歐亞茶房(ユーラシアのチャイハナ) <ЕВРАЗИЙСКАЯ ЧАЙХАНА> 

「チャイハナ」=中央ユーラシアの町や村の情報交換の場でもある茶店。それらの地域を含む旧ソ連圏各地の掲示板を翻訳。

“3.1”サイバーテロ事件と、バルナウール韓国人留学生殺人事件に対するロシア人の反応(3)

2010-03-29 00:09:50 | ロシア関係
→(2)からの続き

とはいえ、前回引用した韓国の新聞記事の内容だけでは、この事件が本当に人種主義に基づいた犯罪かどうかはっきりしないのも、また事実です。

まず、被害者の留学生がその町に長く住んでいるのだとしたら、加害者と被害者の間に怨恨なり何なりのトラブルがあった可能性も有り得る訳で。

一緒にいた韓国人の女子留学生が“まったく被害にあっていない”というのも気になりますね。あちらのネオナチは、非白人は老若男女に関係なく標的にしているというのが専らの噂ですから。

件のスレでも、その辺りのことについて疑問が出ていました。

---------------------------------------------------------------
50 : 紙やすり(アラバマ州)[]:2010/02/19(金) 15:56:45.17 ID:dT9c91Yl
人種差別犯罪とかじゃなくて、 単にこの韓国人の男がロシア人たちを怒らせる様な態度とったんじゃないの?


55 : ばくだん(東京都)[]:2010/02/19(金) 15:57:57.99 ID:c4ok50gS
×人種嫌悪
○韓国嫌悪



190 : コイル(東京都)[]:2010/02/19(金) 17:12:26.99 ID:yPwujX4B
本当に人種差別主義者の犯行なら韓国女も殺しているはず 韓国男だけ殺しているって事は普段から素行が悪くてトラブル抱えてたんだろ 韓国人は横柄で人を馬鹿にしたような態度取るし


217 : 集魚灯(福井県)[]:2010/02/19(金) 17:26:38.00 ID:rlS9r88E
まあ仕事を奪われてるからな 外国人に だからやるんだよ 政府が悪い


325 : 画用紙(山形県)[]:2010/02/19(金) 20:23:29.76 ID://yySHWa
有色人種への憎悪なのかそれとも韓国人だけに対する憎悪なのか気になるな


373 : ばくだん(千葉県)[]:2010/02/19(金) 22:46:31.06 ID:7Pi9dqhC
>一緒にいた女子学生は何の被害も受けなかった。
紳士だな


374 : ガラス管(群馬県)[sage]:2010/02/19(金) 22:49:13.44 ID:G+BOOdeR
 えっ、これ個人の怨恨じゃねえの? 人種差別ならなんで一緒にいた女性は無事だったのよ


401 : パステル(関西・北陸)[]:2010/02/20(土) 04:09:45.55 ID:pz5KAY0b
嫌いな民族でも女には手を出さない どことなく紳士だな 子供や老人も襲わないのかもしれん


 428 : ミキサー(大阪府)[]:2010/02/20(土) 12:53:48.15 ID:Qsly5VFm
一緒にいた女子も韓国人で襲われてないんだったら 人種差別ではなくて個人憎悪じゃん。 まあ、かの国の人なら嫌われてる人が多そうだがな。

--------------------------------------------------------------


それと、モスクワやサンクト・ペテルブルクみたいな大都市ではなく、バルナウールのようなシベリアの地方都市でそういう事件が起きたというのも、個人的には少々意外に感じたのでした。

例のスレにもこういう↓指摘がありましたが、

-------------------------------------------------------
36 : 便箋(アラビア)[]:2010/02/19(金) 15:54:13.02 ID:bUcUdw08
カザフスタンに近いなら、アジア系には違和感無いと思うけど それでも襲われるなら、振る舞いが悪かったかどうかしたのかもね

--------------------------------------------------------


カザフスタンに近いのみならず、アルタイ山脈にも近い。バルナウールは行政単位としてのアルタイ地方の中心都市なのですよ。“アルタイ”というのはあの“アルタイ諸語”の“アルタイ”です。

そもそも“バルナウール”という地名もテュルク系かモンゴル系の言語に由来するとされており、全然スラヴっぽくない。

我々にとっての北海道の地名と同じで、ロシア人たちは普段はあまり意識して無いでしょうが…。

アルタイ山脈の山側の方には、テュルク系の言語を話し、モンゴロイド風の容貌を持つ原住民族の“アルタイ人”が今なお住んでいます。

まあ、ロシア語版wikiに載っていた統計によれば、町の人口の9割以上をロシア人・ウクライナ人などのスラヴ系が占めるとのことで、町そのものは“ロシアの町”なんですけどね。でも、上述のアルタイ人や中央アジア方面からやってきた人々なんかも昔からよく行き来しているわけで、モンゴロイドに対する違和感なんてないでしょう。

