観光ガイドブックに載せる訳にいかないコラム

管理人「てぃんがーら」が沖縄のニュースを斬る!

実質審議は先送り/普天間協議会初会合

2006年08月30日 | Weblog
 米軍普天間飛行場の移設に関する政府と地元の協議会初会合は、開始予定時刻を過ぎても「主役」の県や北部市町村が現れない異常事態で幕を開けた。(2006年8月30日沖縄タイムス朝刊1面)

 その後も、小池沖縄担当相は会場で額賀防衛庁長官と北部振興策をめぐる文言調整を続け、北部振興策と普天間基地移設のリンクの強弱についての折衝の結果、防衛庁案より婉曲な表現になっている政府案が採用され、ぎりぎりのタイミングで稲嶺県知事と北部四首長が参加しました。
 5月の在日米軍再編に関する閣議決定の際に文案に反対した小池沖縄担当相ですが、今回は雪辱を果たしたという感じです。
 但し、政府案にしろ防衛庁案にしろ、実質は基地建設と振興策はリンクしており、どっちもアメとムチの案であることには変わりありません。沖縄は過去から補助金漬けにされており、アメとムチというより麻薬とムチですね。
 で、実質審議は先送りということで、記事は県幹部が言った「政府との交渉は、参加に向けたチキンレースだった」という言葉で結んでいます。
 確かに結論ありきの、茶番劇のような協議です。知事も首長も、体裁を保ちながら補助金が欲しいのでしょうねえ。こうなったら、体裁をかなぐり捨てて政府に出せるだけ金を出させた方がいいのでは?どうせ、税金なんですから。

県、協議会不参加/普天間代替

2006年08月29日 | Weblog
北部市町村も同調/公室長「環境が整わず」
 米軍普天間飛行場の建設計画や地域振興の在り方を地元と話し合う協議会の発足で、政府は第一回会合を二十九日午前八時から首相官邸で開く方向で調整していたが、県と北部市町村は同日未明、不参加の方針を決めた。(2006年8月29日沖縄タイムス朝刊1面)

 この協議会、内閣府と防衛庁が主宰し、沖縄からは稲嶺沖縄県知事のほか、名護、宜野座、東、金武の四市町村長が参加予定だったものですが、沖縄県側は揃って不参加の方針になりました。
 環境が整わず、というのは政府と防衛庁の思惑が一致していないことによるものです。防衛庁は北部振興策を工事の出来高制にしようとしており、政府は基地と補助金をなるべく切り離したいというわけです。
 出来高制というのは、反対によって基地建設がストップしたら補助金もカットするよ、ということです。まさにアメとムチ。これに沖縄側は反発しているのです。
 ところで最近、防衛庁の独走が過ぎるように感じます。守屋事務次官は二十八日の定例会見で、辺野古に造られる基地には普天間にある航空機以外の離発着もありうると発言しました。
 滑走路がいつのまにか1800mに延びてしまったのも、他の基地から飛来する航空機があるからなのです。
 本日の沖縄タイムス紙は、続けて『守屋次官は「日本防衛のために米軍が必要なもの(航空機)がやってきたときに『小型の航空機しか認めない』という話にはならないと思う」と述べ、有事の際には米軍の意向が優先されるとの考えをにじませた。』と報じています。要は、政府が約束しても、米軍優先だよ、ということです。
 であるなら、離陸着陸でV字を使い分けてね、という約束が根底から覆されます。それでも、倍の金をかけて滑走路2本造る意味はあるのでしょうか?
 ただ、ただ、基地ありき、米国べったりの防衛庁に非常な不安を感じます。

周辺3市町が抗議/照明弾誤射

2006年08月27日 | Weblog
 米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が嘉手納、北谷両町にまたがる米陸軍貯油施設上空で二十五日午前、訓練用照明弾(フレアー)を誤射した問題で、両町は同日午後、「一歩間違えば大惨事を招く恐れがあった。再発防止策の徹底を求める」とする抗議文を基地司令官あてに送付した。(2006年8月27日沖縄タイムス朝刊1面)

 昨日の夕刊で掲載された照明弾の続報です。沖縄タイムスの朝刊には、昨夕の琉球新報に掲載されたものと同じ写真が載りました。
 誤発射された照明弾はフレアーといって、高温を発して敵のミサイルを誘導、誤爆させるものだそうです。照明弾は国道58号線沿いの米軍施設内に着弾したそうですが、ほんの少し場所がずれれば国道を走行する車両に当たったかも知れません。
 照明弾は燃焼温度千度以上になるものもあるそうで、着陸直前の低空から発射された照明弾が車に直撃したら、大惨事になるでしょう。
 この事故を起こした戦闘機、引き続き訓練で飛行したということで、さらに住民の怒りが広がっています。
 米軍にとって、周辺住民の安全よりも訓練スケジュールの方が重要なんですねえ。

F15、照明弾誤射 国道58号隣接地 嘉手納

2006年08月25日 | Weblog
 米空軍嘉手納基地から連絡を受けた那覇防衛施設局によると、25日午前11時ごろ、F15戦闘機一機が、訓練から嘉手納基地に戻ってくる際、機体からフレア(訓練用照明弾)が落下し、米陸軍貯油施設(桑江ファーム)の芝生約25センチを焦がした。(2006年8月25日琉球新報夕刊1面)

