トラカリコン!

「虎・借り・コン!」。虎の威を借りた狐。虎の威を借りて吠える狐が私…。虎が何であるかは、本人にもわからない。

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資金付替(新藤・茂木・小泉)と選挙<「騒がなくていいこと」(2)

2024-03-08 10:52:50 | アベスガ政治の仕上げ中?

選挙の実相が垣間見えました。そんな、3月4日の蓮舫議員の質疑。


新藤経済再生担当相・茂木幹事長・小泉法相の3人において政治資金の同じ構図が示された。その、3人目の小泉法相の答弁に「大臣級の自民党国会議員の当選って本当に手堅い仕組みができてるんだなあ」としみじみした。
「選挙=投票に行く」「政治家との最も深い関わり=街頭演説きいた」のレベルの私だからこんなに感心しているのだろうけど。

 


「龍の会」(国会議員関係政治団体)が資金を、「小泉龍司後援会」(その他の政治団体)が票を集める。
「龍の会」から「小泉龍司後援会」へ資金が移され、「小泉龍司後援会」が活動に使う。
「小泉龍司後援会」は政治関係団体なので法が定める支出明細の表示義務レベルはずいぶん違う。(*)

「龍の会」と「小泉龍司後援会」の会計責任者(公設秘書)・事務所住所は同じ。なので、小泉法相の政治資金はこの責任者次第でいろんな脱法行為ができますよ・・・という話、かな。

 

でも、私は。
小泉法相の選挙活動というか当選のありようというか、政治活動についての妄想の扉が開いてしまった。

 


選挙区内の「ボス」「大物」「名家」「資産家」「企業」「人気者」「旧統一教会」「日本会議」「友達」「知人」・・・など。彼らが「龍の会」からの資金を使って票を集める。

(1) 選挙区内有権者の接待など、企業における交際費のような使い方は禁じられているが。安倍元首相・小渕議員・菅原元議員他、イベント(「桜を見る会」など)参加費の補助・メロンなどで選挙区内有権者を接待している実例は続いているからなあ・・・ ゼロとは思わない。
(2) そうではなくて、小泉法相の実績や党方針などをアピールするパンフレットを作って配るなら、もちろん適法だ。

しかし。よほどのことがなければ、または、よほど政治に関心や責任を感じている有権者でなければ、(1)や(2)ではなく、上に書いたような人間関係で小泉法相に投票するのではないか。

しかも。自民党国会議員は、世襲議員(国会議員としては初代でも親以前が地方議員である例も入る)や血縁がなくても婚姻で世襲できてる人が多い。
なので、彼らは上の集票においては「絆」を受け継いでいるし、「絆」のメンバーも代々続くだろう(親の代からの付き合いをすぐ切れる地域ばかりではないと思う)。

長い付き合い、大臣やってる国会議員とそういった人達が心底親しい場合もありそうだ(例えば、小泉進次郎議員のことを幼い頃から見てきた地元有権者には深い思い入れがあるのでは)。そういう信頼関係にあれば、自民党の政策や事件がどうあれ、自分のこととして一体感を持っているかもしれない。
純粋な人間関係だけでなく利害とか「票を集めてくれる人達」のプライドとか地位など、いろいろ集まった「しがらみ」。


少ない例かもしれないが。
年金生活になっても男性は肩書にこだわる。でも、「ずっと続く与党である自民党の議員と仲間」という肩書そして多額の経費もある人であり続けることはできるのだ。
地域でなんとなく威張っている高齢男性の中には、そういう人もいるのかもしれない。


これはもう。自民党が野党になった時には、地域の社会・人間関係にも激震が走っただろう。
まさに、自民党と自分は一心同体。

こんな状態で「改革」とか「新しい」とか「異次元の」ができるはずがない。「しがらみ」や「既得権」の外側がちょこっと引っ掻かれたりするだけで、大きな変革としては、その他大勢の財が搾り取られ他に移動されるくらいなのではないか。本質的な変化は望まれないのだ。

 