管理人もあそこには何度か寄ったことがありますが、別に嫌な目に遭ったことなど一度もありません。それは他のシベリアの町でも同じなのですが。

この事件について、現地のメディアはどう報道したのでしょうか? あちらのニュースサイト“Politsib.ru”に、もっと詳細な記事がありました。

----------------------------------------------------
「バルナウールにおける韓国人襲撃事件の容疑者は、地元の大学生3人組」
原文:В нападении на корейцев в Барнауле подозреваются трое студентов местных вузов
http://politsib.ru/news/?id=40655

2010年2月24日 アルタイ地方の検察庁捜査委員会・捜査局の副局長オーリガ=チェスノコーヴァが“ロシスカヤ・ガゼータ”紙に伝えた情報によれば、韓国人留学生に対する襲撃事件の容疑者として、3人が逮捕されたという。

 一方、2月22日には、バルナウールにて犠牲となったキョン=ビョン=ギル氏の告別式が行われた。葬儀には、犠牲者の両親に韓国総領事館の領事スィン=キュー=ホー氏、アルタイ国立教育大の学生と教職員、カトリック教会の代表が参列。他の韓国人留学生の一団は、2月23日に母国に向けて出発した。

キョン=ビョン=ギル氏にまつわる悲劇は、先週のバルナウールで最も論議を呼ぶ話題となった。

そう。あの2月15日の晩、外国人留学生の男女が3人の何者かに激しく殴打された事件である。

しかも、この事件が起こったのは郊外の辺鄙な路地ではなく、往来の盛んな通りなのだ。通りの傍には、スポーツ宮殿、プール“オビ(この地域を流れる川の名前)”、アルタイ国立大学の施設の一つ、学校(ロシアの公立学校は基本的に小・中・高が一緒)などがあった。

襲撃の際、女性の方が頭を殴られたのに対し、男性の方は激しく殴打されたのみならず、ナイフで沢山の箇所を刺されていた。管脈専門の外科医からなる医師団は、頭部に重症を負い、出血多量の状態にあった21歳の若者を5時間かけて手術。彼らは最善を尽くしたものの、望ましい結末に至る見込みは薄かった。2月18日の朝、キョン=ビョン=ギル氏は息を引き取ったのである。

昨年の秋にアルタイ国立教育大学とクヴァンジュ(=光州)国立師範大学の間で結ばれた学術協力に関する相互協定にしたがって、アルタイ地方の中心都市に韓国人の学生らがやってきたのは、2010年の1月末だった。このプログラムは2月の23日までということになっており、参加した若者たちの数は全部で20人。

その運命の日、キョン=ビョン=ギル氏とそのガールフレンドは気分が悪いといって講義には出席せず、学生寮に残っていた。しかしながら、夜になると、彼らは一行の滞在を世話していた責任者らに黙ったまま散歩に出かけ、あるレストランで夕食をとることにしたのだった。

“私たちは、留学生たちに警告していたのですよ。まだロシア語の知識が浅い以上、(現地人の)付添い人無しで町を歩き回ってはいけない、と。何らかのトラブルに巻き込まれてはいけませんから。”

アルタイ国立教育大学内の言語大学学長、エドゥアールト=クルリャーント氏はそう言って嘆いている。

“起こったこと全てが、教育大内に衝撃をもたらしました。というのも、我らが客人たちと本学の教職員や学生との間には非常に温かく、友好的な関係が生まれていたからです。”

この外国人留学生の殺害により、地域社会では多くの問題が意識されるようになった。 地方庁舎の建物から400メートルの、まさに町の中心で、どうしてこのような事件が起こりうるのか?

警察は、何故これまで犯罪を抑止するような策を講じてこなかったのか?(犯罪が起こった場所は、住民の間では以前から悪い評判があった。)

犯罪が起きてから一週間もの間、どうして当局のお偉方は事件の原因について発表しないのか?

