小田原少年少女合唱隊
5月29日(日) 雨。日本の本格的な台風シーズンは8月中旬から9月だろう
に、台風2号が日本に向かってきた。最終的には四国沖で温帯低気圧になった
が、前線が刺激され、前日から雨が降り続いた。この日、私鉄を乗り継いで、13
時15分小田原駅に到着した。
雨のお堀沿いをゆっくり歩き、小田原市民会館へ着いた時はすでに開場してい
た。小田原少年少女合唱隊&マルベリー・チェンバークワイアの第48回定期
演奏会である。今回は「東日本大震災復興支援チャリティーコンサート」と銘打っ
て開催された。桑原先生は48回目連続のご出演。
この演奏会のお客様は40代から70代の方を中心に家族連れが多いのが特徴
である。小学生も静かに聴いている。開演前はお知り合いの会話も盛んで、いつ
も思うことだが、地域に根付いたファミリーコンサートといえるかしらん。
小田原少年少女合唱隊は平成13(2001)年神奈川文化賞未来賞を受賞して
いる。
<プログラム>
Ⅰ.日本のわらべうた(クラスⅡ)
Ⅱ.『合唱のためのコンポジション第6番』より(マルベリー・メールクワイア)
Ⅲ.ディズニーのうた(クラスⅠ)
Ⅳ.ブルガリアのうた(クラスⅠ、Ⅱ)
Ⅴ.ノスタルジア(マルベリー・クワイア)
--休憩--
Ⅵ.世界のうた①(クラスⅡ、マルベリー・クワイア)
Ⅶ.世界のうた②(マルベリー・チェンバークワイア)
指揮;桑原妙子 ピアノ;桑原春子
Ⅰ.日本のわらべうた(クラスⅡ)
14:02 緞帳(どんちょう)が静かに上がると、赤を基調とした振袖姿の小学校
6年~高校3年の33人が登場。桑原先生も着物姿で入ってこられ、音取りなし
で間宮芳生作曲「烏かねもん勘三郎」が始まった。懐かしい!文字どおりのわら
べうた。
桑原先生のお話--「3月11日の東日本大震災からもう2ヵ月半がたちました。
まだまだ悲惨な状況が続いていますが、小学生から大人まで「心」を一つにして
お送りします」
「てぃんさぐぬ花」、「ほたるこい」と歌い継いだ。「ほたるこい」ではステージが暗
転。ペンライトかしらん。真っ暗なステージに蛍(ほたる)が次々に現れた。--
指揮は見えるのかな?曲の途中から蛍が動き回ったのにはビックリ!え~、ど
うなってるんだろう?
ステージ後方には「とどけよう みんなの心 歌にのせ」という横幕があった。
Ⅱ.『合唱のためのコンポジション第6番』より(マルベリー・メールクワイア)
緞帳はあがったまま、青色のハッピ姿、男性が10人ステージへ。桑原先生も赤
のハッピ姿に早替わり。会場からホ~という歓声が起きた。「元少年合唱団で
す。18年前に卒業生で男声合唱団ができました」(桑原先生)。
この日は第1楽章が歌われた。私は大学一年時、上級生のステージでこの曲
を聴いている。その時は人数的には70人ほどだったかしらん。今、こうして10
人の少人数合唱で聴くのも楽しい。むろん歌う方は独唱兼合唱のようできつい
だろうけれど。聴いているうち、大震災に被災した東北に想いをはせた。
Ⅲ.ディズニーのうた(クラスⅠ)
ピアノが中央へ移動され、小さい子は本当に小さい子どもたちが入場してきた。
温かい拍手がおきる。アットホームな雰囲気いっぱい。緊張しつつもステージに
うまく並んでいる。桑原先生と春子先生が登場。「小学生1年から6年までがディ
ズニーの歌を英語で歌います。あ、英語なのねと思って聴いてください」。
「星の願いを」、「ハイ・ホー」、「小さな世界」。わずか5、6分のステージだったけ
れど、小さな子どもたちがノン・ビブラートで一生懸命歌う姿に「心」が洗われた。
Ⅳ.ブルガリアのうた(クラスⅠ、Ⅱ)
クラスⅠ→Ⅱの順、ヨーロッパの民族衣装風で次々に登場。平成20(2008)
年に亡くなった中山知子さんの訳詩で「五月の風船」、「アブローラ」、「友情の
歌」が歌われた。
中山さんはご自身詩人だったからかしらん、歌いやすく、かつ聴き取りやすい
日本語だった。なぜか、私がまだ子どもだった、1960年代のNHK「みんなの
うた」を思い出した。「毎回申し上げますが、子どもたちのエプロンは春子の手
作りです」。写真が撮れないのが残念!
