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CLASSMATE/HERO 02話

2011-03-23 16:37:02 | 小説
今日は 映画の キックアスを見ました


結構初めてタイトルを聞く人が多いと思いますが・・・

まあ、R15指定かかってたし


これぞアメリカ! って感じの作品だった


実は、この話にちょっと似てるような  似てないような



起点は似てるんですが  話の内容は結構違います


興味があったら是非


クラスメイトヒーローの 2話です






「ん・・・・っく」
頭が痛い、腰が痛い、腕も痛い。足首もひねったかもしれない、というよりも痛くない部分の方が無い。重症だろう、恐らく立ち上がるだけで精一杯のようだ。
だが思ったよりもダメージは無かった、近くを見回すと廃材などが大量に落ちている。逃げ惑ううちに変な場所に落ちてしまったらしい。
廃材によって運良く重症は免れたが、はっきり言って今の俺は最高に運が無い。
なぜなら、こんな知らない場所に落ちてしまったからである。
「携帯・・・つながらないな」
そういい携帯を降ってみる、別にこれをすることによって電波が届くわけじゃないが、何故か皆やってしまう。人間は壊れたものを振ったり、叩いたりする動物らしい。それで直るのなら俺は自分の体を叩いて治してから、飛び跳ねてやってもいい。
薄暗い倉庫のような穴にうっすら差し込む光、どこかをよじ登って上に戻るのは無理そうだ、それに上にはあのチンピラ達がいる。
ぶっちゃけた話あんなチンピラどうってことないのだが・・・、やはり相手にしないに越した事は無い。
どこを見回しても上にまで届くようなものは無い、冒険映画だったなら奥に怪しすぎる通路があるのだが、もちろんの事そんなものは無い。
「くそー・・・近道なんてしなきゃ良かったよ」
今日は確かに朝からロクな事がない、とはいえ俺だって危険な目に会いたい訳ではないので避けて通るつもりだった。
そう、俺は”危険”から避けて通る為にこのルートを選択したのだった、だがそれがミスだった。何かの取引をしている風貌のチンピラを見てしまった、そのまま素通りすればいいと思い足早に逃げたのだが。途中で躓き音を立ててしまったせいで見つかった。
「あんまりやりたくないんだけどっ」
そういい適当に鉄パイプを手に持った、鉄パイプはいつの間にか重さを失い、そして垂直に浮かび上がる。突然上がるので肩に負担がかかるがやりたくは無かったが、この際仕方ない。
ちなみに、なぜこんな事が出来るのかというと、俺は覚醒者なのである。
過去に起きた事件のせいで突如能力に目覚めた、そのせいで散々な目に遭ったので基本的には能力の事は誰にも言わず、そして使わないようにしていた。
なので俺が覚醒者だという事を知っているの人物は殆どいない、ましてや学校だとしたらほんの数名だろう。
漫画だったら戦いながら自分の能力をベラベラと説明してくれる親切な敵や、能力の細部に関して説明してくれるキャラクターがいるのだが。この場には無いので、あえて自分で説明しよう。
能力としては弱い物なのだが、決まってしまえば人も殺せる能力である。
目の前にあるものを触れるだけで、その物を垂直に飛ばす。ちなみに飛ばす加減はあまり上手くない、そして飛ばせる容量もせいぜい人までだ。昔はがんばって車を浮かした事があるが両手で支えられる程度のものでないと、1m以上は飛ばないらしい。
ちなみに、飛んだ物は一定距離に届くまで決して止まらない。
俺の最高はビー玉の20m、この力を使う事によってビー玉で飛ぶことも可能なのである。
少々説明に熱が入ってしまったが、この能力を使いこの穴から脱出した。
改めて見てみると不自然、TVの落とし穴でさえもっとナチュラルである。というかTVの落とし穴はナチュラルすぎて逆に不自然。
こんな荒れ果てた場所だから気づかなかったのか、それともチンピラに追われて必死になってる俺が間抜けだったのか、それは定かではないがこの穴に落ちた事は一生の恥である、誰にも知られたくないと思った。
「あら、早かったのね?おかえりなさい」
「うん、ただいま」
咄嗟に返事をしてしまったが・・・・、この場所に似合わない人物が立っていた。
「やあ・・・、こんなところで奇遇ですね」
「そうでもないわ、待ってたんだし」
俺は正直モテる方ではない、だがストーカー女がいる。白川恋(しらかわ れん)という女子だ、しかし目の前にいるのは違う人物である。
クラスに1人か2人はいる、特に目立つ事も無い女の子、糸江茜(いとえ あかね)である。
「貴方、覚醒者なんでしょ?」
「・・・・・・」
能力を使って出て来たのだから仕方ない、誤魔化すことなどは出来ない。
「ああ・・・・どこで知った?」
「直感」
実に率直な答えだった、確かに能力者だという事を負い目に思っている人は多く、それでコソコソする傾向はあるらしい。だが俺だって所詮は一般人だ、普通に友達と遊んだりしている、というかなるべく普通にしていたので気づかれる要素が無い。
というか、俺の場合念じなければ発動しない系の能力なので適度に気をつけていれば絶対にバレないといえる。
ちなみに、自分が能力を使うと念じなければ発動しないのをマニュアル、条件さえ合えば勝手に発動するのをオートマと呼ぶのが世間的には一般だ。
オートマの人は程度にも寄るが、研究所などに送られるなどという噂もある。
何でも怖い実験をやってるのだとか、マニュアルの人も日常生活に支障をきたす程度の物だった場合は同じく研究所に送られる。
自分の能力がこの程度の物で本当に良かったと思っている、従兄弟なんて最悪だった、勝手に電気が発生する能力らしく即座に隔離されてしまった。
研究所から直ぐに戻ってこれたのは、どうやら完全なオートマではなくセミオート。
つまり自分の意思でコントロールする事も可能だって事だった、そのコントロールを学び大体半年程度で戻ってこれた。
その時の生活はまさに地獄だったと語っている。
だから俺はかなり恵まれた方なのだ、自分が望まない限りは発動しない系の能力だからである。
「なんで私に追われてるか分かってるよね?」
「もしかして俺のことがス・・・」
なぜ俺が追われるのか、理由が見当たらない。なので心当たりのある動機(ちょっと前に説明したストーカー女の白川の件もあるので)と、冗談交じりで言ってみた。
だがそのせいで俺は世界仰天映像も真っ青な瞬間を目撃する事になる、頬の直ぐ横を風がなでるような感覚がした。それは恐ろしく早い手刀であった、人間の動体視力の限界を軽く超えて俺の直ぐ後ろの建物に手が突き刺さっている。
まるで日本刀を使い、綺麗に切り裂いたようにヒビの一つも入っていない、力が正確にそして、一点に集中する事により余計な物に傷をつけない。
だが、そんな事は人間業ではありえない。
「アンタも覚醒者か?」
「違うけど?」
「なるほど・・・・って・・!?」
あの所業をやすやすとこなして見せた人間がただの真人間だなんて信じられない。大きめのリュックサックにお茶を2つ入れて、ズボンの中にきっちりアニメ柄のシャツを入れ込んでる人間が、実はヤクザですと言うくらい信じられない。
いや、それ以上信じられない、目の前のか弱そうな女の子が手刀で後ろの建物に穴を開けた。
たとえ超強力な覚醒者で、肉体強化系の能力を完璧に使いこなせてたとしても出来るか出来ないかグレーゾーンの技である。
「なんでそんな事が出来るんだよ」
「知らない、一度も覚醒者としての認定を受けたことが無いし、昔からこれぐらい皆出来るものだと思ってたし」
くそっ、これならチンピラに追われてた方がマシだった。こんなのとバトルイベントが発生した時点で死は確定、逃げ切れたとしてもクラスメイトというのがまずい。
何かしらの方法で俺の家を突き止める事が可能である。
「目的は?」
「あら、話が分かるのね?」
そういい手刀を抜き取る。
「私にその能力を貸しなさい」
まさか・・・、相手の能力を奪うというのか?
「断ったら?」
「・・・・ぐす」
ん?
「えぐ・・ぐす・・・ぐすっ・・・」
え、ええ!?
突如泣き始めたぞ、ってか涙の量がマジだ。この展開は予想しなかった、てっきり”お前の命ごといただく”なんて言われるのかと思った。
「ただ・・・手を貸して欲しかっただけなのに、確かに言い方が悪かったけど、こんな話をするの恥ずかしかっただけなのに・・・・」
やばいやばいやばい
「今まで何度もお願いして、何度もダメだった事があるから、正直怖かったのに・・・えっぐ・・ぐす」
「わ・・・わかった!!! 力を貸せって事だろ? 何を手伝えばいいんだよ!」
優しく手を差し伸べる事しか出来なかった、その手に小さな手を差し出す。
先ほど建物に手刀で穴を開けたとは思えない、華奢で小さくそして・・・。
「いい?次断ったり、逆らったら

