トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

イラクに行った自己責任

2007-01-31 18:53:54 | 政治や経済
だいぶ前のことになったが。日本人のボランティア・旅行者・ジャーナリストなど何組かがイラクで人質にされた。解放の交換条件は、自衛隊撤退。私の記憶では、ということはテレビでよく流れた内容(当時は新聞をとっていなかった)は、小泉前首相が、人質になるような地域に行っていた人達の「自己責任」であること・自衛隊は撤退させない…を述べる姿。あれから、年に1度くらい思い出している。結局殺されてしまった男の子もいたということ。なんでかなあ? ここしばらく、愛国心という言葉がよく出てくるせいかも。現在の気持ちを書くと。自衛隊を撤退させないにしても、首相が犯人達に報道やインターネットで、他の仕事はできるだけキャンセルして、最後まで繰り返し呼びかければよかったのに。人質にされた人達は、種類(「知りたい」「自分を見つめたい」「役に立ちたい」「知らせたい」)も程度も各人さまざまだが、広い意味で言えばイラクにつながりを感じていたのだ。よりによってそういう人達をなあ。逆に言えば、日本政府の支持・見解をなぞっている群れから敢えてはみ出した人達であって、日本(政府)にとっては厄介者なのかも。交換条件は受け入れないとしても。そういう人達の命を取引材料にすることに抗議する姿を示せばよい。政治・軍事・外交などからすると、子供みたいな素人考えなんだろう。でも、テロ事件では、テロリストも被害者や関係者も、なんとなく世界に持っている信頼感「こんなひどいことは許されないはずだ」を根拠にして、怒りや悲しみの発言をしているではないか。例えば9・11テロに対する小泉前首相やジョージ・ブッシュ大統領のコメントだって、政治家としての専門的見解ではなく、人間としての素朴な気持ちにうったえたように私は思った。日本の代表者である首相は、まずその感覚を共有してもらうべく説得する。それなのに人質が殺害されたら? テロリスト達のマイナスポイントが、少しは増えるじゃないかと。仲間から引離された丸腰の人が殺されることに嫌悪を感じる人達は、世界に少なくないと思うので。それとも…。そういう感覚は、アメリカを中心にイラクを攻撃したことへの非難の源泉にもなり得るから、表現するわけにはいかなかったのかもなあ。いや、ほんと。人質になってから意識を失うまでの彼の気持ちを想像すると、息が詰まりそうだ。

最新の画像もっと見る