[前回までのあらすじ] → ラプンツェル → いばら姫
野菜と引き換えに妖精に預けられたラプンツェル。塔で育てられたラプンツェルは王子様と密会していましたが、それがバレて
一方、王子様は世紀末覇王を名乗り、ラプンツェルを探して波乱万丈の旅を続けておりましたが…
さて、いばら姫の嫁いだ国と、隣の国が小競り合いを起こしました。
小競り合いとはいいつつも、相手の世紀末覇王が自ら出馬してきたので激戦となりました。
世紀末覇王の名にふさわしく、本人も馬もすさまじい戦いを繰り広げています。
部下が恐ろしげな顔で言いました。
「しかし、馬の方も恐ろしいですな」
「うむ。さすがに黒王…じゃなくてオペラオー。世紀末のGⅠを震撼させた馬の中の覇王だけのことはある」
王子様は鎧を脱ぎました。
「やはり奴とは私が決着をつけなければならない」
覇王も王子様に気付きました。両者が相対峙します。
「むっ。貴様、構えは?」
覇王が王子様の無防備な姿に驚きました。
「私の拳は帝王の拳。構えとは防御を意識したもの。帝王たる私に防御はいらぬ。ただ前身制圧するのみよ!」
王子様が覇王に飛び掛りました。覇王は一瞬驚いたものの…すぐに反撃します。
「ほうりゃ!!」
覇王の剛拳が飛んできます。王子様は成す術もなく吹き飛んでしまいました。
「ぬ、ぬぬぬぬ…」
「秘孔キルケゴールを突いた。おぬしは『死にいたる病』に冒されている。あと5秒ののちに喀血し、残された余命はあと半年」
覇王の宣告にも王子様は余裕です。
「なら数えよう。5、4、3、2、1、ゼーロ」
王子様は平気です。
「ムムッ?」
覇王の自信に満ちた表情が揺らぎました。
「…覇王。おまえは恐ろしい奴よ。この私の遥か上をいく強さだ。だが、お前に私を倒すことはできん」
王子様が飛び掛りました。
「お前はこの私の体の中を流れる聖帝の血に負けたのだー!」
王子様がオーラを飛ばしました。覇王は「ぬうっ」と両手でブロックしますが、流れるオーラが地面を砕き、覇王の足元は揺らぎました。
「ぬ、ぬぬっ? うわーーーーっ!!」
覇王となった王子様は人生二度目の転落。
崖の下を流れる川へと落ちてしまいました(そんなところで戦うなよ…)。
「…倒したのですか?」
と部下が駆け寄ってきました。王子様は川を見て首を横に振ります。
「…いや。奴も世紀末覇王を名乗る男。崖から落ちたくらいで死ぬとはとても思えぬ。だが、ひとまず今は時間稼ぎをすることができるだろう」
王子様がそう言い、戻ろうとすると、オペラオーが目の前に立っていました。
「……主人の仇討ちをしようというのか?」
しかし、オペラオーは一声いななくと、そのまま覇王の落ちた川底へと飛び込みました。
「…何と、馬が主人を追って飛び降りるとは…」
「さすがにオペラオー。世紀末覇王の馬だけのことはある。私もあのような馬に乗ってみたいものよ」
「メイショウドトウでも探してきましょうか?」
「いつもちょっとだけ負けそうで嫌だ」
王子様はそう言って自分の愛馬にまたがり、愛するいばら姫のもとへと帰っていきました。
さて、塔を追い出されたラプンツェルは色々な保護を受けながら、川下の村で生活をしていました。
ある日、ラプンツェルは洗濯をしようと川に向かいました。するとどうしたことでしょう。大きな馬が水をチビチビ飲んでいます。その、およそ馬とは思えないくらいの巨馬はラプンツェルに気付くと、トボトボと歩いてきました。そして小さくいななき、森の中へと歩いていきました。
「…私についてこいと言っているの?」
ラプンツェルは首をかしげながらも馬を追いかけることにしました。
馬は茂みの一角で足をとめました。そして、堆く積まれた干草をはいでいきます。中に一人の重傷を負った男の姿がありました。
