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昼休みの贅沢 7話

2012-08-22 10:04:55 | 小説

なんかこー




給食って みんなで食べるから美味しいんだねって




思えますね




7話
「お弁当」
日差しがまだまだ強い時期だが、子供たちのエネルギーは有り余ってるらしく、汗をびっしょりとかきながら体育祭をしている。
私は昔から運動が好きだったので、体育祭は一生懸命やっていたが。大人になってしまってからは、動くという行動が面倒になってしまっている自分に気づいた。
職員達も参加する綱引きをやったら、もう腕がパンパンだった。
久しぶりに激しく体を動かしたおかげか、お腹の方はペコペコである。
午前中の拷問のような長さが終わり、ようやく小休止、いいや、今日の最大イベントである、お弁当の時間が来た。
生徒達は各々家族で食べている、彩りの良いお弁当や、子供の大好きな物がいっぱい詰め込んである重箱を見ると、微笑ましい。
私も母親のポテトサラダが大好きで、お弁当の時はよく入れてくれるように頼んだものだ。
しかし、私達教職員は、学校で用意されたお弁当だった。
のり弁という最もオーソドックスで、尚かつ安く美味しい。最強の弁当の1つだと思われる、このお弁当が配られた時、私は思わず微笑んでしまいそうになった。
小さいお茶の缶というのも、なかなかいい感じを出している。
少し頼りないプラスチックのお弁当箱を開けると、海苔のいい香りと醤油の香りが鼻に届く。
これは何も考えずにご飯をいただくしかない。
まず一口。
最初は海苔が上手く切れなかったせいで、醤油が少しだけついたご飯だけが口に入る。
次は大きめに区切り、そして口に運ぶ。今度は、海苔がしっかりと残っている。
やはり海苔というものは、最高の名脇役だ。
お弁当という映画があるとすれば、主役であるおかず、そして主演女優のご飯などが一番に目に付くが。
おにぎりだろうが、お弁当だろうがしっかりと周りを包み込むその存在感は、縁の下の力持ちという言葉が似合う。
次に、ちくわの磯辺揚げを口にする。
すっかりベチャベチャになってしまっているが、これがお弁当感をしっかり出している、むしろこれがサクサクだったら美味しくないかもしれない。
あと忘れていけないのが、漬物だ。
パリパリの漬物は兎に角、ご飯にマッチする。
こののり弁というのは、普段だったらエンドロールに名前が乗らない様な、脇役達が、思う存分に力を発揮している。
隠れた名作だ。
白身魚のフライなんて、一体なんの魚なのかも分からない。
だが、これが少し周りに散ってしまったタルタルソースと一緒に口に入ると、場の空気を変えてくれる。
ついつい無言になって半分も食べ進んでしまった。
私は、缶のお茶がある事に気がつき、開ける。
そう言えば、最近はペットボトルが主流で缶の物を買わないなと思い口を付ける。
ごくごくと勢い良く飲んでしまった、自分でも気づかないぐらい喉が渇いてしまったのだろう。
それとも、この小さな缶に入ってるお茶の味が、なんだか懐かしくなったのかもしれない。
今日は給食が無いと落ち込んでいたが、たまにはこういのも悪くないと思える、そんな1日だった。









孤独のグルメのオマージュって感じなんですが





あれとは方向性が違うんで





でも




あの空気はだせないな



ってか



主人公が結構愚痴っぽい