Ⅴ.ノスタルジア(マルベリー・クワイア)
黒のドレス、女性17人。「女性の卒業生です。前列、左から二人目は6月3日
にママになります」(大きな拍手)。譜面持ちであったが、みなさんすごく姿勢が
よかった。声楽ばかりか剣道にしてもゴルフにしても姿勢が大切なところは共
通かしらんといつも思う。
「朧月夜」、「花」、「故郷」。「朧月夜」では「さながらかすめる~ おぼろづきよ」
のリタルダンドにひきつけられた。「花」は一転して強い声。そして「故郷」の2
番「いかにいます父母」ではジ~ンとなってしまった。
--休憩--
Ⅵ.世界のうた①(クラスⅡ、マルベリー・クワイア)
15:04 ブザーが鳴った。クラスⅡのみなさんから登場。後列にマルベリー女
声10人。2階Rサイドにマルベリーの7人。F.ビーブル作曲の「アヴェ・マリア」
--まったくの宗教的雰囲気で会場がいっぱいになった。
2曲目はクラスⅡだけで、交流のあるチェコの曲「花の冠」--途中では音な
しのシャベリが現れた。「コンクールの自由曲で歌おうかなと練習中です」。既
に暗譜だった。
3曲目はクラスⅡ+マルベリーでコンクールの課題曲。1600年代初めの曲だ
そうだ。日本は江戸時代。皆川達夫先生の分野かな?これもクラスⅡの人た
ちは暗譜だった。
4曲目はマルベリーのみ。ノルウェーの作曲家ニーステッドの作品「オザンナ」。
文字どおりほとんど「オザンナ」、歓呼の繰り返しだった。
Ⅶ.世界のうた②(マルベリー・チェンバークワイア)
1.「ああ、なんと栄光にあふれていることか」 マクシミリアンⅡの時代という
から450年ほど前の作品だろう。(合唱曲っていくらでもあるんですね~。)
今年のコンクール課題曲らしい。
2.「我らは再び空の星を仰いだ」
2004年の米国作品である。女声の間に男声が入るフォーメーションだった。
一瞬何語?と思ったら、イタリア語→ラテン語→イタリア語という構成だった。
終盤の p < f のクレッッシェンドが印象的だった。
15:37終演 と思ったら、ピアノが中央に運ばれてきた。
再びクラスⅠから大人まで順々に全員入場。80人近くはいるかしらん。桑原先
生も春子先生とともに入ってこられた。
桑原先生、「プログラムにはございませんのでどうしたのかしらとお思いかと存
じます。アンコールも頂戴しておりませんが・・・・・・(拍手)、それも、2曲お送りい
たします」(笑)。恒例のアンコール。いつも同じアンコールというのもいいもの。
手を振ったり、ウェーブが入ったり、手拍子があったりと楽しそう。2曲目では老
いも若きも(?)手をつないで全員で歌い上げた。
初ステージだった子はこの日を一生忘れないだろう、お客さまの拍手を受ける
感激は大人とて忘れられない。そんなことを思いながら聴いていた。
その後、小田原市が相馬市の(東日本大震災)孤児救援を募集している募金
の一部にと、合唱隊から100万円+当日のチャリティー328,643円が、桑原
先生から大きなガラス瓶で小田原市文化部長に手渡された。
