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音楽会三題--かながわアンコン 麻野恵子ソプラノリサイタル 紐育男声東京合唱団第19回20周年記念定演

2012-03-19 05:00:00 | 音楽

<かながわヴォーカルアンサンブルコンテスト>
3月11日(日) 紅葉坂の県立音楽堂で2年ぶりに開催された、かながわヴォー
カルアンサンブルコンテスト(入場料1000円)へ。紅葉坂には新しく紅葉(もみじ、
イロハモミジ)が植えられていた。紅葉坂は、昔(戦前?)カエデが多かったこと
からそう呼ばれるようになったようだ。

審査員;伊集院俊光(指揮者)、江上孝則(指揮者)、片野秀俊(指揮者)

私の一言コメント。(一言ではいいつくせないが・・・・・・。)
( )内は人数、指揮者 【 】内は審査員採点[平均]順位と私の順位

ちなみに審査項目は①発声、②アンサンブル、③音楽性、④その他審査員が
重視した点(各項目25点)となっている。

(ジュニア合唱の部)
27.佐倉ジュニア合唱団(16、戸谷登貴子)【3,3】
 短い曲が2曲だったが、発声、アンサンブル、表情ともよかった。
28.海老名市立海西中学校合唱部(20、清水麻子)【7,10】
 こちらもなかなかよかった。うまく書けないが、やや「何か」が足りないかしらん。
29.厚木市立南毛利中学校(19、石渡雅子)【5,8】
 信長さん編曲のわらべうた。2曲目「ずいずいずっころばし」の方がより表情あり、
 よかった。
30.海老名市立大谷中学校合唱部(中村紀子)不参加
31.厚木市立藤塚中学校(6、なし)【10、9】
 「狩人アレン」という長めの曲。なかなかよかった。パートにややばらつきかな。
32.清泉女学院中学音楽部(佐藤美紀子)【2,2】
 いきなりひきつけられた。めりはりあるデュナーミク、掛け合いがよかった!
33.春日部市立春日部中学校合唱部(20、母壁菜穂子)【6、5】
 2曲目「童夢」は、難しそうだが、よく歌っていた。不思議な魅力。
34.横浜市立緑ヶ丘中学校合唱部(20、根本はるみ)【9,7】
 女声は透明性あり、男声が強い声、なかなかよかった。言葉(日本語、発語)を
 もう少しはっきりと、かな。
35.横浜英和女学院中学高等学校コーラス部ジュニア
  (16、Kevin Strehlow))【8,6】
 外国人の先生(若きチップス先生?)、がぎまたスタイルの指揮。英語の歌2曲。
 2曲目「私をつまずかせるものはありません」(黒人霊歌)はリズム感あり、よかっ
 た。英語うまい。
36.伊勢原市立成瀬中学校コーラス部(18、佐々木裕明)【11,11】
 ちょっと一本調子で音符が見える歌い方。グールドのモーツァルトかな?
37.金沢少年少女合唱団(18、平井保)【4,4】
 アンサンブル重視できれいにまとめた。2曲目コチャールがすばらしかった。
38.小田原少年少女合唱隊(20、桑原妙子)【1,1】
 最初のdim.に泣かされた。休符の微妙な間は楽譜に書けない。後半ではソプ
 ラノパートが強い声を出した。いつもながら発声とその姿勢がすばらしかった。

(男声合唱の部)
39.ロ-ジナ・タコライス・ドヤーズ(12、なし)【3、3】
 指揮なしで、よく歌う。メロディーもう少し出してもいいカナ。
40.桐蔭学園中学校・高等学校グリークラブ(13、小室啓吾)【4,4】
 若々しい声と歌。気持ちよかった。
41.神奈川県立多摩高校合唱部う"ぇん(15、なし)【2,2】
 音叉による音とり。発声がよかった。
42.マルベリー・メールクワイア(12、桑原妙子)【1,1】
 pからmfへのクレッシェンド。fとpの対比。デュナーミクがすばらしかった。
男声合唱の部で私の採点順位は、たまたま審査員3人の平均順位と同じだっ
たが、やや審査員によるバラツキがあるところがおもしろかった。

