観光ガイドブックに載せる訳にいかないコラム

管理人「てぃんがーら」が沖縄のニュースを斬る!

辺野古飛行経路 拡大ならアセス見直し

2010年08月25日 | Weblog
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる日米間の協議で、米側が飛行経路の大幅変更を主張していることが24日、分かった。政府は従来、代替施設ではV字形に配置した2本の滑走路を使い分け飛行経路を海上に収まるよう設定するため、騒音などの影響は基本的に集落には及ばないと説明してきたが、米側は「運用実態と合わない」としてより陸地に接近するルートを明示するよう主張しているという。(2010年8月25日沖縄タイムス朝刊1面)

 何をいまさら、という政府の対応です。航空機について多少なりとも知識がある方ならば、着陸専用・離陸専用の滑走路など現実には運用できないことぐらいすぐに分かります。航空機は離着陸は向かい風で行います。横風になるときは離着陸ともに危険で、風速によって制限がかかります。V字型滑走路は横風を回避する最も効果的な滑走路配置です。その、風を無視して、こちらは着陸専用、そっちは離陸専用としたところで、実際の運用では全く無意味なことです。
 政府はそんなことも知らずに(知っていたかもしれませんが)滑走路をV字にして離陸・着陸を分ければ騒音はひどくなりませんよって説明をしてきたわけです。
 でも米軍はタッチアンドゴーという、着地後直ちに離陸するという訓練も行います。こうなると「専用」などということ自体が無意味です。
 そもそもこのV字滑走路は、住民を丸め込めようとする苦肉の策というか、詭弁のような代物でした。しかし、実際に運用する側にとっては、一本の滑走路に比べ、横風対策になるし使い勝手の良いものであるわけで、反対する理由はありません。また建設推進側にとっても、一本から二本と単純に言っても二倍の建設費用で請け負えるわけで、これも大歓迎でしょう。だから、45度のV字ならともかく、10度や20度の角度で二本の滑走路を造ろうとしているのです。
 それがここに来て馬脚を現したのですね。
 米側は日本政府の飛行経路の説明を「通常のルートではない。われわれは了承したことはない」とし、新たな経路を提示した、ということですが、米側の言い分の方がもっともであると思えます。
 防衛省の前田哲報道官は「米側にも配慮を求めていくのは当然」としていますが、現実を見ている沖縄県民としては「米軍の配慮」などというものが幻であることを良く知っています。