トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

公務員制度改革と政治

2010-12-13 22:17:33 | 政治や経済
たぶん実現できないと断言したいのが、公務員制度のまともな改革である。
尖閣諸島の海保職員の例は極端に目立ったが。公務員に気に入られない政権は、維持がほぼ不可能と思う。高支持率を誇った小泉内閣だって、郵政民営化どまり。本質から離れた「改革」の先には手を出せなかったんじゃないの? 有権者の票ではなくて、国家公務員の支持の有無で与党の地位が保障されるとしか思えない。
国家組織に限らず、部下が結束すれば、気に入らない上司に例えば「無能な人物」というレッテルを貼るのは簡単にできる。外部はその上司を正しく判断できるものだろうか?
また、民主党はもちろんだが。自民党も、官僚の助力がなければ、政策立案能力がひょっとして不足なのでは? だからこそ、官僚とうまくいっていない与党民主党と官僚の助力が激減したであろう野党自民党の間の論争の内容は、政策や国情の分析ではなくて、大臣や首相が不適格であるとか倫理であるとかのテーマになるしかなかったのではないだろうか(その手のやりとりだけがニュースなどで取り上げられていたのかもしれないが。今回の国会での法案成立率はとても低かったそうなので、それだけではないと思う。野党の身で有意義な政策を立案あるいは修正をやり遂げていくと、結果としての良い政治は時の与党の手柄になってしまう・・・という仕組みはあるだろうか? それなら、野党は政策論争ではなく与党の失墜を狙った方が得なのかな。しかし、それなら「二大政党制」なんてあり得ないはずだが)?
民主党にとっても自民党にとっても、国家公務員の組織に嫌われないように動くのが安全なやり方だ。ということは、公務員が気に入っていたり馴染んだりしている制度をいじれるはずはないと思う。結果として、従来の制度の良し悪しが判定されることもない。
とても単純な構図だが、それに過ぎない。わかっているのに、できない。それが、公務員制度(外郭団体など含む)改革。

(話がそれるが。あの流出騒ぎの中で、自民党議員が、自分はあの管区本部にすぐに激励に行ったのにひきかえ現政府は・・・と問いただしたということだが。そういう訪問を嬉しく思う海保職員ももちろんいるんだろうけど、国会議員を「お迎えする」のは厄介な手間ひまではないのか? 災害時などに現地の仕事を増やす視察が批判されていた時代もあったが・・・? 私にはそういう機微がはっきりしない)。

公務員は、その制度の保持の仕組みを、長らく組織的に練り上げてきた。そういう相手に、作戦らしい作戦もチームプレーもなしに短期決戦的に挑戦する政治家が成功するわけがない。公務員や組織力をなめすぎ。
そして、改革に前向きな公務員がどこにも必ずいたはずだが、この敗北の結果でどれほどめげたことか?・・・と考えると。政治家の罪深さに恐怖心すら湧く。闇に葬られた良心が累々と横たわる光景が見えるようだ。


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