(フェスティバル部門)
43.富士通川崎合唱団男声部隊(10、加藤雅子)
 名門合唱団。もっとうまくていいハズだが・・・・・・。「ウ」の発音が気になった。




昭和43年からある桜木町ゴールデンセンター(ぴおシティ)


動物園通り


音楽通り


突き当りは横浜成田山


ガス灯記念碑 (日本ガス事業発祥の地)


紅葉坂に出る 県立音楽堂は左へ


紅葉坂にある洋食屋さん


紅葉坂に新しく植えられた紅葉 かなたに横浜ランドマークタワー


金星太陽面経過観察(-明治7(1874)年12月9日)記念碑
昭和49(1974)年12月9日


史跡 神奈川奉行所跡


神奈川県立音楽堂





ロビー 開演前の集合


演奏中の録音、撮影は禁止です


審査員席 ただいま休憩中





<麻野恵子ソプラノリサイタル> 
 信時潔日本歌曲の世界--木下保没後三十年を記念して
 ピアノ;増山歌子

3月16日(金) 木下先生の没後30年を記念して、「信時潔日本歌曲の世界」と
題する麻野恵子さんのリサイタルが開催された。場所は横浜市青葉区青葉台
(東京都目黒区にあらず)のフィリアホール。

フィリアホールは平成5(1993)年青葉台東急百貨店の5階にオープンした音楽
ホールである。私はその4階までは時々行くのだが、フィリアホール(座席数500
席)は初めてだった。いいホールである。近いのでもう少し足を運びたい。

麻野さんは洗足学園音楽大学声楽専攻のご出身。麻野さんを聴くのは初めて
だったが、透明感のあるきれいな声だった(宗教曲のソリストとしてもご活躍)。
木下保先生最後のお弟子さんだとか。

この演奏会で、あらためて日本語は美しい!と思った。母音--なかでも難しい
「イ」はきれい!だった。

[第1部]
1.小曲五章 与謝野晶子歌
 (個人的には)5曲目の有節(4節)歌曲「子供の踊」--1節ずつ変化する表情
 にひきつけられた。
2.短歌連曲 与謝野寛歌
 何回か聴いたことがある曲に、ある日突然おもしろさを発見することがある。長
 めの前奏--(あらためて聴いたら)大胆な音だった。麻野さんと増山さんの演
 奏によって、この曲のおもしろさを再認識させられた。
3.小倉百人一首より
 やまとことばによる歌唱。3曲目「花の色は」は難曲。5曲目「長からん」はまさし
 く古典(古文--私は勉強不足)の世界。
--休憩--
[第2部]
4.小品
 北原白秋と上田敏の世界。ここでも(他の母音に加えて)「イ」がきれい。「夕焼」
 が童謡のようでも芸術的ですばらしかった。
5.沙羅 清水重道詩
 全般的に少し速めのテンポ。ピアノ伴奏と真に一体となった演奏だった。とくに
 「鴉(からす)」は、そのピアノ伴奏とともに「そそっかしさ」あふれる、すばらしい
 演奏だった。

(アンコール)
「めぐりあひて」(紫式部)
--めぐりあひて 見しやそれともわかる間に 雲がくれにし よはの月かな
「いにしへの」(伊勢大輔) 私の大好きな歌が最後に歌われた。
--いにしへの 奈良の都の八重桜 今日九重に匂ひぬるかな

プログラムは、解説が詳しく、大変な「力作」だった。会場には有名なBassなど
洗足の先生方も多かったようだ。

「信時潔生誕125年--全歌曲演奏会」が開かれないかしらん。

終演後、先輩のSさん、Yさんと1時間ほど青葉台の居酒屋で話が弾む。Yさん
が(シーズンスポーツで)馬術をやった話は初めて伺った。それでも帰宅は11
時前だった。





--木下保没後30年記念--(プログラムより)
楽譜 男声合唱組曲「沙羅」改訂版(木下保編曲) 
  (株)音楽之友社6月発売予定
復刻版CD木下保指導による 混声合唱組曲「沙羅」
  木下保指揮、東京放送合唱団、ピアノ木下歌子
  フォンテック11月7日発売予定
慶應ワグネル OB合唱団定期演奏会 男声合唱組曲「沙羅」
  畑中良輔指揮 11月11日(日)練馬文化センター大ホール
生誕125周年・信時潔とその系譜
  花岡千春(p)、栗山文昭(Con)、コーロ・カロス(Co)
  11月23日(金・祝)津田ホール


