川の果ての更に果てに

Svensk,Danmark,Norges,Suomen応援ブログ

他愛のある夜(大嘘)

2005-11-12 21:54:52 | その他
二人が訪ねてきたのは午後の九時半過ぎだった。この時間、というか時間に関係なくほとんど来訪者もない私の部屋である。少し首を傾げたが、この時点では少し後に待ち受けている驚きなどは知る術もなかった。
訪ねてきたのは二人組の男であった。両方共に40くらいであろうか。一人は生活に疲れたという感じのくぼんだ頬が印象的である。もう一人は、目つきの鋭さが妙に気になる
「夜分失礼します。警視庁のものですが」
二人は手にしていたコンパクトを開いた。そこには警視庁の印がはっきりとある。最近流行りの開くタイプの警察手帳であることは容易に想像がつく。
「はあ…、何でしょうか?」
何か近くで事件でもあったのだろうか。そうした報道は聞いていないが、ここは新宿である。何が起きたとしても、「新宿だからね」と片付けられてしまう街である。実際私も事件現場のそばを通ったことがある。検証をしている警察官のそばを通ったこともだ。また時折、近くのビルの非常ベルが作動している音も聞いている。
だからあまり敬遠したくなるような感情は起きなかった。
そう、犯罪という言葉に対して、この街は鈍感にさせてくれるのだ。
だが、次の言葉はさすがに予想できないものだった。
「川の果て君、君には四ッ谷駅近くの店で強盗をしたという嫌疑がかかっている」
「ええーっ!?」
私は驚いた。誓って言うが、そのようなことはしていない。もちろん、私が自分が知らないだけで強度の夢遊病者であるなどの病理があるとすれば話は全く別であるのだが…
「待ってください! 私はそんなことをした記憶が…>」
「話は署で聞こう。それとも、何かアリバイでもあるというのかね?」
男の声は最初訪問してきた時とはうって変わって威圧的なものになっていた。既に犯人と刑事の熾烈な攻防戦の緒戦の段階に入っているかのようだ。そんな錯覚を受け、私は冷や汗と軽い眩暈を感じた。
「…いえ、アリバイというか、夜はほとんどパソコンに向かい合ってブログを。そうだ! 投稿記事の時間で僕にアリバイがあると分かるはずです!」
「投稿時間など、投稿後にいくらでも変えられるではないか」
「あう(実際、たまにやってるし)。あ、で、でも、他のブログにトラバしたので、その時刻は向こう側と共謀しない限りは変えようがないですよ(トラバ削除されてたらどうしよう…)」
「…どこのブログにトラバをしたのかね?」
「あ、えっと、それは…」

カット、カーット!!
これはもちろん架空の話です。というか、多分本物の警察官はここまで性急に署に行かせようとしたり、アリバイを要求したりはしません。

まあ、それはさておき今朝、新宿駅でいきなり職務質問を受けてしまいました。
いきなり才女っぽい感じの女性に呼び止められて警察手帳(だと思う。急いでいたのではっきり確認まではしませんでした)を開かれたので、さすがにびっくりしましたよ。
まあ職務質問というと大袈裟でしょうか。行き先と名前を聞かれただけで、それだけで終わり。「ありがとうございました」と解放された時にはむしろ「終わり?」と拍子抜け。
いや、それは早く解放されて嬉しくないはずはないですけど、しかし、仮に何かの事件の犯人とおぼしき人間と思われる人と勘違いされたのなら、何かもう少し色々聞いたりするでしょう。まさか警察が単なるアンケートを取っていたとも思えませんし。
あるいはどこか不法に個人情報を得ようとしている業者だったのでは、とも思ったりしましたが、それはそれで名前(しかも苗字だけ)だけではほとんど体を為さないはず。
何かよく分からないんですよねぇ。不安だけが残る職務質問でした。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mayu)
2005-11-13 15:16:05
こんちわ( ´∀`)

「まゆ倶楽部」のまゆです(・∀・)

トラックバックさせていただきます.
返信する