goo blog サービス終了のお知らせ 

あるタカムラーの墓碑銘

高村薫さんの作品とキャラクターたちをとことん愛し、こよなく愛してくっちゃべります
関連アイテムや書籍の読書記録も紹介中

レディ・ジョーカーの由来。半田さん、運命の邂逅再び。義兄の影。

2004-12-11 22:45:51 | レディ・ジョーカー(単行本版)再読日記
今日も仕事だと言うのに、夜更かししたせいで眠い・・・。なので、現時点では簡単に。明日時間があれば、加筆修正します。

本日は、第二章 のp183から、第三章 一九九五年--事件 p226まで読了。
犯行グループは日之出ビールとその社長に目をつける。グループ名は、<レディ・ジョーカー>に。
その理由が、まあ、何と言いましょうか・・・。ネタバレになるので詳しくは書けません。明日時間があれば(以下省略) 

半田さんは、合田さんと再び出会うことに。その時に盗み見と盗み聞きした、合田さんの奏でるヴァイオリンの音色に、身も心も奪われてしまう。

そして事件の起こった夜の直前。ヴァイオリンを弾く合田さんの脳裏によぎる、義兄の影。義兄とはもちろん、加納祐介さんのこと。本文には、まだ名前が出てこないんですよねー。『マークスの山』(単行本)の表記では「加納:義兄=5:5」の割合なのに、『LJ』になると「加納:義兄=2:8」くらいになっている。しかも『LJ』の合田さんがらみだと「加納:義兄=1:9」は確実だ。

最後にタイトルに書ききれんかったが、東邦新聞社の遊軍長・根来史彰さん、初登場。『マークスの山』でもちょこっと出ているんだけど・・・別人みたいだ(苦笑)
圧巻は、スクープが入った時の新聞記者たちの描写の凄さ。臨場感がひしひしと感じられた。もちろん新聞社の現場を高村さんは取材なさっているからだが、それでもあれだけのものを描ききるなんて、さすがとしか言いようがない。だから某毎日新聞社の記者さんの中には、「あの記者は俺がモデルだ」と主張しているとか、いないとか。

***

★☆★本日の名文・名台詞  からなのセレクト★☆★
眠くてアップし損ねた分です。前日分は犯行グループばかり取り上げましたが、読んだ都合上、一人抜けてましたので、それを追加。

★《俺の引いたジョーカーが消えない限り、答えは変わらんと思う》
「ジョーカーというのは、レディのことか……」
《ああ。俺たち夫婦は千人の赤ん坊に一人か二人混じってるジョーカーを引いたんだ。ほかに言いようがあるか》)
 (『LJ』上巻p186)

★「レディ・ジョーカーというのは、どうだろう」
「どういう意味だ……」
「布川が先日、娘のことをジョーカーを引いたと言ったんだ。そのとき、ふと思いついた名前だ。異論はあるだろうが、人が望まないものをジョーカーと言うんなら、爺さんたちこそジョーカーだろう」
 (『LJ』上巻p198)

★あいつは何者だ。突然目の前に現れ、大根を自転車のカゴに入れて、ヴァイオリンを弾きに行くと言って消えてしまったあいつは、まるで面を切って行くように、いきなり横っ面を張り飛ばしていくように、一瞬ほくそ笑むように、俺の前をかすめていきやがったのだ。 (『LJ』上巻p200)

★そうか。おれはいずれ、あの男に苦汁をなめさせることになるのか。あの顔が青ざめるのを見るのか。
よし。ついに<何か>が見つかったぞ、と半田は思った。警察という妄想の糧を自分で食い潰してなお余りある<何か>が、四年ぶりに顔を合わせた刑事一名だったというのは、予想もしなかった結果だったが、運命とはこういうものだろう。もはや一つ一つは意味をもたなくなっている憎悪や鬱屈の巨大な靄が、たった今自分を横切っていった一人の男に向かって急激に収斂し始める中、半田はこれまでにない生々しい気分を味わった。
警察にしろ企業にしろ、個々の顔がないものをいくら苦しめても、得るのは抽象的な自己満足だけだったが、苦しむ奴の顔が具体的に見えるというのは、何よりの御馳走だった。間もなく左遷された先の小さな所轄署の刑事部屋で、いかにも端正な優等生の男が一人、挫折と屈辱と敗北感にまみれてすすり泣くのだ。
(・・・略・・・) 半田は悶絶した。これだ。この俺が犯罪をやるのは、この感覚を味わいたいからなのだ、
と思った。
 (『LJ』上巻p201)
ここの半田さん、むっちゃ好きや~ 
余談だが、私の持っている初版に読者はがきが挟み込まれていたのが、この見開き2ページの間だった。誰が挟んだのかは知らないが、『LJ』上巻中、前半の一番の山場に、よくもまあ・・・と感心、ため息。

