以下ネタバレあり。
配役が最高でした。
主演のアンソニー・ホプキンス、最初見た時はちょっと年行き過ぎでは…
とも思いましたが、その渋い演技に魅了され、最後は気にならなくなりました。
スーパーマンがおる!!と若き日のクリストファー・リーヴにも感動。
堅物執事の一生を振り返るだけの話なので
ほんと地味で盛り上がりに欠けるお話ですが
なんというか…老いというものを考えさせられる話だなぁと。
一応恋愛物とうたわれているみたいですが
いや、これ恋愛物っていうより人生って感じでしょ。
スティーブンスとミス・ケントンのやりとりは
小説より映画の方が雰囲気が分かりやすい。
この2人似た者同士だわ。
なんか変な所でめっちゃ意地張るし
そこで言う事ちゃうやんっていうタイミングで大切な事言うし
相手の嫌がってる事を強引に押し通すし
思いやりにも欠ける。
くっそ不器用な二人なんだなぁと。
多分二人がくっついたところであんまり上手く行かなかったのでは…
くっつかなかったからこそ、別の未来を描いて過去が美化されている気がするわ。
人生の後悔なんて多々あるけど
やっぱそれを選びたいから選んだ、ではなく
本心はそっちじゃないのに意地や逃げからそっちを選んだ場合
より後悔の色が濃くなるんではないでしょうかねぇ。(ミス・ケントンの結婚とか)
あと人に選んでもらったとか、自分で決めなかったとか
そういう場合も後悔色が強くなるのかもなぁ~、と思った。
しかし、これもすべて結果論なのである。
選んだ先が良い結果でなかったが為に後悔する事になるのであって
選んだ先が良い結果なら多分振り返りもしないんだろうなぁ。
ダーリントン卿が現在はナチスに手を貸した大悪党と言われているが
それも結果ナチスが戦争に負けたからであって
もしナチスが戦争に勝っていたら英雄になってたんだろう。
結局正義は勝ったものによって作られる節があるから
何が正しいかなんてその時は判断つかない。
まぁ、ダーリントン卿は平和を望んでいただけなので
最善と思って動いた結果が最悪の結果に繋がっていたらショックは大きいよなぁ。
何が良くて何が悪いかを判断するのなんて難しすぎるわ。
そういう意味では深くは関わらない、というスティーブンスの姿勢もまた
正解なんかもしれない。
映画の中でも様々な意見が出てくるけど、どれも一理ある…という事ばっかなので
結局どれが正解かっていう判断が非常に難しかった。
人生とはそう言う事の連続の中、取捨選択をして行くものなんだろうなぁ。
さて、小説版のラストでスティーブンスが見知らぬ初老の男と話をするシーンがあるのですが
そこが一番沁みるシーンなのに、映画は見事カットされておりました…
なんでやね~ん!もったいない…
それでもまぁ、人生とは…という事を深く考えさせられるお話でした。
あまり良くない道を進んだとしても、そこから後戻りはできないんだから
そこから道を正す事を考えて行くのが大切だなぁと思います。
何でもそうだけど、自暴自棄になるのが一番良くないからね。
後、人生大分過ぎ去った後、過去を語り合える人がいるのはいいなぁと思った。
多分私は孤独死まっしぐらなので、その頃は一人なんじゃねぇかな~?w
星は3つ。
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