 琉球新報の夕刊1面トップ写真入りでF15の事故を報じています。写真は新報だけで、沖縄タイムス紙は社会面で写真無しで掲載しています。
 2機のF15が着陸態勢に入り、ギアを出しながら低空飛行しているのですが、奥の1機の後方からオレンジに燃える照明弾が発射されています。読者の投稿だと思いますが、決定的瞬間の写真です。操縦士の表情も分かりそうな写真です。
 照明弾は道路を挟んだ貯油施設の芝に落ちたということですが、もし石油タンクの上に落ちたらどうなっていたのか気になる所。
 米軍はよく部品やら補助タンクやら落としますが、期待の整備、操縦士のマニュアルはどうなっているのでしょうか。民間機だってこんなに部品は落とさないですよ。幸い今回は何の被害もありませんでしたが、これが落ち場所が悪かったら大惨事にもなりかねない事故です。再発防止を望みます。

複数の危険除去策検討/防衛次官

2006年08月22日 | Weblog
 防衛庁の守屋武昌事務次官は二十一日の定例会見で、米軍普天間飛行場の移設をめぐって県が提案している暫定へリポート案について、代替施設ではなく危険性の除去策の一環として、政府と地元でつくる協議機関で議論する考えをあらためて強調した。(2006年8月22日沖縄タイムス朝刊2面)

 守屋事務次官はこういいながら、新たに協議することは難しいという意向を述べています。まあ、そうでしょうねえ。何もしなかった県が泥縄で出してきた案なのですから。事務次官は、理由として、日米協議の際に県からの提案が無かったこと、移転先の周辺市町村の了解が得られていないことの二点を挙げたということですが、少なくとも暫定ヘリポート案についてのこの指摘は当たっています。
 暫定ヘリポートにこだわるのではなく、何も国会での議論も無く決まった辺野古V字滑走路の是非について、国民投票を実施させる位の戦略が欲しい所です。

普天間移設 協議機関月内開催も

2006年08月19日 | Weblog
 額賀福志郎防衛庁長官は十八日午後、島袋吉和名護市長と名護市のホテルゆがふいんおきなわで会談し、在日米軍再編に伴う普天間飛行場移設に関する協議機関を早ければ八月中に、遅くても九月初旬に開催したい意向を示した。(2006年8月19日琉球新報朝刊1面)

 協議機関とは、政府が進める普天間基地の辺野古移転をどのように進めるかという協議をする機関です。中間報告のときもそうでしたが、政府は既成事実を積み上げ、詰め将棋のように地元を追い詰めようとしています。
 このような協議機関には、県は新たな基地建設を反対する立場であれば参加することすら拒否するべきだと思います。しかしながら、常に政府の後塵を拝し、世論の構築もできなかった県は、自ら思いつきで出した「暫定ヘリポート」を議題に加えることを条件に協議に参加するということになったのです。
 本日の沖縄タイムス朝刊では、稲嶺知事は協議機関の参加について「同意ととられては困る。十分な発言の場が与えられることが必要」と述べたことを伝えています。 政府にしてみれば、「暫定ヘリポート」など全く眼中に無く、県を協議機関に参加させることができれば、協議は成立できると踏んでいるわけです。同意しようがしまいが「県が参加した協議機関の結論」が欲しいのです。

 沖縄の基地は全て銃剣とブルドーザーによって接収されて造られました。住民は強制的に立ち退きさせられたのです。
 もし、県が新しい基地の造成を同意したとなると、沖縄の歴史上初めて、自ら基地を認めたということになります。
 稲嶺知事の良識が問われます。
 

県の暫定案も議論/普天間代替施設

2006年08月18日 | Weblog
政府、「V字」は堅持/県に提示
 防衛施設庁の渡部厚施設部長は十七日、県庁で牧野浩隆副知事と会談し、米軍普天間飛行場の移設計画などを政府と地元が話し合う協議機関について、県が提案している暫定ヘリポート案も議論の対象とする考えを伝えた。ただ、キャンプ・シュワブ沿岸部にV字形滑走路二本を建設する政府の代替施設案は変更しない方針。(2006年8月18日沖縄タイムス1面)

 政府、県ともに面子のゴリ押ししているという状況です。
 政府の言うV字型滑走路は、辺野古海上案は中間報告で変更もありうると国内には言っておきながら、結局時間だけを浪費し、地元の民意も得られないまま米国の言いなりに代替基地を設置しようとするもの。離発着を別々の滑走路を使うことによって地元の騒音被害に配慮しようというわけです。閣議で何の議論も無く、突然滑走路2本=滑走路建設費2倍の案が出てきたのも驚きですが、そもそも沖縄の負担軽減と言っておきながら、恒久化となる基地を新設する、しかも滑走路2本という表面上地元に配慮、実態は米国におもねるだけの案に県は反対の姿勢を崩していないわけです。
 そもそも、タッチアンドゴーという、一旦着陸し直ちに離陸するという訓練の場合、どうするのでしょうか。それ以前に、日本との協定を過去米軍が守って来たのでしょうか。