<紐育男声東京合唱団>
3月17日(土) 冷たい雨。浜離宮朝日ホールにて紐育男声東京合唱団-創立
20周年記念 第19回定期演奏会ーが開催された。

浜離宮朝日ホールは平成4(1992)年にオープンした552席のホールである。
今年、開館20周年を迎える。ここも私は行くのが初めてだった。「青山一丁目」
で大江戸線に乗り換え、「築地市場」へ。

紐育男声東京合唱団は、10年ほど前に一度聴いたことがある。(プログラムで
確認したら)おそらくちょうど10年前の第10回定演ではなかったかしらん。

1.「The Student Prince」指揮;吉川貴洋 ピアノ;前田勝則
 午後1時35分、会場が暗転、下手から一人の男性が中央へ進んだ。あれっと
 思っている間に、両そでから合唱団がばらばらに入場。お互いに握手したり、
 ハイタッチしたり。気がつくと、いつの間にか指揮の吉川さんとピアノの前田さ
 んも入場、「Gaudeamus」が始まった。人数は(約)50人。

 以下、ミュージカル「学生王子」の曲が5曲演奏されたが、(思ったより)大変よ
 かった。紐育男声って、こんなにうまかったかしらん。
 指揮の吉川さんは脱サラ(という言葉も古いが。)から指揮者になった方で、私
 は指揮の天才カラヤンを勝手にイメージしてしまうのだが、その吉川さんの音
 楽性が合唱団に浸透し、音楽がよく流れていた。
 後半、吉川さんが上手(かみて)に移動し、前田さんのすばらしいソロが入った。
 終曲、「March」も、途中から譜面にかじりつきとなったものの、音楽の「転換」
 がよかった。

2.「井上陽水と中島みゆき」指揮;三木宏成 ピアノ;田中理史
(1)夢の中へ(井上陽水)
(2)白い一日(井上陽水)
(3)昔から雨が降ってくる(中島みゆき)
(4)宙船(中島みゆき)
(5)ヘッドライト・テールライト(中島みゆき)
 大学に入学した最初、クラス(経済G組)でそれぞれ自己紹介を行った。誰だっ
 たか「陽水を聴いています」といった男性がいたが、私は「ヨウスイ」を知らなか
 った。中島みゆきでは上記(3)、(4)を聴いたことがなかった。
 一般的にポピュラーステージは難しい。なまじある程度知っているからかしらん。
 --よく分からない。

 それはともかく、指揮の三木さんは立教グリーのご出身。指揮法を北村協一先
 生に師事、とあったが、両手、両膝の使い方といい腰の振り方といい、協一先
 生が指揮しているのではないかしらんと思えるほどソックリだった。また田中さ
 んのピアノもすばらしかった。またお上手になったのではないかしらん。
 合唱は、曲によって出来不出来のバラツキがあったが、個人的には、短調の
 小椋佳作詩「白い一日」のしみじみとした感じが心にしみた。(--もう一度
 聴いてみたい。)
 編曲の源田俊一郎さんにも大きな拍手が送られた。

--休憩--

ワグネルOBの顔も数人見受けられた。昨日はお互いにこの演奏会の話をしな
かった先輩Sさん、Yさんも。

3.前田勝則ピアノ・コレクション~ロシアの煌(かがや)き~
(1)「トッカティーナ」(曲;カプースチン)
 超絶技巧。練習曲だそうである。
 1曲目の後、前田さんのユーモアあふれる、曲の解説が勉強になった。「創立
 20周年でなぜか19回なんですね。プロコフィエフが21歳に書いた『トッカータ』
 ということで、19、20、21に」(爆笑)。
(2)「ひばり」(曲;グリンカ=バラキレフ)
 ゆっくりとした曲。右手が入ってくるところは哀愁がただよった。私の頭にはなぜ
 かロシアの雪原が浮かんだ。
(3)トッカータ(曲;プロコフィエフ)
 これも難曲。作曲家プロコフィエフは、ショスタコーヴィチ同様ピアノがうまかった
 らしい。最後は鳥肌(サブイボ)が立った。大変な拍手。