映画「レディ・ジョーカー」 公開前夜

2004-12-10 23:15:55 | レディ・ジョーカー(単行本版)再読日記
映画館の無料チケット手に入ったので、期限切れになる前に観に行きます。・・・母も行くといっているのですが、母は小説読んでません。理解できるんだろうか?(不安) 観終わった後に、解説マシンと化すだろうな、私。
それよりも、「小説と映画は別物」と割り切れるんだろうか、私。好きな作家の小説だから、妥協はして欲しくないのも事実。だけど監督も俳優も「難しい」「わからない」とインタビューのたびに答えているんじゃねえ・・・期待薄、望み薄。

肝心の基本の解釈が、監督曰く 「最初に原作を読んだ時は、差別された側の社会への復讐(ふくしゅう)劇だと感じた。でも高村さんに会って『それは話の要素にすぎない』と指摘された」
何重にも複雑に絡んだ人間と組織の物語でもあるのだもの。復讐劇って、どうよ?

原作にない、城山と物井の対面シーンを設けたそうですが、 「物井の表が城山で、城山の裏が物井。2人は同じ形の表と裏だと感じた。対称になっている2人を会わせなくてはという思いがあった」
そうかあ・・・?

上記の太字部分は 毎日新聞のインタビューから 抜粋。

***

本日は、第二章 のp149~p183まで読了。
日之出グループに忍び寄る、総会屋の魔の手。怪文書の主、岡村清二の死。それがきっかけで、あることを決意する物井清三さん。そして徐々に、犯行グループが結成されつつある・・・。

その物井さんが、渡哲也さんってのは、どうよ? rssリーダーで情報集めても、「イメージが違う」という意見が圧倒的だった。イメージが違うというのは、渡さんだけ言われているわけじゃないけどね。

明日には第二章は読了できるでしょう。

***

★☆★本日の名文・名台詞  からなのセレクト★☆★
今回は犯行グループ(・・・って書くの、ホントはイヤなんだけど)の台詞だけピックアップ。人物像がちょっとでも判るかな、と思いまして。

★「高に、この爺さんのことを何と言ったの」(略)
「善人と悪人の間」
 (『LJ』上巻p167)

★「計画を作るというのは、実行することだぜ」 (『LJ』上巻p172)

★「男の人生なんてつまらんな。こつこつ働いても、出世出来なきゃ、死んでも窓際だ。出世したらしたで、心にもない弔辞で賑々しく見送られなきゃならない。お棺を送り出すとき、俺なら化けて出てやると思った」 (『LJ』上巻p178)
・・・あなたなら本当に化けて出そうです、半田さん・・・(苦笑)

★「動機は、と聞かれたら困るんだが、人生には、何かがふいとやって来るタイミングみたいなものがあるだろう?」
「魔がさした、という説明しか出来ない犯行は確かにあるが、その場合でも、下地は必ずあるもんだ」
 (『LJ』上巻p179)

★「俺は社会へ出るときに入口を間違ったことだけは確かだ。警察官という職業自体は合っていると思うが、警察という組織が合わないんだ」 (『LJ』上巻p179)

★「だいいち、この俺が何を考えているか、相手が知らないってのが愉快だ」 (『LJ』上巻p180)

うわ、もうすぐ「探偵! ナイトスクープ」が始まっちゃう~。

合田さん初登場、半田さん運命の邂逅! 経済・金融のお勉強!