「まあ、これは王子様…!」
ラプンツェルには傷だらけの覇王がかつて自分の住む塔に来てくれていた王子様であることが一目で分かりました(ようやく話が戻った[笑])。
ラプンツェルは王子様を自分の家へと連れていき、手当をしました。その甲斐あって、しばらくすると王子様は意識を取り戻しました。
「…う、うぅ…」
「王子様、私です」
「そ、その声はラプンツェル…?」
王子様は驚きました。しかし、長年追い求めてきたラプンツェルの声を聞き間違えるはずがありません。
「…また会えるなんて夢のようだ。しかし、残念ながら今の私には君を見ることができない…」
ほぼ忘れられているかもしれませんが、王子様は塔から転落したショックで目が見えなくなっていたのです。ですので、ラプンツェルを見ることは叶いません。閉じられた瞳から涙がツーと流れ落ちます。
「…王子様…」
ラプンツェルも涙を流しました。
その滴が横になっている王子様の顔にかかり、目にかかりました。
そのとき、奇跡が起こりました。
「…おや? 目が?」
「…王子様?」
「見える。見えるよラプンツェル! この部屋が、そして君の顔が!」
「ああ、王子様!」
ラプンツェルと王子様は抱き合いました。二人はその後、幸せに暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
…今回ニュースがないけど、とりあえず終わらせたかったので(笑)……
野菜と引き換えに妖精に預けられたラプンツェル。塔で育てられたラプンツェルは王子様と密会していましたが、それがバレて
一方、王子様は世紀末覇王を名乗り、ラプンツェルを探して波乱万丈の旅を続けておりましたが…
さて、いばら姫の嫁いだ国と、隣の国が小競り合いを起こしました。
小競り合いとはいいつつも、相手の世紀末覇王が自ら出馬してきたので激戦となりました。
世紀末覇王の名にふさわしく、本人も馬もすさまじい戦いを繰り広げています。
部下が恐ろしげな顔で言いました。
「しかし、馬の方も恐ろしいですな」
「うむ。さすがに黒王…じゃなくてオペラオー。世紀末のGⅠを震撼させた馬の中の覇王だけのことはある」
王子様は鎧を脱ぎました。
「やはり奴とは私が決着をつけなければならない」
覇王も王子様に気付きました。両者が相対峙します。
「むっ。貴様、構えは?」
覇王が王子様の無防備な姿に驚きました。
「私の拳は帝王の拳。構えとは防御を意識したもの。帝王たる私に防御はいらぬ。ただ前身制圧するのみよ!」
王子様が覇王に飛び掛りました。覇王は一瞬驚いたものの…すぐに反撃します。
「ほうりゃ!!」
覇王の剛拳が飛んできます。王子様は成す術もなく吹き飛んでしまいました。
「ぬ、ぬぬぬぬ…」
「秘孔キルケゴールを突いた。おぬしは『死にいたる病』に冒されている。あと5秒ののちに喀血し、残された余命はあと半年」
覇王の宣告にも王子様は余裕です。
「なら数えよう。5、4、3、2、1、ゼーロ」
王子様は平気です。
「ムムッ?」
覇王の自信に満ちた表情が揺らぎました。
「…覇王。おまえは恐ろしい奴よ。この私の遥か上をいく強さだ。だが、お前に私を倒すことはできん」
王子様が飛び掛りました。
「お前はこの私の体の中を流れる聖帝の血に負けたのだー!」
王子様がオーラを飛ばしました。覇王は「ぬうっ」と両手でブロックしますが、流れるオーラが地面を砕き、覇王の足元は揺らぎました。
「ぬ、ぬぬっ? うわーーーーっ!!」
覇王となった王子様は人生二度目の転落。
崖の下を流れる川へと落ちてしまいました(そんなところで戦うなよ…)。
「…倒したのですか?」
と部下が駆け寄ってきました。王子様は川を見て首を横に振ります。