最後の最後に「ふるさと」を会場全体で歌ってお開きとなった。先生がステージ
下手側に移り、全員の最敬礼、そして小さな子どもたちから上手に退場となる
と、最後の一人が退場するまで温かい拍手が続いていた。
私の席の後から「うちの子は乗っていないのに、途中から泣いちゃって泣いちゃ
って」という地元のお母さんの声が聞こえてきた。げに音楽の威力は恐ろしい。
「みんなの心」が伝わってくる、そして会場との「心」の交流がある演奏会だった。
「感激は音楽にあるのではない。それは聴衆との間にあるのだ」といったのはフ
ルトヴェングラーだったかしらん。(15:54Fine)
花の季節 小田急小田原駅構内
小田原市内案内図
雨に煙る小田原城
会場入口
会場内部
右は日野原先生の色紙
当日のプログラム 曲目解説が親切
字数を数えたら7000字もあった お書きになる時間はあるのかしらん
Dandy Four
5月30日(月) 男声カルテット Dandy Four (ダンディーフォー)のさよならコ
ンサート(京王プラザホテル 南館5F エミネンスホール)
Dandy Four は25年前札幌の異業種交流から生まれた、セミプロの男声カル
テット。みなさん、「自信過剰の」(わが道を行く?)B型だそうだ。
発足当時はメンバーの平均年齢は48歳だったが、(平均)70歳のさよなら公演
となった。
トップテナー根岸紀雄、セカンドテナー久富有道、バリトン淡野民雄、ベース西川
武彦 ピアノ西田量子 司会大塚美幸
根市トリオ
18:30 開宴。根市トリオを聴きながらのディナー・タイムがシャレていた。
(せっかくのお食事を撮るのを忘れてしまった。)
第1部(19:15~)
1.Babylon's falling
2.Hush
3.Let's go down in Jordan
4.I'm so glad trouble don't last always
5.Living humble
6.Silver Threads amang the Gold
7.Grandfather's Clock
8.De Animals a-coming
第2部(19:35~)
9.ホッファイホー
10.筑波山麓合唱団
11.女ひとり
12.手づくりの故郷
13.風が消してゆく
14.フェニックス・ハネムーン
15.酒は泡盛
第3部(20:10~)
16.琵琶湖就航の歌
17.初恋
18.知床旅情
19.Wind & Roses
20.乾杯
21.サライ
(アンコール)
22.Dream
ゴールデンゲイト・カルテット、デューク・エイセスのレパートリーの中から何曲か
披露された。スタイルも両者、とくにデュークの影響を受けているのかしらん。4
人それぞれがマイクを持っていた。
ゴールデンゲイト・カルテットは名前程度しか知らないが、デュークは生も聴きに
行ったことがある。また「女ひとり」や「フェニックス・ハネムーン」はカルテットで歌
ったこともある懐かしい曲だ。個人的には「Let's go down in Jordan」、「風
が消してゆく」がよかったカナ?
