観光ガイドブックに載せる訳にいかないコラム

管理人「てぃんがーら」が沖縄のニュースを斬る!

県の暫定案も議論/普天間代替施設

2006年08月18日 | Weblog
政府、「V字」は堅持/県に提示
 防衛施設庁の渡部厚施設部長は十七日、県庁で牧野浩隆副知事と会談し、米軍普天間飛行場の移設計画などを政府と地元が話し合う協議機関について、県が提案している暫定ヘリポート案も議論の対象とする考えを伝えた。ただ、キャンプ・シュワブ沿岸部にV字形滑走路二本を建設する政府の代替施設案は変更しない方針。(2006年8月18日沖縄タイムス1面)

 政府、県ともに面子のゴリ押ししているという状況です。
 政府の言うV字型滑走路は、辺野古海上案は中間報告で変更もありうると国内には言っておきながら、結局時間だけを浪費し、地元の民意も得られないまま米国の言いなりに代替基地を設置しようとするもの。離発着を別々の滑走路を使うことによって地元の騒音被害に配慮しようというわけです。閣議で何の議論も無く、突然滑走路2本=滑走路建設費2倍の案が出てきたのも驚きですが、そもそも沖縄の負担軽減と言っておきながら、恒久化となる基地を新設する、しかも滑走路2本という表面上地元に配慮、実態は米国におもねるだけの案に県は反対の姿勢を崩していないわけです。
 そもそも、タッチアンドゴーという、一旦着陸し直ちに離陸するという訓練の場合、どうするのでしょうか。それ以前に、日本との協定を過去米軍が守って来たのでしょうか。

 一方、県の暫定ヘリポートというのも付け焼き刃的な案で、県知事が出した窮余の策なのです。これは、基地の県外移転という運動を具体的に推進し、内外にアピールし、世論を盛り上げることができなかった県が、政府の案に押されて思いつきで出してしまった対策案といった感じです。いまさら引っ込めることができず、固執するしかないようです。

 本来、米軍の再編にあって、日本はどのように関わっていくか、非常に重要な局面であったはずなのに、普天間基地の辺野古移転という問題にすり変わっています。
 問題が極小化するにつれ、在沖米軍のありかたという大きな課題が先送りにされていきます。そして、基地移転、基地新設の数兆円という金だけは、我々の税金から出て行きます。