2004-12-10 00:04:11 | レディ・ジョーカー(単行本版)再読日記
本日は会社の用事であちこちお遣いに行った事もあって、第一章 のp89から、第二章 一九九四年--前夜 p149まで読了。ドラマ「黒革の手帖」最終回を観ていたので、キリのいいところまで読み進めず。

まずはタイトルの一番目。主人公の一人・合田雄一郎さん、初登場。これまた主人公の一人・半田修平さんからの視点だったので、今はまだエキストラ役状態。現時点では、脇役にも格上げされない存在だぞ。
とある事情から半田さんがえらく興奮していたのだが、逆に合田さんの異様さ(苦笑)も際立つというもんです。
この二人についてもいろいろ書きたいことはありますが、この時点からネタバレしても仕方がないので、今日はこれくらいにしといたるわ(←池乃○だかby吉本新喜×・笑)

前回は白井さんの登場部分に付箋紙貼ってますと書きましたが、合田さんと半田さんにも貼ってます。つまり、それだけ重要で目が離せないキャラクターということです。

二番目のタイトル。第一章がバブル絶頂期の年。第二章がバブル崩壊数年後。この落差を実感するために、第一章と第二章を続けて読むのは避けたかったところが、本音。しかし読んでしまったものは仕方がない。

現時点での登場人物の職業が、大企業の社長や役員、町工場の従業員、元・自衛隊、薬局の店主、刑事、総会屋、歯科医、銀行員などなど、多彩に取り揃っているので、業界専門用語が次々出てくるんです。ある時は、私も半田さんになった気分で、高克己から金融業について教わったり、海外企業と合弁会社を設立するという、日之出ビールの城山社長や、実際の交渉に当たっている白井副社長の視点・思考に、少しでも近づけたらいいな、とも思ったり。登場人物たちが、目まぐるしく入れ替わり立ち代わりするので、そこが大変。でも、そこが面白いの。
多角的な視点から、この小説は綴られているのですからね。

***

●今回読んだ部分の、(私にとっては)大きな謎。(他の人にはどうでもいいような些細な謎)●
半田さんに、「お宅は昼寝が出来るだろう」 (『LJ』上巻p96) と吐き捨てた、七係の巡査部長って、誰!?
まず可能性がないのは、<お蘭>こと、森義孝。お蘭はこんなことは言わないでしょう。
残りの巡査部長は三人。肥後和巳、有沢三郎、広田義則。
<雪之丞>こと、広田さんは違うな、多分。雪さんは穏やかな性格だから、喧嘩をふっかけるような言動は、まずしない。
となると、肥後さんか、<又三郎>こと、有沢さんか。どちらも可能性大のような気がする~。

しかし! ここで重要な点を見逃してはなりません。本庁勤務と所轄署勤務を数年交代でやる巡査部長もいるんですよ。だから、私たちの知らない巡査部長が言った可能性も大いにあるんですよね。

●そして、もう一つの謎● ネタバレあり。LJ未読の方は要注意。
息子には自殺同然の事故死をされ、夫には文字通り自殺された、物井さんの娘・美津子さんって、どうなったんでしょう? 第一章から第二章を読むたびに、いつもそれが気にかかる。裕福で優雅な暮らしが、望んだわけでもないのに急に激変して、家族を失って・・・。
だけど、この人が物井さんに食って掛かった件は、「ああ、こういう人ってゴマンといるよなあ」と思った(苦笑) 親の言うこと聞かずに自分で決めたことなのに、状況が変わると親が調べてくれなかったせいだと言う。


***

★☆★本日の名文・名台詞  からなのセレクト★☆★
眠くてアップし損ねた分です。

★「おい、あんた。さっき、俺を見ただろう。あれは何だ。何で俺を見た……!」
(・・・略・・・)
「音がしたので」
(・・・略・・・)
いったいこの世界の落差は何なのだと半田は困惑し、だめ押しの一撃を食らったような目まいを覚えた。今や目の前の警部補がたしかに自分を見たという確信は消え、自分が何をやっているのかも分からないまま、一瞬のうちに増幅した生理的興奮に押し流された。
(・・・略・・・)

それを見送った数秒の間、自分がいったい何に苛立っていたのかも思い出せないまま、半田はただ、自分の足元の沼がさらにずしりと沈んだのを感じた。自分の足だけが地球にのめり込んでいる、と思った。
 (『LJ』上巻p97)
これが合田さんと半田さんの初めての会話。・・・何を言えばいいのか・・・ 

★生きるのが上手だとは決して思わないが、自分なりに働いた結果の人生を、自分では少しは慈しむ気持ちはあった。それを、外の世界の幸運や才覚と比べられたら、物井には返す言葉もなく、自分の小さい自信や自己満足すら消えてしまうのだ。 (『LJ』上巻p109)

★「価値、って何だ」
「百円とか、千円とか、値札がつくこと」
「だったら、人間の頭にも価値はないってことだ」
」 (『LJ』上巻p126)

白井副社長、初登場!

