↓フンザの伝統料理(パキスタン)
異国情緒あふれる写真と旅行記|KaycomDESIGNより
~旅行期間2010年3月26日から4月5日~
6日目
さて、今夜の夕食は、フンザの伝統的な音楽を聴きながら郷土料理をいただきます。
今までのレストランとは別の、絨毯が敷き詰められた広い部屋へ案内されました。
すでに3人の演奏家の人たちが楽器を奏でています。
昼間、アルチット村で聞いたのと同じような音楽ですが、さすがプロだけあって迫力があります。
この3人のうちの一人が、パキスタンでも有名な演奏家なのだとか。

真ん中の人が有名人
Sさんから、郷土料理とこれから行われる踊りの説明があり、
どうやら私達も踊るハメになるかもしれないという漠然とした不安を抱きつつ、宴会が始まりました。
フンザの料理は健康食で有名で、ここフンザは長寿の里としても知られています。
しかし、カラコルムハイウェイが開通してからは、砂糖や油などがどんどん入ってくるようになり、
今では癌や糖尿病の人が増え、以前はたくさんいた100歳越えの人は減ってしまったそうです。
それでも現在の平均寿命は男性が70~75歳、女性が75~80歳で、
日本と変わらない高水準を維持しており、
まちのあちこちには元気なお年寄りがたくさんいました。
(ちなみにパキスタン全体の平均寿命は男性が55~60歳、女性が60~65歳)
最初の料理が運ばれてきて、部屋の中央では踊りも始まりました。
フンザの人はみんな踊り好きで、後ろには順番待ちのおじさんたちが控えています。
そしていつの間にか、ホテルのスタッフもみんな集まってきて、
あきらかにこの部屋のなかは、お客さんの私達よりフンザの人の人数の方が上回っていました。

踊り待ちのおじさんたちが周りを囲み盛り上げる
踊りはまず、「王様の踊り」から始まり、本来ならその後は年齢順に踊っていくとか。
しかし今回は、色々な踊りを披露してくれるため、
王様の後は「若い人の踊り」「ナガール地方の踊り」「軍人の踊り」と続き、
あとは「ホテルのスタッフの踊り」「ホテルのオーナーの踊り」と、
踊りたくてウズウズしているおじさんたちが出演です。

「若い人の踊り」は激しく「軍人の踊り」は剣を振り回す
踊っていると、まわりのギャラリーがダンサーの帽子にチップを挟みにきます。
そして踊りが終わるとダンサーは、そのチップを今度は音楽隊に献上。
踊っている人にチップを渡すのはどこでも良く見かけますが、
それをもらったダンサーが、さらに音楽隊に渡すのは見たことがありません。
Sさんの解説によると、ダンサーにチップを渡すのは、
お前、ダンス上手いな
という意味(これは普通)、そしてダンサーが音楽隊に渡すのは、
踊りが上手く踊れるのは、君達の素晴らしい演奏のお陰ですよ
という気持ちが込められているそうです。
なんともステキな感謝の連鎖。
こういう習慣を見ても、そこに暮らしている人たちの人柄が伺えます。

帽子に刺さったチップ / 帽子に挟まれたチップを音楽隊に渡す
次々運ばれてくる料理は、一度食べると2年長生きできるという、たしかに健康食でした。
そして健康食とは、総じて、多くの現代人にとっては、
美味しい♪
と手放しで言えないというのも定説です。
まずくはないが…
すっかり贅沢に慣れてしまった自分を恥じつつ、
食べられなかった人のためにセコンドで待機していたチキンカレーに手が行ってしまいました。
他のみんなもほぼ同じような思いだったらしく、カレーがどんどん売れていきます。

セコンドたち
好きなものを好きなだけ食べてそこそこ生きるか、フンザの郷土料理を食べて100年生きるか
贅沢な選択ですが、まわりにいる人とちょっと話したら、
メンバーの一人(ツアー参加者最年少)は、前者を採用していました。
しかし、初体験のフンザ料理はいい経験になりました。
こういうものを毎日食べていれば(それだけではないと思うが)、
おのずと長生きができるということをここの人は証明しているのですから。

ダウドスープ(カレースープの中に麺)/スプラ(ゆで羊)

ブルースショピック(チーズチャパティ)/チャプシュロー(チャパティ肉包み)/
バルーガーリン(そば粉のチャパティ)/グレーガーリン(そば粉にミルク入りチャパティ)

ホイロガルマ(ほうれんそうとチャパティ)/ハリーサ(麦と肉と杏オイル)

ディランピティ(杏と麦のデザート)
宴会はどんどん進み、踊りも、ホテルのオーナーからスタッフから名人まで一通り終わり、
ついに私達の番になってしまいました。
始めはちょっと遠慮してましたが、やはり参加しないと盛り上がらないので、
こうなったらみんな巻き込んでしまえ
と、まわりにいる人たちを片っ端から誘い込み、
気づけば踊る場所が狭いくらいの大人数で踊っていました。
地元の人に教わりながらだんだん動きも覚えてくると、これがなんとも楽しい♪
みんなで輪になって、息が上がるまでくるくる回っていました。
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