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おすすめ小説第12弾

2010-10-20 20:12:10 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第12弾。
今回ご紹介する本は、山岳小説、ホラー、ミステリとジャンルも様々です。
シリーズの途中で挫折していた森 博嗣の「S&Mシリーズ」をすべて読了しました。
 →「旅友小説」バックナンバーはこちら


■変身(東野圭吾)

純一の行動や考え方の変化もそうだが、「僕」から「俺」へ、「恵」から「女」へと変化していく言葉使いでも一人の人間が変身していく様子がよく伝わってきた。最後は残念だったが、他の人間(しかも殺人的な狂人)になっていってしまうのを止められない状況になったら絶望するのも仕方がない気がする。作中でも触れられていたが、脳をそっくり入れ替えたら、見た目は変わらなくても別人になってしまうのだろうかと自分も興味を持った。
---あらすじ---
世界初の脳移植手術を受けた平凡な男を待ちうけていた過酷な運命の悪戯!脳移植を受けた男の自己崩壊の悲劇。
平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。


■黒い家(貴志祐介)

怖いとは知っていたのでそのつもりで読んだ。とは言っても、生きている人間の話なので、幽霊とかの類の怖さは無い。しかし、じわじわと近づいてくる不気味さはなんとも言えない恐怖。昆虫の話と絡めてくるのもまた不気味さを煽っている。後半は読む手が止まらなかった。
---あらすじ---
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。


■凍(沢木耕太郎)

臨場感がものすごい。限りなく絶体絶命の極限な状況を、ギリギリのところで踏ん張って克服してしまう強靭な精神力と体力には脱帽。自分には絶対ないだろう、ほぼ垂直の壁での世界を垣間見ることができた。
---あらすじ---
最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。世界的名声を得ながら、ストイックなほど厳しい登山を続けている彼が選んだのは、ヒマラヤの難峰ギャチュンカンだった。だが彼は、妻とともにその美しい氷壁に挑み始めたとき、二人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかった―。絶望的状況下、究極の選択。鮮かに浮かび上がる奇跡の登山行と人間の絆、ノンフィクションの極北。講談社ノンフィクション賞受賞。


■太陽の塔(森見登美彦)

森見ワールドだった。切なく物悲しい男子学生たちの日常が、独特の言い回しでマジメに面白く書かれている。水尾さんが非常に気になる
---あらすじ---
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。


■封印再度(森博嗣)

目から鱗のトリックで、ミステリーとしてはとても面白かった。四季と犀川が好きで、このシリーズの最後にあるというふたりの対峙を楽しみに「F」から読んでいるが、未だに主役をはっている萌絵が好きになれなくて困っている。作品中でことあるごとに彼女の魅力というのが描写されるが、(容姿や家柄はいいとしても)実際の本人の言動とどうも結びつかないので逆にしつこく感じてしまう。四季が出てくるまでまだ何冊もあるが、この調子だとちょっとつらい
---あらすじ---
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。


■幻惑の死と使途(森博嗣)

ラストの犀川の想像には納得させられた。まったく思いつかなかった発想なので新鮮。巻末の引田天功の解説が面白かった
---あらすじ---
「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。


■夏のレプリカ(森博嗣)

ちょっとラストに拍子抜けした部分があるが、杜萌がらみの設定はとても好きだった。過去を思い出していく過程は、読んでいるこちらもドキドキして最後まで一気に読了。今までで一番モヤモヤ感を味あわずに読めたかも
---あらすじ---
T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。


■今はもうない(森博嗣)

なんとなくヘンな感じはしていたが、最後は騙された。前半は読むのに努力がいったが、犀川の難しい講釈がすくなかった分、そんなに時間はかからなかった。ミステリとしては消化不十分だが、こういうのもアリだと思う
---あらすじ---
避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ。


■数奇にして模型(森博嗣)

なんでもありな感じ。ミステリ本としてはどうかなと思うが、人間考察という点では面白いかも。現実に起こっている猟奇殺人とか見ていると、私には理解できない思考の中で生きている人もいるわけで、そう考えるとこの物語の内容もありえないわけではない。しかし理解できない分、犯人を推測するのは不可能に近い
---あらすじ---
模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。


■有限と微小のパン(森博嗣)

いよいよS&Mシリーズの終結。そして四季の再登場。楽しみにしていた犀川との対峙もたっぷりあった。ラストに近づくにつれ、たたみかけるように明らかになっていく新事実の数々に唸るばかりだった。最初から読み続けてきたからこその感動が味わえた
---あらすじ---
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。





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