根岸さんは70歳とは思えぬ美声、「乾杯」にはステージ終盤だけに心が伝わっ
てきた。久富さんも何曲かソロを歌われた。今年57歳なだけに、さすが声のつ
やも響きも若々しかった。
それにしても京王プラザのエミネンスホールにテーブルが38個。友人・知人関
係で350人近くの人を集められるとは大変な「集客力」。「サライ」が終わったら
大きな花束が殺到した。プロでもなかなか難しいのではないかしらん、と考えて
しまった。アマは恐ろしい。
京王プラザホテル
ホテルのロビー
大変なお客さま
根市トリオ
ディナーのメニュー
前半のステージ
後半は黒の上下
ステージも終盤 照明もこっている
アンコール ステージ上手(かみて)は花束の山
ベースの西川さんの力作 26ページの「ダンデイフォー物語」
* * * *
大正100年
前回、『戦前昭和の社会』という本をご紹介したら、いささか反響があった。
今年は昭和86年、大正100年、明治144年である。
長文-誤字・脱字ごめんなさい。(if any)
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ありがとうございます。
疑問その1
ほたるが途中から動くのは一人一人が
ペンライトを振っています。
指揮は客席からは見えないように、
合唱団には見えるようにしています。
疑問その2
中山知子先生は斎藤秀雄門下、世田谷の
合唱団にも所属し小澤征爾指揮でも
度々歌っていらっしゃいました。
勿論、素晴らしい詩人で小田原には
数え切れないほど足を運んでくださって
10期生以上のメンバーにとっては
教科書にも載っている「あの中山先生」という
存在でした。言葉にできないほどお世話になった素敵な先生でした。
7月1日の、みなとみらいでの沼尻竜典指揮の
「道化師」は指揮が素晴らしい上にソリストも
魅力的な演奏をします。
子供たちはリハ、本番ともに学校を早退して
参加しますが、5月22日の三鷹での演奏が
鮮明に記憶にあるので、今から楽しみに
しています。
ひとこと御礼を・・が長くなりまして
失礼致しました。
どうもありがとうございました。
台風でどうなることかとヒヤヒヤしましたが
無事に終えることが出来、ホッと致しました。
大雨の中、お出かけいただき、
重ねて御礼申し上げます。
演奏する側は、いつも「どうだったかな?」と
お客様のご感想が気になるのですが、
<会場との「心」の交流がある演奏会>と
おっしゃっていただいたことが
何よりも嬉しかったです。
今まで当たり前だと思っていた
「集まって一緒に歌えることの有難さ」を
痛感したコンサートでした。
これからも、応援してくださる方々の
想いに応えられるよう
楽しく元気に練習していきたいと
思っております。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
P.S. 曲目解説、7000字も書いていたとは、
自分でもビックリです。
アレもコレも言いたくて、ついつい
毎回、ダラダラの長文になってしまいます。
何故か9行目がすっかり抜けてしまいました。
引用文を括弧でくくったのが、
いけなかったようです。
会場との「心」の交流がある演奏会だったと
おっしゃっていただいたことが
何よりも嬉しかったです。
と、書いたつもりだったのですが・・・。
失礼しました。
知らなかった~--客席から見えない指揮とは。P席から指揮者が見えるサントリーホールでは難しいですね~(笑)。
中山知子さんはその昔私たちの先輩が「オーヴェルニュの歌」の訳詩を歌っていたことで知りました。
これからもできるかぎり(日帰りできる範囲で)聴きにまいります。
これからコンクールの秋に向けてますますクレッシェンドされんことをお祈り申し上げます。
来年は海外演奏旅行も計画されているやに伺いました。海外までオッカケ、拝聴できる夢を見るかもしれません。
やらないの?もうダンディは無理がありそうなので、ダディ4で再デビューしたら・・・
Dandy 4のコンサートは、たくさんのお客様と花束にビックリ!でした。久富さんはまだ57歳だからもったいないですよね~。
合唱隊の秋山です。
ほたるは、夏までに上手につけられるように頑張りたいとおもいます。
解説は、いつも読んでいますが、700字もあったのは知りませんでした・・・。
今回の曲は、前に歌ったことがある曲がたくさんありました。その時の事を思い出しながら歌っていました。
アヴェマリアは、私も好きな1曲です。
歌っていてとても気持ちよかったです。
本当に、今回の演奏会は会場全体の心がひとつになったと感じた演奏会でした。
これからもみんなで楽しく歌っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
それでは、失礼いたします。
クラスⅡの方かしらん。「パリアッチョ」にもご出演?中間試験もあったり、両立は大変ですね~。(右脳と左脳をフル回転?)
「アヴェ・マリア」はア・カペラで、文字どおり教会風--教会で聴いているようでした。
みなさんの想いがガンガン?いやジワジワ伝わってくる、すてきな演奏会!でした。