにご協力お願いします♪


にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
↑気に入っていただけたらポチッとお願いします。

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第14弾

2011-01-02 10:38:48 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第14弾。
ネパールに旅行など行っていたので前回からだいぶ時間があいてしまいました。
今回は受賞・話題作のホラー・SF系が多いです。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■りら荘事件[鮎川哲也]

残り少ない暑中休暇を過ごすべく、秩父の『りら荘』に集まった日本芸術大学の学生たち。一癖も二癖もある個性派揃いである上に各様の愛憎が渦巻き、どことなく波瀾含みの空気が流れていた。一夜明けて、りら荘を訪れた刑事がある男の死を告げる。屍体の傍らにはスペードのA。対岸の火事と思えたのも束の間、火の粉はりら荘の滞在客に飛んで燃えさかり、カードの数字が大きくなるにつれ犠牲者は増えていく。進退窮まった当局の要請に応じた星影龍三の幕引きや如何?贅を尽くしたトリックと絶妙な叙述に彩られた、純然たるフーダニットの興趣。本格ミステリの巨匠鮎川哲也渾身の逸品。(「BOOK」データベースより)
---感想---
すごかった。こんな複雑なトリックなのにちゃんと辻褄が通っていて最後の謎ときのときは、口を開けて読んでしまった。設定が昔なので、言い回しなどが独特な部分もあるが、それはそれでこの物語の雰囲気にあっていると思う


■巷説百物語[京極夏彦]

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧―。長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。小豆洗い、舞首、柳女―彼らが操るあやかしの姿は、人間の深き業への裁きか、弔いか―。世の理と、人の情がやるせない、物語の奇術師が放つ、妖怪時代小説、シリーズ第一弾。(「BOOK」データベースより)
---感想---
興味はあったがなかなか手が出せなかった京極夏彦に初挑戦。2週間かかってやっと読み終わった。話が複雑かつ時系列になっていないので、読むのに時間がかかると、前の内容があやふやになって更にわからなくなる。短編ごとに一気に読むのがおすすめ。内容はとても好みで、トリックだけでなく昔の生活の様子もよくわかり勉強になる。江戸っ子のかけあいが特に好き


■MM9[山本弘]

地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“特異生物対策部”略して“気特対”が、昼夜を問わず駆けまわっている。多種多様な怪獣たちの出現予測に、正体の特定、自衛隊と連携しての作戦行動…。相次ぐ難局に立ち向かう気特対の活躍を描く本格SF+怪獣小説。(「BOOK」データベースより)
---感想---
怪獣災害にまじめに取り組む世界の物語。「怪獣」というと子供向けなイメージがあるが、自然災害などと同じような扱いなので大人でも十分楽しめる。特に最後の戦いはスリルもスピード感もあり一気に読んでしまった。おすすめ


■夜市[恒川光太郎]

妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
なんとも幻想的でホラーというよりファンタジー。不思議な世界が描かれているが、決して押し付けがましくなく、自然にその物語の中へ入っていける。子供の頃、きっと体験しただろう不思議な(不思議だと思った)体験をほのかに思い出した


■クリムゾンの迷宮[貴志祐介]

藤木はこの世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を覆う、深紅色の奇岩の連なり。ここはどこだ? 傍ら携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された」(「BOOK」データベースより)
---感想---
結末がとても気になる本。しかし、その結末はちょっと謎が残りすぎて消化不良だった。内容は面白かったゆえに残念


■パレード[吉田修一]

都内の2LDKマンションに暮らは男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
---感想---
もしかしたら気づかないだけで、自分のすぐそばでもこんなことが起こっているのかもしれないと思ってしまう。毎日同じことの繰り返しに思える日常でも、実は隠れたところでとんでもないことが進行している可能性もあるのだと気づいた。再読したい





にほんブログ村 写真ブログへ

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第13弾

2010-10-31 09:40:52 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第13弾。
今回は冊数が少ないですが、来週からしばらくネパールに行くので、
きりのいいところでご紹介。
4冊のうち、癒し系でじんわり心に響いて泣ける物語が3冊入っています。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■光の帝国 [恩田陸]

