犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

朝4時に起きる女。

2012年05月08日 | おせわがかり日誌


「おうちゃんは、ゆっくりねむりたいのよ~」


最近早起きだ。

遅く寝ても早起きだ。

ものすごく早起きだ。

どのくらいかといわれれば、そのへんの老人にはちょっと負けないくらいの早起きだ。

理由はふたつ。






「だけどなんだか、ねむれないのよね」


ひとつには、寝室の、朝陽の入る小窓のブラインドを、あげっぱなしにしているからである。

丑三つ時を過ぎると、ゆっくりゆっくり明るくなり、やがてまっすぐ部屋に日がさしてくる。

はじめ弱かった白い光は少しずつ力をもって、金色を帯びた輝きになる。

この感じが最近、好きなのである。

ちなみにベランダのカーテンは閉めている。

全部開けるのはさすがに落ち着かない。

これまでここ20年ばかり、あまりに不規則な生活をしてきて、狂いっぱなしの体内時計を調整中である。

それがまた心地よいのだけども。

それもこの季節だからだろう。

いくらすがすがしくても、やっぱり冬にはできんと思う。





「おれこはね、もうちょっと、ねむりますからね」


いまひとつの理由は、目覚めの気配を悟った瞬間、不眠症気味の犬が、嬉々として起こしにくるのである。

しっぽをぶんぶんと振ってね。

数日前までひとつの布団にくるまって一緒に寝ていたものを、ここのところどういうわけか、

別室で睡眠をとるようになったおれこである。

日中はなんとなくぐったりしているような風で、ごはんも少し残したり。(好きなおやつは食べるけど)

毛深い娘は人知れず、暑さにやられているのだね。

おかあさんも夏や暑さは大嫌い。

かといって冬も好きではないけど。

なんといっても春と秋だね。

どっちかというと春だね。

とかいいつつ、夏になると、冬のまるで刺すような痛みの冷たい空気の朝が好き、なんてことを平気でいうのだね。

まあ、しょせん、私なんぞ、そんなもんだ。

ね、おれこ。

あ。

話がそれた。





「むくり。」


というわけで、二度寝しようとしても、状況がそれを許さないのである。

昨日も、朝4時過ぎに起きて、4時半には散歩に行った。

夜中の散歩もそうだけど、人がいない町、犬のうれしさは「倍率ドンさらに倍」だ。

うきうきうき、という言葉が聞こえてきそうな、背中そして歩き方である。

でもって、神社で太極拳をしているじいちゃんに、びくん!とびびって、やだやだ帰ろう帰ろうよ、である。

好きなじいちゃんもいるし、好きなばあちゃんもいるが、いやなじいちゃんもいるんだね。

早朝神社の太極拳、なにがいけなかったんだろう。

毛深い娘は、はあはあぜえぜえ、心拍数をあげて逃げる。

「あんた心臓病なんだから、すぐに焦るのやめなさい、あのじいちゃんはなんでもないよ」

といったところで、おれこに通じる気配なし。

でもさ、実はさ、おれこが恐れるただならぬ理由のとおり、実はじいさんが腕のいいスナイパーだったりしてね。

・・・なわけないだろう。




「おうちゃんの、あんよ、おいしいわのよ~」


朝夕はまだ冷え込むけれど、日中の暑さは初夏のそれ。

しかしさ、今だに冬の格好(Tシャツ・トレーナー・厚めのスエット下)で寝ている夫をみるにつけ、どうよあれ?と思う。

今は毛布1枚だが、それだってもこもこしている冬仕様の毛布だし、つい最近まではその上に羽毛布団をかけていたのである。

信じられないわー。

4月に入ってすぐ早々とTシャツ1枚(下は薄手のパジャマ)となり、

タオルケットと薄手のブランケットだけ(現在はブランケットなし)で寝ている妻のあたくしとは、まったくもって対照的である。

まあ、私の場合、「あんた夏はどうすんのよ?」って感じなんですけどさ。

もう、脱ぐものがないやね。


(・・・あすにつづく)