ん? あれれ?

殺すからね?」
簡単に人を殺す事が出来る手だった。
しくじった、これは罠だ。
女の涙は罠だ!!
「ところでアンタ、名前は?」
「・・・名前も分からずに俺を追ってたのかよ、ったく・・・、西崎縁(にしざき えにし)だよ」
「へえ、てっきりミドリって読むのかと思った」
なんだそりゃ・・・。確かに緑と縁は似てるけど・・・。ってか、知ってるんじゃねえかよ!
俺はとんでもないのとお知り合いになってしまったようである、なんでこんな危険なのがクラスにいた事に気づかなかったのだろう。クラスでは不自然すぎるほど普通だったからだろうか・・・。
そんな事を考えてるうちに何故か勝手に自分の計画を話し始めた、一気に全部言おうとするので俺の頭には何一つ入ってこない。
「あの女・・・あの女・・・」
俺は全く気づいてなかったが、俺の後をずっとつけている人間がいた、巷ではストーカーというのだろうか。
さも悔しそうに、というか分かりやすく壁を引っかいていた。
「私だってしゃべった事無いのに・・・しゃべった事無いのに・・・無いのに・・・」
後日、この人物のおかげで、俺は死ぬように怖い思いをするのだった。



次回予告


西崎「なんで俺がヒーローなんてやらないといけないんだよ!!」

糸江「辞めてもいいわよ?」

西崎「マジか!? じゃあ今すぐ・・・」

糸江「その代わり、行き先は地獄だけど良い?」

西崎「・・・・・」

糸江「ああ、せめて天国か地獄かぐらいは選ばせてあげるわ」

西崎「いや・・・ほら、次週予告しましょうか」

糸江「分かってくれれば良いの、さて次週はこの冴えないダメ主人公にストーカーが現れる話みたいね」

西崎「そこまで言う事ないだろ・・・」

糸江「興味が無かったら飛ばしてくれても構わないわ」

西崎「絶対見てくれ!!!(泣」