「…いや。奴も世紀末覇王を名乗る男。崖から落ちたくらいで死ぬとはとても思えぬ。だが、ひとまず今は時間稼ぎをすることができるだろう」
王子様がそう言い、戻ろうとすると、オペラオーが目の前に立っていました。
「……主人の仇討ちをしようというのか?」
しかし、オペラオーは一声いななくと、そのまま覇王の落ちた川底へと飛び込みました。
「…何と、馬が主人を追って飛び降りるとは…」
「さすがにオペラオー。世紀末覇王の馬だけのことはある。私もあのような馬に乗ってみたいものよ」
「メイショウドトウでも探してきましょうか?」
「いつもちょっとだけ負けそうで嫌だ」
王子様はそう言って自分の愛馬にまたがり、愛するいばら姫のもとへと帰っていきました。
さて、塔を追い出されたラプンツェルは色々な保護を受けながら、川下の村で生活をしていました。
ある日、ラプンツェルは洗濯をしようと川に向かいました。するとどうしたことでしょう。大きな馬が水をチビチビ飲んでいます。その、およそ馬とは思えないくらいの巨馬はラプンツェルに気付くと、トボトボと歩いてきました。そして小さくいななき、森の中へと歩いていきました。
「…私についてこいと言っているの?」
ラプンツェルは首をかしげながらも馬を追いかけることにしました。
馬は茂みの一角で足をとめました。そして、堆く積まれた干草をはいでいきます。中に一人の重傷を負った男の姿がありました。
「まあ、これは王子様…!」
ラプンツェルには傷だらけの覇王がかつて自分の住む塔に来てくれていた王子様であることが一目で分かりました(ようやく話が戻った[笑])。
ラプンツェルは王子様を自分の家へと連れていき、手当をしました。その甲斐あって、しばらくすると王子様は意識を取り戻しました。
「…う、うぅ…」
「王子様、私です」
「そ、その声はラプンツェル…?」
王子様は驚きました。しかし、長年追い求めてきたラプンツェルの声を聞き間違えるはずがありません。
「…また会えるなんて夢のようだ。しかし、残念ながら今の私には君を見ることができない…」
ほぼ忘れられているかもしれませんが、王子様は塔から転落したショックで目が見えなくなっていたのです。ですので、ラプンツェルを見ることは叶いません。閉じられた瞳から涙がツーと流れ落ちます。
「…王子様…」
ラプンツェルも涙を流しました。
その滴が横になっている王子様の顔にかかり、目にかかりました。
そのとき、奇跡が起こりました。
「…おや? 目が?」
「…王子様?」
「見える。見えるよラプンツェル! この部屋が、そして君の顔が!」
「ああ、王子様!」
ラプンツェルと王子様は抱き合いました。二人はその後、幸せに暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
…今回ニュースがないけど、とりあえず終わらせたかったので(笑)……
川の果てさんではなく、「川」が登場したのは読者の期待に応えたのかしら。
なーんて(・∀・)
やっぱりなんとなくハッピーエンドだとほっとするのでありました。
あまりに唐突かつとってつけたような結末に、大暴走の後遺症を感じずにはいられません(笑)。
ァ '`,、'`,、'`,、((´∀`●)) '`,、'`,、'`,、
またこんなのお願いします
この手のを始めると収拾がつかなくなりそうで非常に及び腰ですが、またお馬鹿な企画にはチャレンジしてみたいと思います。
笑わせてもらいました。
北斗の拳世代の私にはとても面白かったです。
(脱線気味の)次回作も期待しております(^-^)
脱線すると収拾がつかなくなって話をつなぐのが苦労します(というかつないでませんけど)。楽しいことは楽しいので時間があればまたチャレンジしてみたいとは思います(笑)