ネット上の掲示板では、この事件を恥かしく思っているという反応が圧倒的に多い。

ところで、韓国人の学生らと付き合いのあったアルタイ教育大学の学生の一人が、“ロシスカヤ・ガゼータ”紙に語ったところによれば、

“(韓国人たちは)ある時、それとなくですが、うちらの町(=バルナウール)は良い町だけど、夜出歩くのはちょっと怖い、みたいなことを言ってましたね。”

また、アルタイ国立教育大学内、言語大学のアレクサーンドラ=スョ-ムキナ講師は、

“韓国人学生を相手にした最初の授業で、<熊が通りをうろついている>といった類の、彼らの意識内にある我が国についてのステロタイプを消し去るよう努めました。”

と、思い出しつつ語る。

“この計画のために、同僚たちはどれだけ頑張ってきたことか.....”

キョン=ビョン=ギル氏とそのガールフレンドは、現実には熊と出会うことはなかった。

その代わり、人でなしに遭遇したのである。

事件の捜査は警察が担当していたが、その後はアルタイ地方の検察庁捜査委員会・捜査局が引き継いだ。

2月18日、3人の容疑者が逮捕されたが、何とその全員が地元の大学生だったのだ!

検察庁捜査委員会・捜査局は2月の終りまでに彼らを起訴しなければならない。捜査グループは、殺人の動機についていくつかの説を検討しているが、その中には民族的なそれも含まれるという。

なお、韓国総領事館のスィン=キュー=ホー領事が“ロシスカヤ・ガゼータ”紙に明らかにしたところによれば、こうした事件が起こってしまったものの、2つの大学間の協力関係は続けていかなければならない、とのこと。

“我が同胞の非業の死は、このプログラムの組織者にとっても、両大学の当局にとっても、また彼の両親や韓露双方の友人たちにとっても、深刻な打撃となりました。しかしながら、それが教育的な教育的、文化的な接触、それにさらなる協力的プログラムが中止される理由となってはいけません。”

このプログラムの第二段-バルナウール教育大側の教職員や学生らによる韓国訪問は、 2010年の秋に行われる予定となっている。

------------------------------------------------------


なるほど。 この韓国人留学生たちは、“留学”と言うよりは、元々1ヶ月程度の滞在予定でやってきた“語学研修生”みたいなものだったのですね。

で、ちょっと寮を抜け出して、自分らだけで町の方に食事に行ったら、路上で襲撃されたと。

不運としか言いようが無い.....。

※別のニュースサイト“news.nswap.info”によれば、彼らが食事をとったのは“スシ・バー”だったらしい。

--------------------------------------------------------
「バルナウールで刺された韓国人、息を引き取る」  2010年2月18日
原文:Порезанный в Барнауле кореец испустил дух
http://news.nswap.info/?p=29060

 (前略)

アルタイ地方内務局(=警察)の情報によると、“二人の学生-若い男性と女性-はスシ・バーに寄った後、通りに出た。そこで、三人の何者かによる襲撃を受けたのだ。

(後略)

----------------------------------------------------------


だとしたら、

たかだか1ヶ月くらいの滞在で現地人との間に怨恨が生じることなど有り得ないし、道を歩いている現地人を怒らせるほどのロシア語も出来なかったでしょう。

さらには、女子学生の方も同じく殴られているではありませんか。

例の韓国の新聞は、一体何を根拠に“被害無し”なんてことを書いたのか?

彼らは一方的に襲撃されたと考えて間違いない。

ロシア人どうしの喧嘩で女性を殴ることなんて普通はまず無いので、動機については人種的なものである可能性が高い。くどいようですが、彼らは見た目だけで日・中・韓国人を見分けることなど出来ません。

しかし、この記事に限らず、被害に遭った男女が大学側に無断で寮を抜け出し、町を歩いたことが妙に強調して報じられているのが気になりますね。

例えば、同じ“Politsib.ru”の、この↓記事とか、

-----------------------------------------------------------

「殺害された韓国人留学生が学んでいた大学の学長、(現地人の)付添人無しで市内を歩き回るのは、大学側の指示に反した行為だったと主張」
原文:Директор алтайского ВУЗа, где учился убитый южнокорейский студент, утверждает, что тот гулял по городу без провожатых в нарушение инструкции
http://politsib.ru/news/?id=40629

2010年2月19日

(前略)

彼ら(←被害にあった韓国人学生2人のこと)は一行の滞在中の世話役を務める責任者に知らせることなく(韓国人学生らは全員いくつかの班か、小班に分けられており、各班ごとに必ず付添い人が割り当てられていた。)、 こちらの指示に反して寮を出て、街へとくり出してしまったのです。

(後略)

-----------------------------------------------------------

現地の大学側が、交換留学生に対する監督責任を云々されるのを単純に嫌がっているのだろう、と言ってしまえばそれまでなのですが、彼らが留学生たちを自由に行動させたくなかった理由は、どうやら他にもあるようです。

→(4)に続く


最新の画像もっと見る