3日(水)の 『照柿』(講談社) は、第三章 転変 に入りました。p261からp303まで読了。
タイトルは、タカラヅカの雪組の「再会」というお芝居で、当時の娘役トップ・月影瞳さん(愛称・グンちゃん)が歌った一節。今回読んだところが、この歌に当てはまるな~と思ったのです。
しかし毎回タイトルをつけるのは苦労する・・・(苦笑)
前回と今回の再発見。
1.七係の新任の管理官・木崎さんは、かつては大森署の副署長だった。
ちょっと過剰な想像をしてみると、合田さんが 『レディ・ジョーカー』 で大森署所属だったのは、木崎さんが何かの口利きをしたからかしらん? (ネタバレに近いので、曖昧にぼかしてます。分かる方だけ分かってね)
2.美保子さんの実家の工場が全焼した事件の所轄は、蒲田署だった。
もちろん、『レディ・ジョーカー』 の半田修平さんはいませんよ(笑)
***
★☆★本日の名文・名台詞 からなのセレクト★☆★
今回の特集名はありません。バラエティに富んでいるので。
★こうしてこんなところにいる一人の男は、他界した父母も、貴代子も義兄も知らない何者かなのだと雄一郎は思った。
ついこの間まで、合田雄一郎と呼ばれていた人物とは違う、得体の知れない一人の男がここにいる。三日前に佐野美保子が拝島駅でみたのは、この男だ。 (p269)
達夫さんの勤める工場へ出向いた合田さん。知らず知らずそういう行動を起こさずにはいられないほど、どうすることも出来ないその想いは、何と言うの、合田さん?
★お前、恋をしているのか。初めてそんなことを考えた。
よりにもよって、今ごろ恋をしているのか。 (p278~279)
そう、「恋」なんですよ、合田さん! やっとここにきて、思い至ったようです(苦笑)
だけど、「恋をしている」なんですね。「恋に落ちている」ではないのですね。延々と述べる時間も気力も今はないし、それほど分かっているわけでもないし、経験不足もあるけれど、「恋をしている」と「恋に落ちている」では、かなり違うと私は思う。
★「ほんとうの美を知らない人間が洒落のめして、効能書きを垂れてる街や」
「ほんとうの美って」
「自分の五感で触れて、背筋が震えるようなもの。茫然と立ち尽くすようなもの。要は何でもええんや。言葉は要らん」 (p281)
原宿・表参道を後にした、達夫さんと美保子さんの会話。
私の経験では、坂東玉三郎さんの舞台を生で観た時がそれに当てはまるかな。あまりの美しさに、恐怖を感じたほどでした。
お気づきの方も多いでしょうか、「都市」「街」「町」などの描写も、高村さんは優れています。鋭い眼差しと筆の冴えは、他の追随を許さないと思います。
★「美というのは、進化するのかしら……」
「進化って」
「深くなったり、うつろったり」
「そういう過程も含めて、動いている時空が一瞬一瞬に固定していくのが美や。固定する一瞬に後も先もない。そういう一瞬一瞬の集合が絵とか彫刻とか……」
「男と女みたいね……」 (p282)
達夫さんの美保子さんの「美」談義・その2。最後のシメは美保子さんらしいなあ・・・。
★「亭主は亭主。自分が住む家みたいなものかしら。古くても汚くても、家は家よ」 (p301)
★「自分の家はよその女には渡せないでしょ」 (p301)
「これこそが、佐野美保子という女」その4と5。「女」である前に「妻」なのか、「妻」である前に「女」なのか・・・。相反するような心境が窺えます。この矛盾が、後の悲劇に繋がるのですね・・・。
・・・このペースで、7日までに読了できるんでしょうか?
タイトルは、タカラヅカの雪組の「再会」というお芝居で、当時の娘役トップ・月影瞳さん(愛称・グンちゃん)が歌った一節。今回読んだところが、この歌に当てはまるな~と思ったのです。
しかし毎回タイトルをつけるのは苦労する・・・(苦笑)
前回と今回の再発見。
1.七係の新任の管理官・木崎さんは、かつては大森署の副署長だった。
ちょっと過剰な想像をしてみると、合田さんが 『レディ・ジョーカー』 で大森署所属だったのは、木崎さんが何かの口利きをしたからかしらん? (ネタバレに近いので、曖昧にぼかしてます。分かる方だけ分かってね)
2.美保子さんの実家の工場が全焼した事件の所轄は、蒲田署だった。
もちろん、『レディ・ジョーカー』 の半田修平さんはいませんよ(笑)
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★☆★本日の名文・名台詞 からなのセレクト★☆★
今回の特集名はありません。バラエティに富んでいるので。
★こうしてこんなところにいる一人の男は、他界した父母も、貴代子も義兄も知らない何者かなのだと雄一郎は思った。
ついこの間まで、合田雄一郎と呼ばれていた人物とは違う、得体の知れない一人の男がここにいる。三日前に佐野美保子が拝島駅でみたのは、この男だ。 (p269)
達夫さんの勤める工場へ出向いた合田さん。知らず知らずそういう行動を起こさずにはいられないほど、どうすることも出来ないその想いは、何と言うの、合田さん?
★お前、恋をしているのか。初めてそんなことを考えた。
よりにもよって、今ごろ恋をしているのか。 (p278~279)
そう、「恋」なんですよ、合田さん! やっとここにきて、思い至ったようです(苦笑)
だけど、「恋をしている」なんですね。「恋に落ちている」ではないのですね。延々と述べる時間も気力も今はないし、それほど分かっているわけでもないし、経験不足もあるけれど、「恋をしている」と「恋に落ちている」では、かなり違うと私は思う。
★「ほんとうの美を知らない人間が洒落のめして、効能書きを垂れてる街や」
「ほんとうの美って」
「自分の五感で触れて、背筋が震えるようなもの。茫然と立ち尽くすようなもの。要は何でもええんや。言葉は要らん」 (p281)
原宿・表参道を後にした、達夫さんと美保子さんの会話。
私の経験では、坂東玉三郎さんの舞台を生で観た時がそれに当てはまるかな。あまりの美しさに、恐怖を感じたほどでした。
お気づきの方も多いでしょうか、「都市」「街」「町」などの描写も、高村さんは優れています。鋭い眼差しと筆の冴えは、他の追随を許さないと思います。
★「美というのは、進化するのかしら……」
「進化って」
「深くなったり、うつろったり」
「そういう過程も含めて、動いている時空が一瞬一瞬に固定していくのが美や。固定する一瞬に後も先もない。そういう一瞬一瞬の集合が絵とか彫刻とか……」
「男と女みたいね……」 (p282)
達夫さんの美保子さんの「美」談義・その2。最後のシメは美保子さんらしいなあ・・・。
★「亭主は亭主。自分が住む家みたいなものかしら。古くても汚くても、家は家よ」 (p301)
★「自分の家はよその女には渡せないでしょ」 (p301)
「これこそが、佐野美保子という女」その4と5。「女」である前に「妻」なのか、「妻」である前に「女」なのか・・・。相反するような心境が窺えます。この矛盾が、後の悲劇に繋がるのですね・・・。
・・・このペースで、7日までに読了できるんでしょうか?
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