[これまでのあらすじ] 1 2 3 4
100年の眠りにつくという宿命を受けたお姫様。予言通りに100年の眠りについた後、王子様のキスによって目を覚ましましたが…
「…母親が人食い鬼?」
お姫様が目を丸くしました。王子様は沈痛な表情で答えます。
「はい。私の国の隣国は修羅の掟が支配する国で、そこの人食い鬼の系譜を継ぐものなのです」
「とすると、王子様も人食い鬼の系譜を継ぐわけですか?」
「ズバリそうでしょう」
余計なことを言った部下は今度はフライパンで何度も何度も叩かれました。
「いや~そのあたりは童話にないので何とも。ひょっとしたら継母なのかもしれません。子供の頃に父にも母にも、お前は橋の下に落ちていた子供でそれを拾ってきたんだからと何度も言われましたし」
「……」
「そういうわけですので、私の国に来ていただくからには死をも覚悟していただかなければならないかと…」
「むむむ」
いばら姫の父親の王もさすがに顔を曇らせます。
しかし、履歴書に115歳と書くだけで見合い申込が書類審査で落とされるのは目に見えています。事情を知るこの王子以外に姫を嫁がせられる相手がいるとも思いませんでした。王はいばら姫に決意の程を確認しましたが、姫も王子様以外にいないと強く決めていました。
結局、王は姫を王子様に嫁がせました。王子様は王に姫は何があっても守り抜くと約束し、国へと連れ帰りました。
国へ帰ると、二人は結婚式をあげました。そしてしばらくは幸せに暮らしていました。王子様の母親若しくは継母である王妃もその間大人しくしておりました。
さて、そうこうしているうちに王子様の国が世紀末覇王の支配する隣国と小競り合いを起こし、王子様も出征することになりました。
王子様は姫のことが気になりましたが、結局は後ろ髪を引かれる思いで戦場へと出かけていきました。
さて、王子様がいなくなると王妃が本性を現しました。コック長のロホウを呼び出します。
「ロホウ。息子の嫁を食べたくなったわ。料理してくれるわよね」
「…ごっちゃんです」
ロホウはすごく嫌そうです。
「かつて別の国で失態を演じ、追放されたお前をコック長として雇った恩をもう忘れたというのかい?」
「…ごっちゃんです」
ロホウはうなだれながら料理の準備を始めました。しかし、姫を料理することはどうしてもできません。ロホウは姫のところに行きました。
「…ごっちゃんです」
「…そう。義母上様がいよいよ本性を現したというのですね」
「ごっちゃんです。近くの塔に隠れてください」
「分かりました」
姫はロホウの言う通りに城の一角にある塔の最上階の部屋に潜むことにしました。
その間にロホウは近くで捕まえた野牛を料理して、王妃に差し出しました。
王妃は一口食べて怒りました。
「これは普通のお肉じゃないのさ! ロホウ、あたしを騙そうっていうんだね?」
「ごっちゃんです。これはプレミア価値のある限定食です」
吉野家が牛丼の販売再開を発表、18日に100万食限定(ロイター)
「え~い。吉野家の牛丼なんか興味はないんだよ! あたしはいばら姫を食べたいんだ!」
王妃様は大層怒って城中を探しました。そのうち、塔の最上階にいるかもしれないと思うようになりました。
「…ごっちゃんです。おかみさん、そっちへ行ってはいけません」
ロホウが止めようとしますが、それは逆に姫がそこにいると教えるようなものです。
「ええい! 邪魔だよ」
とロホウを押しのけ、王妃は上へと上がっていきました。
「…うぅ、ごっちゃんです」
ロホウはこのままではいけないと思い、カッカしてきました。そして、激しく塔に向かっててっぽうを打ちました。それは強烈なテッポウで、おまけに塔が耐震設計のいい加減な怠慢建築物だったこともあって、塔の階段が崩れてしまいました。
「あれ~っ!」
王妃は足元が崩れて下へと転落し、そのまま二度と現れることはありませんでした。
さて、王子様が戦場から戻ってきました。そして王子様は多くの部下から自分が不在の間に城で起きていたことの顛末を聞かされました。
「…そうか。なるほど。よし」
王子様はまずロホウを呼び出しました。
「ロホウ。おまえの機転のおかげで姫は救われた。褒美をやろう」
「ごっちゃんです。親方のためを思って頑張りました」
「うむうむ。9月場所も期待しているぞ」
次いで王子様は塔を設計していた部下を呼び出しました。部下は鼻高々です。
「ズバリ私が王女様をお守りしたのです」
「…確かに、おまえの作った塔のおかげで姫は救われた。その意味では功績は大きい」
王子様は従者に大金を与えました。
「しかし、怠慢建築をしたことはまた別の問題。残念だがおまえには裁きを受けてもらわなければならない」
「ガーン!!」
姉歯被告が初公判(産経新聞)
こうして王子様は困難を巧く切り抜け、お姫様と幸せに暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
100年の眠りにつくという宿命を受けたお姫様。予言通りに100年の眠りについた後、王子様のキスによって目を覚ましましたが…