 一方、県の暫定ヘリポートというのも付け焼き刃的な案で、県知事が出した窮余の策なのです。これは、基地の県外移転という運動を具体的に推進し、内外にアピールし、世論を盛り上げることができなかった県が、政府の案に押されて思いつきで出してしまった対策案といった感じです。いまさら引っ込めることができず、固執するしかないようです。

 本来、米軍の再編にあって、日本はどのように関わっていくか、非常に重要な局面であったはずなのに、普天間基地の辺野古移転という問題にすり変わっています。
 問題が極小化するにつれ、在沖米軍のありかたという大きな課題が先送りにされていきます。そして、基地移転、基地新設の数兆円という金だけは、我々の税金から出て行きます。

普天間ヘリが夜間旋回訓練/市民から苦情

2006年08月17日 | Weblog
 十六日午後九時四十五分ごろから約十五分間、米軍普天間飛行場所属のCH46ヘリ二機が住宅地上空で旋回訓練を実施した。タッチ・アンド・ゴーを繰り返し、夜間の住宅地に爆音が響きわたった。騒音防止協定で禁止されている同十時五十分ごろにも、同型機の飛行が確認された。(2006年8月17日沖縄タイムス夕刊5面)

 普天間に米軍ヘリが墜落してから2年、最低限必要な訓練のみ実施するとの約束も反故にされ、普天間では日夜にわたってヘリの爆音が響きわたっています。
 さらに気になるのはCH46の老朽化。このヘリはベトナム戦争時代の一九六〇年代から七〇年代初頭に配備されたもので、開発から四十年以上が経過していることから、性能や安全性への不安も指摘されています。
 再び、事故が起きないかと住民は不安になっています。
 住宅地の真ん中にある普天間基地での惨劇が起きないうちに、基地の早期撤去をしてもらいたいものです。

沖国大本館に1億4000万円/ヘリ墜落で賠償

2006年08月08日 | Weblog
 二〇〇四年八月に宜野湾市の沖縄国際大学で起きた米軍ヘリ墜落事故について、政府が事故現場の本館(一号館)の賠償として一億四千万円を今年三月末に支払っていたことが七日、分かった。(2006年8月8日沖縄タイムス朝刊26面)

 今日はウークイ、お盆でこの世に帰ってきている祖先をあの世にお送りする日です。各地でエイサーの道ジュネーが行われます。
 タイムス紙の社会面に、2年前に普天間に墜落した米軍ヘリによって被害を受けた沖国大に対する賠償が終わったという記事が載っていました。那覇防衛施設局によると、プレハブの仮校舎の建設やそのほかすべての賠償を合わせると、二億五千九百万円に上るとのことです。
 日米地位協定によると、米軍が起こした事故の賠償金は日本政府が立て替え、その7割を米軍に請求できるそうです。ところが、米軍は支払ったことが無い、というか日本は請求すらしたことがないと聞きます。
 ということは、この二億五千九百万円は全て日本国民の税金から支払われるわけです。岐阜県職員組合での裏金が問題になっていますが、この日本が払う損害賠償金については何の話題にもなっていません。同じようなことであると管理人は思うのですが・・・。

劣化ウラン弾、嘉手納基地に40万発 情報公開で明らかに

2006年08月02日 | Weblog
 2001年当時、米軍嘉手納基地に約40万発の劣化ウラン弾が貯蔵されていたことが、米情報公開法に基づき米空軍の公開した資料で明らかになった。沖縄の劣化ウラン弾については2000年5月に嘉手納基地の米空軍第18航空団司令官が嘉手納弾薬庫内に貯蔵していることを明らかにしたが、具体的な保管数が明らかになったのは初めて。(2006年8月2日琉球新報 夕刊1面)

 本日の新報、夕刊に気になる記事が載っていました。嘉手納弾薬庫は広大な敷地ですから、核だって隠されていたって分からないはず。劣化ウラン弾くらい当然ありそうです。
 劣化ウランとは、核燃料に使われるウラニウムを取り出したあとのウラン金属です。この金属自体は何の危険性もありません。
 ところがウラン金属は質量が大変に重く、鉛の約2倍の重さがあり、この特性を利用して砲弾の弾頭に使うようになったのです。従来、タングステンを使用していたのですが、いわば産業廃棄物から作られた金属ですから、1/10位のコストで弾頭が作れるのです。鉛より質量がある金属ですから、破壊力は増します。
 問題は砲弾が爆発する時に、劣化ウランが燃焼し、酸化ウランという微細な粉末となって飛び散ることです。これを人間が吸い込むと、脳障害や甲状腺異変といった症状に襲われます。
 記事によりますと嘉手納基地では、劣化ウランの取り扱いには安全確保しており、訓練では使用していない、ということです。
 しかしながら劣化ウラン弾が訓練で使われるとしたら大問題です。米軍が地元の環境に配慮するとは到底思えません。今後もしっかり監視していく必要があります。