「ねえ、おかあさん、これなあに?」
おれこが森で、たまごをみつけたよ。
水色の、とてもきれいな、たまごよ。
「そっかあ、とりさんの“たがも”かあ!」
そう、とりさんの、たまご。
風で落ちてしまったのかな?
さらわれてしまったのかな?
「だれの“たがも”なのかなあ?」
多分、ここは海じゃないから、「ムクドリさん」じゃないかなあ。
この大きさの青い卵を産む鳥は、ムクドリのほかに2種類あるんだって。
ひとつは海の近くに住む「イソヒヨドリ」というのだけど、埼玉には海がないもんねえ。
いまひとつは外来種の「ガビチョウ」。でもこの鳥はこの森では見かけないもんねえ。
アカハラか、シロハラに似た鳥がいるけど、もしかしてガビチョウと勘違いしていたのかな。
かわいそうだけど、自然の世界は、とっても厳しいんだよね。
またいつか、生まれてきたらいいねえ。