アンコール メンデルスゾーン「春の歌」--「このままでは多田先生の曲に行く
雰囲気ではありませんので(笑)」
前田さんは「どや顔」をせず、下手に下がった。

4.「花咲ける孤獨」(詩;尾崎喜八、曲;多田武彦)初演 指揮;澤口雅昭
(1)野辺山
(2)車窓(妻に)
(3)木曾の歌(開田高原)
(4)十一月
(5)受難の金曜日(富士川秀郎君に)
 3時5分、合唱団の入場に続き、指揮の澤口さんが客席の拍手の迎えられて
 登場、マイクを握った--この曲は昨年2月、創立メンバーの浜野憲衛さんが
 選んだ15遍の尾崎喜八の詩から5篇に多田武彦さんが作曲されたものであ
 る。尾崎喜八は、(1)は(ごく簡単にいうと--実際は、もっと詳しく、お上手な
 説明だったが。)小海線野辺山駅からの旅の始まり、(2)は夫婦の清く貧しか
 った生活、(3)木曽馬を育て、売る悲しみ、(4)亡父への想い、(5)社会から
 高く評価されない富士川氏(ドイツ文学者)を想って作詩した、というお話があ
 った。

新曲は、いつもながら、多田さんらしい緩急とりまぜた、起承転結のある構成で
すばらしかった。指揮の澤口さんはこの初演を暗譜で振り切った。曲の完成か
ら9か月、パートごとの練習(--とくに内声パート)をじっくり積み上げてきたよ
うに感じられた。オーバーなrit.など恣意的なことはしない、ガッチリした曲作り
だった。終曲後半は、澤口さんも合唱も入魂の演奏でひきつけられた。
このステージではSec.浜野さんお一人が暗譜で歌っておられるのが印象的だ
った。

なお、尾崎喜八の詩は、「悔恨」、「堆積」など漢字(漢語)が出てくるので、プロ
グラムに歌詩を載せた方が親切だったかも。

(アンコール)
・三木さん「春を待つ」
・吉川さん「目を開くと・・・」pf;前田さん (なんていう曲かしらん)
・澤口さん「You'll never walk alone」(でいいのかな?)pf;前田さん、田中さん
最後は盛大な拍手に、すぐさま「You'll never ~」最後のパラグラフを再び演奏
し、終演となった。

もっと下手な合唱団だと勝手に思い込んでいたが、いい意味で(いい方向に)予
想外の演奏会だった。充実感ある打ち上げパーティーになったのではないかし
らん。小雨の中、私は余韻を胸に家路に就(つ)いた。



築地市場プラットホームより


築地市場改札口


出口A2へ


朝日新聞本社ビルへ


そこを通り抜け


エスカレーターで2階へ 案内の方がポーズ


開演前の行列 当日は全席自由だった


こちらも演奏中は撮影禁止


2階席より






※プログラムの折り込みチラシに、6月30日藤沢男声合唱団定演のお知らせが
 あった。(藤沢市民会館大ホール、入場料1000円)
マーラー「さすらう若人の歌」指揮;畑中良輔、ピアノ;黒澤美雪
高田三郎「心の四季」指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則
明治・大正の唱歌集「ふじの山」指揮;吉川貴洋、ピアノ;黒澤美雪


3月18日(日) 雨時々曇り

梅が満開


こぶしはまだ咲かず


こちらは団地祭のコーラス部 楽しそう


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2 コメント

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ありがとうございました (桑原春子)
2012-03-21 11:23:17
先日はアンコン、お聴きいただき、どうもありがとうございました。
また、今回のブログ記事も重ねて御礼申し上げます。

母のPCでは、こちらのブログにお邪魔できないようなのですが、くれぐれもよろしくと申しております。

イギリスより、一言、御礼まで。
返信する
Re;ありがとうございました (katsura1125)
2012-03-21 20:34:16
春子先生、ご丁寧に有難うございます。

桑原先生のパソコンのウィルスチェックではなぜか「危険なHP」と判断されているようです(笑)。

イタリア演奏旅行のご成功を心からお祈りしております。(ヨーロッパはまだまだ寒いでしょうか?)
返信する

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