「…母親が人食い鬼?」
お姫様が目を丸くしました。王子様は沈痛な表情で答えます。
「はい。私の国の隣国は修羅の掟が支配する国で、そこの人食い鬼の系譜を継ぐものなのです」
「とすると、王子様も人食い鬼の系譜を継ぐわけですか?」
「ズバリそうでしょう」
余計なことを言った部下は今度はフライパンで何度も何度も叩かれました。
「いや~そのあたりは童話にないので何とも。ひょっとしたら継母なのかもしれません。子供の頃に父にも母にも、お前は橋の下に落ちていた子供でそれを拾ってきたんだからと何度も言われましたし」
「……」
「そういうわけですので、私の国に来ていただくからには死をも覚悟していただかなければならないかと…」
「むむむ」
いばら姫の父親の王もさすがに顔を曇らせます。
しかし、履歴書に115歳と書くだけで見合い申込が書類審査で落とされるのは目に見えています。事情を知るこの王子以外に姫を嫁がせられる相手がいるとも思いませんでした。王はいばら姫に決意の程を確認しましたが、姫も王子様以外にいないと強く決めていました。
結局、王は姫を王子様に嫁がせました。王子様は王に姫は何があっても守り抜くと約束し、国へと連れ帰りました。
国へ帰ると、二人は結婚式をあげました。そしてしばらくは幸せに暮らしていました。王子様の母親若しくは継母である王妃もその間大人しくしておりました。
さて、そうこうしているうちに王子様の国が世紀末覇王の支配する隣国と小競り合いを起こし、王子様も出征することになりました。
王子様は姫のことが気になりましたが、結局は後ろ髪を引かれる思いで戦場へと出かけていきました。
さて、王子様がいなくなると王妃が本性を現しました。コック長のロホウを呼び出します。
「ロホウ。息子の嫁を食べたくなったわ。料理してくれるわよね」
「…ごっちゃんです」
ロホウはすごく嫌そうです。
「かつて別の国で失態を演じ、追放されたお前をコック長として雇った恩をもう忘れたというのかい?」
「…ごっちゃんです」
ロホウはうなだれながら料理の準備を始めました。しかし、姫を料理することはどうしてもできません。ロホウは姫のところに行きました。
「…ごっちゃんです」
「…そう。義母上様がいよいよ本性を現したというのですね」
「ごっちゃんです。近くの塔に隠れてください」
「分かりました」
姫はロホウの言う通りに城の一角にある塔の最上階の部屋に潜むことにしました。
その間にロホウは近くで捕まえた野牛を料理して、王妃に差し出しました。
王妃は一口食べて怒りました。
「これは普通のお肉じゃないのさ! ロホウ、あたしを騙そうっていうんだね?」
「ごっちゃんです。これはプレミア価値のある限定食です」
「え~い。吉野家の牛丼なんか興味はないんだよ! あたしはいばら姫を食べたいんだ!」
王妃様は大層怒って城中を探しました。そのうち、塔の最上階にいるかもしれないと思うようになりました。
「…ごっちゃんです。おかみさん、そっちへ行ってはいけません」
ロホウが止めようとしますが、それは逆に姫がそこにいると教えるようなものです。
「ええい! 邪魔だよ」
とロホウを押しのけ、王妃は上へと上がっていきました。
「…うぅ、ごっちゃんです」
ロホウはこのままではいけないと思い、カッカしてきました。そして、激しく塔に向かっててっぽうを打ちました。それは強烈なテッポウで、おまけに塔が耐震設計のいい加減な怠慢建築物だったこともあって、塔の階段が崩れてしまいました。
「あれ~っ!」
王妃は足元が崩れて下へと転落し、そのまま二度と現れることはありませんでした。
さて、王子様が戦場から戻ってきました。そして王子様は多くの部下から自分が不在の間に城で起きていたことの顛末を聞かされました。
「…そうか。なるほど。よし」
王子様はまずロホウを呼び出しました。
「ロホウ。おまえの機転のおかげで姫は救われた。褒美をやろう」
「ごっちゃんです。親方のためを思って頑張りました」
「うむうむ。9月場所も期待しているぞ」
次いで王子様は塔を設計していた部下を呼び出しました。部下は鼻高々です。
「ズバリ私が王女様をお守りしたのです」
「…確かに、おまえの作った塔のおかげで姫は救われた。その意味では功績は大きい」
王子様は従者に大金を与えました。
「しかし、怠慢建築をしたことはまた別の問題。残念だがおまえには裁きを受けてもらわなければならない」
「ガーン!!」
こうして王子様は困難を巧く切り抜け、お姫様と幸せに暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
「眠りの森の美女」も終わりですね( ̄▼+ ̄*)キラン
苦難がありすぎましたけど、ハッピーエンドでよかったです。。
吉野家の牛丼も姉歯さんも忘れたころに
出てきましたね。
時間ってたつの早いですね~。
子供が読む心配はありません。キッズgooでここに来ようとすると「子供が見てはいけません」みたいな表示が出ますので(笑)
昨日はIt's a boyでもちきりでしたが、他にも興味深いニュースもありましたね。