特別な力を持ちながら、それを隠して静かに暮らす、不思議であたたかな常野一族の物語。短編集だが、それぞれのお話で一冊くらいの物語ができるのではないかと思うくらいギュッと圧縮されている。逆に言えば、それぞれの「それまで」や「その後」が気になるとも言えるだろう。最後はツル先生の願いが叶ってよかった
---あらすじ---
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。


■阪急電車 [有川浩]

派手目な物語が好みなので、あまり期待して読まなかったが、これが予想に反してかなり面白かった。通勤途中では笑いががまんできず一人でにやけてしまったり、会社の休み時間には涙をこらえずに鼻をすすったり、静かに深く心に響く物語だった
---あらすじ---
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車─人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。


旅をする木 [星野道夫]
アラスカを舞台にした、限りなくあたたかい物語。星野さんの目を通した壮大なアラスカの風景とそこに住む人たちの息遣いが、心の中に直接響いてくる感じ。アラスカには常々行ってみたいと思っていたが、一番最後にとっておきたくなった。読んだ後に優しくなれる一冊
---あらすじ---
広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐるアラスカ。1978年に初めて降り立った時から、その美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を写真に撮る日々。その中で出会ったアラスカ先住民族の人々や開拓時代にやってきた白人たちの生と死が隣り合わせの生活を、静かでかつ味わい深い言葉で綴る33篇を収録。。


■白銀ジャック [東野圭吾]

表紙の雪山に惹かれて思わず買ってしまった。しかし、期待したほどの迫力もスリルもなく無難に終わってしまった。山岳小説などを連想すると肩透かしをくうかも
---あらすじ---
「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。





にほんブログ村 写真ブログへ

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第12弾

2010-10-20 20:12:10 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第12弾。
今回ご紹介する本は、山岳小説、ホラー、ミステリとジャンルも様々です。
シリーズの途中で挫折していた森 博嗣の「S&Mシリーズ」をすべて読了しました。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■変身(東野圭吾)

純一の行動や考え方の変化もそうだが、「僕」から「俺」へ、「恵」から「女」へと変化していく言葉使いでも一人の人間が変身していく様子がよく伝わってきた。最後は残念だったが、他の人間(しかも殺人的な狂人)になっていってしまうのを止められない状況になったら絶望するのも仕方がない気がする。作中でも触れられていたが、脳をそっくり入れ替えたら、見た目は変わらなくても別人になってしまうのだろうかと自分も興味を持った。
---あらすじ---
世界初の脳移植手術を受けた平凡な男を待ちうけていた過酷な運命の悪戯!脳移植を受けた男の自己崩壊の悲劇。
平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。


■黒い家(貴志祐介)

怖いとは知っていたのでそのつもりで読んだ。とは言っても、生きている人間の話なので、幽霊とかの類の怖さは無い。しかし、じわじわと近づいてくる不気味さはなんとも言えない恐怖。昆虫の話と絡めてくるのもまた不気味さを煽っている。後半は読む手が止まらなかった。
---あらすじ---
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。


■凍(沢木耕太郎)

臨場感がものすごい。限りなく絶体絶命の極限な状況を、ギリギリのところで踏ん張って克服してしまう強靭な精神力と体力には脱帽。自分には絶対ないだろう、ほぼ垂直の壁での世界を垣間見ることができた。
---あらすじ---
最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。世界的名声を得ながら、ストイックなほど厳しい登山を続けている彼が選んだのは、ヒマラヤの難峰ギャチュンカンだった。だが彼は、妻とともにその美しい氷壁に挑み始めたとき、二人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかった―。絶望的状況下、究極の選択。鮮かに浮かび上がる奇跡の登山行と人間の絆、ノンフィクションの極北。講談社ノンフィクション賞受賞。


■太陽の塔(森見登美彦)

森見ワールドだった。切なく物悲しい男子学生たちの日常が、独特の言い回しでマジメに面白く書かれている。水尾さんが非常に気になる
---あらすじ---
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。


