[前回までのあらすじ] 1 2
15歳の時に糸つむぎのつむに刺されて死ぬという呪いを受けたお姫様。王様とお妃様は色々と手を尽くしますが、結局お姫様は15歳の時につむに指を刺されて眠りについてしまいました。ガラス張りの部屋の中、お姫様はどうなるのでしょうか。
さて、お姫様の話は13人目の妖精が、
「美しいお姫様を糸つむで予言通りに倒したのさ。あたしゃ満足だよ」
などと言いふらしたこととガラス張りの知事室の中にあったコードレス電話が勝手にSOS発信をしたため、
<遭難信号>怪発信279回 犯人はコードレス電話(毎日新聞)
世界中に広まりました。
そのため、何人かの王子様が「では、自分が助けに行こう」とお城に向かいました。しかし、城の周りを取り囲むいばらが容赦なく動きを阻み、その上身動きをとれなくしてしまうため、助けに行った王子様は誰一人として戻ってきませんでした。
そんなこんなで100年経ちました。
ある王子様がお城の近くを旅行しておりました。王子様は大層政務に熱心な人でしたので、農民達が地域の農政を批判することにも耳を傾けていました。農民達は農政に理解を示す王子様を歓迎し、フォークソングで伝承などを教えてあげました。
雑記帳 農家のフォークグループが農政批判のCD発売(毎日新聞)
その中にかのお姫様のお話も出てきました。
王子様は話を聞いて、「では、自分が助けに行こう」と思い立ちました。部下は必死に食い止めます。
「お話をお聞きにならなかったのですか。殿下が向かおうとしている城はズバリ、危険でしょう!」
「構わぬ。私は不遇の姫を助けたいという思いでそんな危険など焼きつくしてくれよう」
「それに話が本当だとすれば、そのお姫様は115歳と殿下とは三世代以上離れておりますから、その…ハッ! ひょっとして殿下は超年増志向なのですね。ズバリ、そうでしょう!」
「黙れ」
「グハアッ!!」
王子様はうるさい部下を殴って黙らせると、そのままお城へと向かいました。
お城は…それがお城とは思えぬほどいばらで生い茂っておりました。王子様はお城の周囲の様子をじっくりと確かめ、ゆっくりと近づいてきました。
「ふえっふぇっふぇっ。ま~たおバカがきたんだね。あんたみたいなのがいるから、あたしゃ何時まで経っても楽しいよ」
13人目の妖精の声がいばらの中から聞こえてきました。
「さぁさ、入るんなら早く入ってくるんだよ」
しかし、王子様は冷静でしたので、じっくりとお城の周辺を見て回りました。
「おやおや、怖気づいたってのかい? あんたも大したことないねぇ」
妖精が挑発してきます。そこで王子様がゆっくりと中に入っていきました。
「さあさあ、イバラ達、邪魔者を妨げるんだよ」
妖精がイバラに声をかけます。しかし、その声に反応して王子様の行く手を妨げるはずのイバラは逆にしおれて倒れてしまいました。
「…! どうなってんだい? あんた、何をしたんだい?」
「……水源の水を抜いた」
誰?何のため、小学校プールの水を抜く…長野・小諸(読売新聞)
「これだけのいばらが生い茂る以上、どこかに大きな水源があるだろうと思ってね」
「何だって!? あんた、そりゃ犯罪行為だよ」
「人命救助のためなら軽犯罪法や威力業務妨害罪くらい許されるさ」
しおれるいばらを掻き分けて、王子様は奥へと進みます。この期に及んでは妖精もどうすることもできません。
「く~、あんた、ロクな死に方しないよ」
と吐き捨てながら去っていきました。
結構長くなったので、更に続く… TO BE CONTINUED
15歳の時に糸つむぎのつむに刺されて死ぬという呪いを受けたお姫様。王様とお妃様は色々と手を尽くしますが、結局お姫様は15歳の時につむに指を刺されて眠りについてしまいました。ガラス張りの部屋の中、お姫様はどうなるのでしょうか。
さて、お姫様の話は13人目の妖精が、
「美しいお姫様を糸つむで予言通りに倒したのさ。あたしゃ満足だよ」
などと言いふらしたこととガラス張りの知事室の中にあったコードレス電話が勝手にSOS発信をしたため、
世界中に広まりました。
そのため、何人かの王子様が「では、自分が助けに行こう」とお城に向かいました。しかし、城の周りを取り囲むいばらが容赦なく動きを阻み、その上身動きをとれなくしてしまうため、助けに行った王子様は誰一人として戻ってきませんでした。
そんなこんなで100年経ちました。
ある王子様がお城の近くを旅行しておりました。王子様は大層政務に熱心な人でしたので、農民達が地域の農政を批判することにも耳を傾けていました。農民達は農政に理解を示す王子様を歓迎し、フォークソングで伝承などを教えてあげました。
その中にかのお姫様のお話も出てきました。
王子様は話を聞いて、「では、自分が助けに行こう」と思い立ちました。部下は必死に食い止めます。
「お話をお聞きにならなかったのですか。殿下が向かおうとしている城はズバリ、危険でしょう!」
「構わぬ。私は不遇の姫を助けたいという思いでそんな危険など焼きつくしてくれよう」
「それに話が本当だとすれば、そのお姫様は115歳と殿下とは三世代以上離れておりますから、その…ハッ! ひょっとして殿下は超年増志向なのですね。ズバリ、そうでしょう!」
「黙れ」
「グハアッ!!」
王子様はうるさい部下を殴って黙らせると、そのままお城へと向かいました。
お城は…それがお城とは思えぬほどいばらで生い茂っておりました。王子様はお城の周囲の様子をじっくりと確かめ、ゆっくりと近づいてきました。
「ふえっふぇっふぇっ。ま~たおバカがきたんだね。あんたみたいなのがいるから、あたしゃ何時まで経っても楽しいよ」
13人目の妖精の声がいばらの中から聞こえてきました。
「さぁさ、入るんなら早く入ってくるんだよ」
しかし、王子様は冷静でしたので、じっくりとお城の周辺を見て回りました。
「おやおや、怖気づいたってのかい? あんたも大したことないねぇ」
妖精が挑発してきます。そこで王子様がゆっくりと中に入っていきました。
「さあさあ、イバラ達、邪魔者を妨げるんだよ」
妖精がイバラに声をかけます。しかし、その声に反応して王子様の行く手を妨げるはずのイバラは逆にしおれて倒れてしまいました。
「…! どうなってんだい? あんた、何をしたんだい?」
「……水源の水を抜いた」
「これだけのいばらが生い茂る以上、どこかに大きな水源があるだろうと思ってね」
「何だって!? あんた、そりゃ犯罪行為だよ」
「人命救助のためなら軽犯罪法や威力業務妨害罪くらい許されるさ」
しおれるいばらを掻き分けて、王子様は奥へと進みます。この期に及んでは妖精もどうすることもできません。
「く~、あんた、ロクな死に方しないよ」
と吐き捨てながら去っていきました。
結構長くなったので、更に続く… TO BE CONTINUED
コードレスフォンの話は何とも不思議な感じでしたよ。受けた側としては迷惑な話ですね。
水を抜いたヒトも、その執念を他に
回せばいいものを。。。
コードレスフォンは怪奇現象ですね。
ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ
便利になれば不具合もいっぱい出てくる
世の中ですね。