2004-12-08 23:14:53 | レディ・ジョーカー(単行本版)再読日記
主人公の一人・日之出ビール社長・城山恭介さんをおいてこのタイトルは・・・(笑) だって、白井さん好きなんだもーん  LJに限って言えば、加納さんは別格として、白井さんが一番好きだ。ホンマに「ええ男」(←大阪弁)なんだもん。(容姿や性格が良い、という意味ではなく)

日之出を変えてきた男 (『LJ』上巻p71)である副社長の白井誠一さんに対しては、城山社長は 少し感覚的にも合わない (『LJ』上巻p71)そうです。もう一人の副社長・倉田誠吾さんとの方が、同じ営業畑で過ごした先輩・後輩の仲であるので、阿吽の呼吸。

だけど、城山社長が持っていないものを持っている白井さんの有能さは、認めるところ。そのキレの良さと慧眼の鋭さに、私は惹かれます。日之出ビールの役員たちは、白井派と倉田派に分かれているようですが、私はもちろん、白井派だ。

それに、喋り方が私の好みだ(笑) 『神の火』 の江口さんにも通じる、ほのかな色気があると思う。

白井さんは、城山社長のことが好きですね。(変な意味にとらないで下さいね)
城山社長が白井さんを苦手にしていること、心情的には倉田さんを贔屓にしたいということを、白井さんは知っているはず。ところがどうも城山社長は、このことに気付いていないような気がする。その気付いていないのを、白井さんは気付いていて、愛情の裏返しとでも言いましょうか、遠回しにいじめて、あるいはからかっているようにも、私には思える(笑)

だからといって、決して城山社長をぞんざいにはしないで、「社長」として遇している。城山社長のある問いに応じた時、「貴方と、ぼくと、倉田君」 (『LJ』上巻p78)と、順列はきちんとつけている。

城山社長の反応を見るのが、白井さんは楽しんでいるんじゃないのかなあ。城山社長、白井さんにいろいろ驚かされることがこれからどんどん出てきますからね。逆に、城山社長が白井さんをビックリ仰天させたのは、私の知る限りでは、多分2回きり。ネタバレになるので書きませんが。

以前、名文・名台詞に付箋紙貼ると書きましたが、お気に入り人物が登場しているページにも、私は付箋紙貼ります。白井さんは、もちろんその一人。

忘れるところだった。本日は、第一章 のp63~p89まで読了。このペースだと、第一章を読みきるのに、後2日かかるなあ。
明日読むところは、いよいよあの人とあの人の初対面でございます。

***

★☆★本日の名文・名台詞  からなのセレクト★☆★
今日に限っては、白井さんオンリーとさせていただきます。城山社長、ごめんなさい(苦笑)

★白井というのはフグだ、と城山はよく思う。本人は、何があっても自家中毒を起こすことがなく、理路整然と言うべきことを言ってくるが、しばしば周りの人間が毒にあたる。 (『LJ』上巻p74)

★「根のない予感などない。祈りを知らない者に啓示は訪れないのと同じです」 (『LJ』上巻p78)

差別

2004-12-08 00:05:23 | レディ・ジョーカー(単行本版)再読日記
気合入れて、熱く長く綴って送信しようとしたら、ログイン時間切れ。コピペしてなかったので、入力したのがパーになりました~  思い出して、もう一回書く! これは済まさないと、眠りたくても眠れない~。

本日は、第一章 のp41~p64まで読了。読書時間は短いが、内容は濃い。上下2段の上、文字がびっしり詰まってますからね。

まもなく映画が公開されますが、宣伝文句に「問題作」とあります。何が「問題」なのか。それは障害者問題と差別問題が、小説の通奏低音として流れているからです。最初に映画化を知った時、懸念したのがそのことでした。(そりゃ加納さんや根来さんも登場するのか否かも懸念の一つでしたが、真っ先にカットされるだろうとは予測がついていたし、事実その通りだったので・・・)

中でも、レディと呼ばれる女性をどうするのか。無視するのか登場させるのか。結局登場しているようですが、どのように描かれているのかは、まだ観ていないので解りません。・・・観るかどうかも解りませんが。