■封印再度(森博嗣)

目から鱗のトリックで、ミステリーとしてはとても面白かった。四季と犀川が好きで、このシリーズの最後にあるというふたりの対峙を楽しみに「F」から読んでいるが、未だに主役をはっている萌絵が好きになれなくて困っている。作品中でことあるごとに彼女の魅力というのが描写されるが、(容姿や家柄はいいとしても)実際の本人の言動とどうも結びつかないので逆にしつこく感じてしまう。四季が出てくるまでまだ何冊もあるが、この調子だとちょっとつらい
---あらすじ---
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。


■幻惑の死と使途(森博嗣)

ラストの犀川の想像には納得させられた。まったく思いつかなかった発想なので新鮮。巻末の引田天功の解説が面白かった
---あらすじ---
「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。


■夏のレプリカ(森博嗣)

ちょっとラストに拍子抜けした部分があるが、杜萌がらみの設定はとても好きだった。過去を思い出していく過程は、読んでいるこちらもドキドキして最後まで一気に読了。今までで一番モヤモヤ感を味あわずに読めたかも
---あらすじ---
T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。


■今はもうない(森博嗣)

なんとなくヘンな感じはしていたが、最後は騙された。前半は読むのに努力がいったが、犀川の難しい講釈がすくなかった分、そんなに時間はかからなかった。ミステリとしては消化不十分だが、こういうのもアリだと思う
---あらすじ---
避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ。


■数奇にして模型(森博嗣)

なんでもありな感じ。ミステリ本としてはどうかなと思うが、人間考察という点では面白いかも。現実に起こっている猟奇殺人とか見ていると、私には理解できない思考の中で生きている人もいるわけで、そう考えるとこの物語の内容もありえないわけではない。しかし理解できない分、犯人を推測するのは不可能に近い
---あらすじ---
模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。


■有限と微小のパン(森博嗣)

いよいよS&Mシリーズの終結。そして四季の再登場。楽しみにしていた犀川との対峙もたっぷりあった。ラストに近づくにつれ、たたみかけるように明らかになっていく新事実の数々に唸るばかりだった。最初から読み続けてきたからこその感動が味わえた
---あらすじ---
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。





にほんブログ村 写真ブログへ

-----
商用利用可の写真素材

おすすめ小説第11弾

2010-09-26 16:10:21 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第11弾。
今回ご紹介する本は、大御所作家から映画化された作品など有名どころが揃いました。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■銀河鉄道の夜

あまりにも有名な作品だが、今までちゃんと読んだことはなかった(と思う)。人に聞いたりしてなんとなく知っているものもあったが、今回その真相が明らかになったという感じ。方言がわからなかったり、未完成の部分もあって、完璧に理解はできなかったのが残念。しかしこの想像力と表現力はさすが。
---あらすじ---
青や橙色に輝く星の野原を越え、白く光る銀河の岸をわたり、ジョバンニとカムパネルラを乗せた幻の列車は走る。不思議なかなしみの影をたたえた乗客たちは何者なのか?列車はどこへ向かおうとするのか?孤独な魂の旅を抒情豊かにつづる表題作ほか、「風の又三郎」「よだかの星」など、著者の代表的作品を六編収録する。


■ワイルド・ソウル(下)

あのラストで本当によかった。重い歴史の復讐劇だが、登場人物たちがウィットにとんでいて、最後まで楽しく読めた。しかし移民の人たちが味わった苦労がここまでとは知らず、同じ日本人としてとても勉強させられた。
---あらすじ---
呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息詰まる頭脳戦。ケイに翻弄され、葛藤する貴子だったが、やがては事件に毅然と対峙していく。未曾有の犯罪計画の末に、彼らがそれぞれ手にしたものとは―?史上初の三賞受賞を果たし、各紙誌の絶賛を浴びた不朽の名作。


■ワイルド・ソウル(上)

ブラジル移民の現実を初めて知った。外務省の体たらく振りには心底あきれたが、それ故、これからの展開が楽しみ。それにしても、今の日本のお役所を見ると、その体たらくぶりは昔と変わらないなと思う。むしろ伝統?
---あらすじ---
一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その四十数年後、三人の男が東京にいた。衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。


■オー・マイ・ガアッ!

