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香柏だより

福岡市東区の香椎バプテスト教会です。
聖書の言葉には、ひとを生かす力があります。
礼拝では手話通訳もあります。

静かに信頼する

2016年01月17日 | 説教要旨
イザヤ30・15~17

70年前の戦中、戦後のことは、幼い時ながら少し記憶がある。〝グラマン、ロッキード〟と口にしていた。〝日本は東洋のスイス〟との言葉も耳にしていた。長じて〝(60年)安保闘争〟に参加した。その後ファントム墜落・エンプラ闘争があった。やがてソ連・社会主義国家は崩壊した。そして東日本大震災と福島原発事故が起こった。そして昨年、安保法案反対のデモ隊が国会前に集った。その70年を私はどのように歩んできたかを思う。

先述のシリア・エフライム戦争の時(前734年)、「王の心も民の心も森の木々が風で揺れ動くように動揺した」。その時、イザヤは王アハズに言った。「気を付けて/落ち着いて、静かにしていなさい。恐れてはなりません。・・・・・・信じなければ、長く立つこと/確かにされることはできない」(7・1~9)。やがて北王国は滅亡した(前722年)。前701年、勢力を回復したアッシリア・センナケリブ王は、エジプトと同盟を結んだユダ・エルサレムを攻囲した。この時、イザヤはエジプトに助けを求める王ヒゼキヤに言った。「立ち返って、静かにすれば、あなたがたは救われ、落ち着いて/穏やかにして、信頼すれば,あなたがたは、力を得る」(30・1~15)。

7・4の「静かにして」と30・15「落ち着いて/穏やかにして」は同じヘブル語(シャカート)で、〝波風の立つことのない安らいだ状態〟を言い、〝静かに横たわる〟〝鳥が巣ごもる〟という意味もある言葉であると言う。アハズ王の時(7章)から約30年経ったヒゼキヤ王(30章)の時も、揺れ動く世界の只中でイザヤは〝人間の思惑や計算に立たず、神の言葉に立ち返り、神に静かに信頼する時,あなたがたは事態を乗り越える力を得る〟と預言したのです。イザヤは反アッシリア同盟に、アッシリアとの同盟に、エジプトとの同盟に反対し,永世中立であるべきだ、と言ったのではありません。イザヤは万物の創造主なる神また世界の歴史をその摂理のうちに支配しておられる主なる神に、私たちが静かに、落ち着いて徹底的に信頼することにより、激しく移り変わる世界にあって、揺らぐことなく堅く立つことを求め、預言しているのです。

36~37章(照Ⅱ列王18~19/Ⅱ歴代32章)には、アッシリア・センナケリブ王の再度のエルサレム攻囲事件が記されている。この時、エルサレムは主の摂理の中に守られた(照37・36~38/Ⅱ列王19・36)。この〝神風〟がエルサレム安全神話を作り上げ、イザヤやエレミヤの預言を聴かず、バビロン捕囚へと進んでいくことになった。「静かに信頼する」ことの難しさを思う。

世界も日本も激しく揺れている。宗教や政治、価値観の違い、経済的格差等、また少子高齢化や老いや死といった様々な問題の中に生きている。いえ、主によって遣わされ、置かれている。その中で、あわてて人の声に付和雷同することなく、少し退き、神の言葉を聞き、歩みたい。或いは老いや死の時に、神の約束を耳にしつつ、自分の生を全うしたい。〝この世の務め いと忙しく人の声のみ繁き時に、内なる宮に逃れ行きて、我は聴くなり主の御声を/主よ、騒しき世の巷に、我を忘れて勤む間も、小さき御声を聞き分けうる、静けき心 与えたまえ〟(讃美歌313番1節、3節)。




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