「わーい」(じゃぼーん)
おれこは怖いものが多い。
だから散歩では、あっちは歩けない、そっちは行きたくない、などと、
「怖いものやだやだ」のこまったちゃんだけど、自然は大~好き。田舎、だーいすき。
(東京出身なのに、都会が大嫌いなんだからねー。)
冬の間「川を見たらどんなふうになるかな?」は、私たち夫婦の間でよく語らったこと。
いろいろ想像して、ああでもない、こうでもない、というのが楽しかった。
というわけで「ね、春になったら川へ行こうね」と、家族の間で約束ができた。
「ちべったーい、きもちいー」
春になった。
人間には心地いい季節だが、毛だらけのオレコにはちょっとしんどい季節らしい。
冬よりあきらかにテンションが低い。なんかぐったりしていて、覇気がない。
「この暑がりぷりなら水に入っても大丈夫なんじゃないかね」というわけで、GWは川あそび。
川へ行く前にいつも行くうどんやさんの庭の席を借りて、おれこ連れで昼食。
最初は楽しそうだったのだが、山のほうから、銃声のような、花火のような大きな音が聞こえて、パニックに。
一度きりではなく、断続的に音が鳴り、しかもずっとやむ気配がない。おれこは帰る帰る帰る、と騒ぎ出す。
ああ、これはだめかもしれない。一気に暗いムードになったのだが、じゃあまず山に登ってみましょう、ということになった。
人が少なくて静かな山で、日本古来の山里の風景が広がる。
不思議だけど音のある位置が下になると、あんなに町中にとどろいていたのに、音はほとんど聞こえてこなかった。
おれこは次第にリラックスしてきた。涼しい森に入り、誰もいない山道を、三人で歩く。
人間は汗だく。しかし犬の足は軽い。四足の強みでどんどん先を急ぐ。人間はその速さに息切れ。
時折、滝の音がして、オレコと夫が見に行った。足元も悪く、山深そうなところだったので私はよした。
帰ってきたときのオレコの目はきらきらしていた。
「なんてたのしいんだろう!なんてたのしんだろう!」
その状態のまま、川へ向かった。初めての川。結構、川音も大きい。雨の影響で勢いもある。
どうかなあ?怯えてるかしら?と思って顔を見てみると、さっきよりもっと、にっかにっかである。
「わーい」という笑顔になって、じゃばじゃば入った。
前足で深さを確かめながら、ざぶざぶ、と、元気に歩いてた。
これは夏になったらざっぶーん、と、飛びこんで、もしかしたら泳ぐであろう。
それがGW前半のできごと。半日程度の出来事だったけど、楽しかった~。
GW中日の平日は二人とも仕事だったので、後半はどう過ごそうかと夫に相談したら、
「あんまり楽しそうだったから、もう一度、川に行こうかね」とのことだった。即同意。
こないだと同じ場所へ行ったんだけど、違う川に行った。そこでのスナップが上の写真2点だ。
「ねえ夏になったらさ、海に行こうかね」
今、夫婦の間ではこの話が楽しい話題。
海をみたらおれこどうなるだろうか。怖いっていうだろうか。
なんだか大丈夫な気がする。