第2次安倍政権初期の頃、「クローズアップ現代」のキャスターが国谷さんだったの放送を覚えている。プロの当選請負人が、自民と民主両方の候補者(もちろん選挙区は違う)のコンサルタントをしていた。この人のことは他のテレビ局でも取り上げていたような。
あの印象が強いので、小泉法相が答弁したような「票を集めてくれる方々」主体の選挙は過去のものかと思ってたんだけどなあ。

 

 

ここで、彼らの経費つまり小泉法相の政治資金の支出のうち、違法である(1)の場合を考える。
法律により、「小泉龍司後援会」の支出内容は、蓮舫議員の計算によれば3割(なお、茂木幹事長・新藤大臣はもっと低い)ほどしかわからない。また、資金を集めてくれる「龍の会」と票を集めてくれる「小泉龍司後援会」の会計責任者は同一人物、小泉法相の公設秘書だ。

裏金議員のうち党幹部達の証言によれば、経理は秘書任せ(ただし、西村議員は異色だ。小細工に詳しい)。小泉法相の場合もそうなんだろう。
・・・というのを真に受けて考えれば、政治家としての小泉法相の仕事範囲は本当に狭い。「境遇にものすごくに恵まれた才能の有無はわからない芸術家」に近いのでは。そういう人達に政治・統治を任せられるか、ということだ。ただの「芸術家」ではない、「境遇にものすごく恵まれた才能の有無はわからない芸術家」だよ。

 

 

 


無所属でも野党でも、こういった自民党議員の対立候補として戦うのはたいへんなことだ。映画(「なぜ君は総理大臣になれないのか」)で小川勝也議員(立憲)が平井議員に挑む様子を見たけれど、今見たらそのすごさをもっと感じるだろう。
本人とご家族、そして選挙区の人々の熱意や責任感。う〜ん・・・動詞1つで表現すると「這い上がれた!」かな?

蓮舫議員は、同じ資金システムを茂木幹事長・新藤経済再生担当相の政治資金報告書にも見い出した。ということは、「票集め」についても小泉法相と似たり寄ったりなのではないか?

あまりに自民党有利な選挙制度だ。
イギリスでは地盤を引き継げないような、世襲候補の有利な点を削った制度だそうだ。日本でももっと制限を加えるべきだ。

今の国会でも、野党議員から世襲議員についての意見が出ていた。これまで通り、自民党は絶対対応しないだろう。
そして、事件を起こした議員達も再選され「禊が済んだ」と大手を振って歩くだろう。
自民党は政権与党であり続け、「国民から支持された」といろんなことをブラックボックスにぶち込んで筋の通らない説明で政治を進めるだろう。

 

 

 


新藤経済再生担当相と蓮舫議員のやりとりにおいて、「威圧的」とか「冷静でない」という注意(?)が為されたようだ。

 

私は、初めのうちは蓮舫議員の質問の意図がわからなかった。重箱の隅をつつくような質問をして空振って批判されるのかなあ・・・とちょっとはらはらした。この人、過剰に攻撃的な印象も私にはあるんだよね。
意図がわかってからも、臆さず滑舌良く無表情に問い詰める様子が怖!・・・と思った。蓮舫議員の迫力と自民党とその関係者達の急所を突くリスクの両方が、怖かった。

「仕組みを知ってから質問を」と言う新藤大臣にとっては、私が想像したような「仕組み」はもう自然環境のように当たり前のものであって、否定するとか改善するとか疑問を持つとか考えられないのだろうな。私にはそんなふうに見えた。
そんなこと、騒がなくていい。戦闘機輸出とか支援金とか能登半島とかが重要なのだから。・・・と。


長く続く政権が「騒がなくていい」と言うことには、大問題があるのでは。
ちゃんと問い詰めた蓮舫議員の質問能力と勇気すごい。


ーーーーーーーーーーーーーーー
(*)

<国会議員関係政治団体>
・ 1万円以上の支出・・・領収書添付
・ 一円以上の支出・・・領収書保存かつ請求があれば公開
=人件費以外の使途は全公開

<その他の政治団体>
・ 経常経費・・・項目ごとの合計だけで明細なし
・ 5万円未満なら領収書不要

(蓮舫議員が参院予算委員会で使ったパネルの内容に依る)

コメント (2)
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