***

私の生まれ育った大阪では、小中学校の道徳の時間に「同和問題」を取り上げる授業がありました。高校・大学でも授業・講義がありました。(私の行った大学では必修科目だったんです) 他の都道府県から来ているクラスメートに聞くと、「そんな授業はなかった」と言う人もいました。
大学の先生が、「この講義を受けて、『同和問題なんて、知らなければ良かった。変な意識で見てしまうから』と言う人が、必ずいる。知った方がいいのか、知らない方がいいのか、どちらとも言えないが、こういう歴史があることは、知っておくべきことだと思う」と仰ったのが、印象に残っています。

「差別はない」「浮浪者はいない」といくら国家が世界に向けて言ったとしても、現実にはあるし、いるんです。今は有料になっている天王寺公園ですが、無料だった頃にたくさんの浮浪者がいたことを、私は見知っている。
『神の火』 に描かれている彼らの姿。 『レディ・ジョーカー』 での障害者や差別の問題。
それを高村さんは目を逸らさずに、熱くならず冷めてもいず、言葉と文章を重ねて、読み手に問いかけているのです。

***
★☆★本日の名文・名台詞  からなのセレクト★☆★

★差別という深いトンネルの出口で、まだ一部に残されている柵を楯にして物を言う人々は、たしかにいた。仮に柵が取り払われたら、今度は見えない柵を楯にする。柵の外には無知無策と無責任しかないが、内側には、人間の尊厳や平等を唱える口の下に深い怨恨の根が生えている。柵を作る側に事の理解が足らず、柵を楯にする側に妄執が消えない限り、この不毛な応酬は続くのだろうが、それをこうして聞かされている者は、どれほどの忍耐を持てばいいのか。しかも、誰のための忍耐で、いつまで続くのか。 (『LJ』上巻p53)

それではおやすみなさい。 

『晴子情歌』に繋がるのね

2004-12-06 22:13:57 | レディ・ジョーカー(単行本版)再読日記
本日からLJを再読しています。せっかくなので、ちょこっとしたメモや感想などを綴りたいなと思い立ちました。
え、LJって、何かって? いやですわ奥さん、『レディ・ジョーカー』(Lady Joker)の略ですわよ。タカムラーの間では、LJで呼んでいるんですのよ、おほほほほ 

めんどくさいんで、このカテゴリーではLJと表記させていただきます。そして多少は ネタバレあり とさせていただきます。これはマズイかもと思うところは、 で警告出しますし、よっぽどの場合は白い字で、隠し字にします。

***

さて、戯れと警告はここまでにして、本題に。
私の読書時間は、通勤電車内並びに電車の待ち時間に限られています。ですから1日約1時間あるかないかの読書時間です。当然、読み進むページ数もちょっと。しかしその分、濃密な文章を程よく消化できるのでは、と思っています。

本日は、冒頭の 一九四七年--怪文書 から、第一章 一九九〇年--男たち のp41まで読了。
ああ、問題の怪文書! 初めて読む方、この旧仮名・旧字体の部分、読み飛ばしたらダメですよ! のちのち重要になってくるんですから。

そしてお気づきでしょうが、この怪文書だけフォントが違います。これはあえて字体を変えるようにと、高村さんが指示なさったそうです。

怪文書読んでいると、『晴子情歌』(新潮社) を思い出してしまいます。この作品の舞台も、怪文書の執筆者・岡村清二 の故郷と同じ、青森県なのですから。
ちなみに怪文書に出てくる、野口勝一 は、晴子さんとは赤の他人・・・なんだろうか? 晴子さんの旧姓、野口なんですよねー(苦笑)
怪文書読むと、「『晴子情歌』も再読しなくちゃなあ~」と思っちゃう。

***

★☆★本日の名文・名台詞  からなのセレクト★☆★
私は気に入った文章や心を打った文章、名台詞だと思われる部分には付箋紙を貼り付けています。このコーナーでは、本日の読了部分に貼ったところから、いくつかピックアップしていきます。

★「何が惨めと云つて、貧しい者が貧しい國へ攻めていくほど惨めなものはないよ。其を一番よく分かつてゐるはずの自分が、殺さなければ殺されると云ふんで、必死に殺したのだから、人間と云ふのはやり切れない」 (『LJ』上巻p25 原文は旧字体ですが、全て変換できないので・・・)