思わずクスッと笑ってしまう、ほのぼのエンターテイメント小説。どのキャラもとても個性的で愛情がわく。難しく考える必要がないので軽く楽しみたいときにおすすめ
---あらすじ---
諸君、悩むな。ラスベガスがあるじゃないか。
くすぶり人生に一発逆転、史上最高額のジャックポットを叩き出せ! ワケありの三人が一台のスロットマシンの前で巡り会って、さあ大変。笑いと涙の傑作エンタテインメント。


■博士の愛した数式

普段でもちょっとした物忘れをしたとき、すっぽりそこだけ抜けてしまったような違和感とか喪失感とかがあるのに、いったい博士の気持ちはどうだったのかと思うと胸が痛い。しかしそんな中でも、数学とルートに向ける愛情が心暖かくしてくれた。数学は嫌いだが、こんな風におそわったら好きになっていたかもしれない
---あらすじ---
「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。


■失はれる物語

初乙一。先入観で、怖いとかグロイなどのイメージがあったが、これは切なくてあったかくて優しい物語。よくこんな設定を思いつくなと感心した
---あらすじ---
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。


■黄金を抱いて翔べ

高村さんっぽい綿密な人間描写で、登場人物がリアルに実感できる。準備期間が長く、ことが起こってからは一気にスピードアップし読みきれる
---あらすじ---
銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って落とされた。圧倒的な迫力と正確無比なディテイルで絶賛を浴びた著者のデビュー作。日本推理サスペンス大賞受賞。


■神々の山嶺(いただき)(下)

号泣。ただの山岳小説というよりは、なんだかもう人生のバイブルのようなものになってしまった。羽生の生き方と最後のメモにはかなり揺さぶられる。深町の迷いや苦悩もジンジンするほど伝わってきて、それがラストの登頂の迫力と感動を一気に押し上げる。本当に読んでよかった本
---あらすじ---
その男、羽生丈二。伝説の単独登攀者にして、死なせたパートナーへの罪障感に苦しむ男。羽生が目指しているのは、前人未到のエヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂だった。生物の生存を許さぬ8000メートルを越える高所での吐息も凍る登攀が開始される。人はなぜ、山に攀るのか?永遠のテーマに、いま答えが提示される。柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。


■神々の山嶺(いただき)(上)

面白い!一度訪れたことのあるカトマンズのあの空気が伝わってきた。エベレスト初登頂のなぞを追い、個性ある山男達の駆け引きがたまらない。後半が楽しみ
---あらすじ---
カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。






にほんブログ村 写真ブログへ

-----
商用利用可の写真素材

死ぬまでに読むべき本

2010-08-22 16:20:32 | おすすめ小説
↓ネパールのマチャプチャレ(標高6993m)
異国情緒あふれる写真と旅行記|KaycomDESIGNより
 



すごい小説を読みました。
号泣です。

 

■あらすじ
上巻:カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。

下巻:その男、羽生丈二。伝説の単独登攀者にして、死なせたパートナーへの罪障感に苦しむ男。羽生が目指しているのは、前人未到のエヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂だった。生物の生存を許さぬ8000メートルを越える高所での吐息も凍る登攀が開始される。人はなぜ、山に攀るのか?永遠のテーマに、いま答えが提示される。柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。



というものなのですが、なんだかもうただの山岳小説というよりは、
人生のバイブルのようなものになってしまいました。
なんでもっと早く読まなかったんだろうと後悔しきり。

ただひたすらに山にかける羽生の不器用な生き方と強靭な精神力に感銘し、
最後のメモでガツンと一発殴られ、深町の登頂後のできごとでノックダウンという感じ。

標高8000メートルの世界で戦う山男たちの描写は、
日ごろの悩みも薄れてしまうくらい強烈なものです。

読むべし


にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
↑気に入っていただけたらポチッとお願いします。

-----
商用利用可の写真素材
 


ブログセンター