アインシュタイン(1879~1955)
私たち日本人はユダヤ人というと、どんなイメージを持つのだろうか。大きく分けると四つ位のイメージが思い浮かぶだろう。一つは「ホロコースト」にあった悲惨な体験を持つ被害者としての民族。一つはシェークスピアの「ベニスの商人」に出てくる守銭奴シャイロック。一つはアインシュタインを代表とする大学者たち。一つはジョージソロスを代表とするウォール街で活躍するヘッジファンドや大財閥のロスチャイルド家など。様々な世界でひと際存在感を発揮しているものの、日常には余り話題に乗らない存在ではないだろうか。
ユダヤ人の国はイスラエルであるが、日本から遠く離れているせいもあり、中心のエルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされるが、宗教に無関心な日本人には何となく敷居が高いような気がする。またパレスチナ人との激しい紛争をテレビで見ることもあるが、どちらが正しいのか悪いのかも解らない。加えて複雑な中東問題にも大きく関わるとなるとますます解らないというのが実感ではないだろうか。海外旅行にしてもヨーロッパやアメリカに比べ、人気度は高くはないだろう。
ヒットラー(1889~1945)
ユダヤ人と言えば、聖書によれば神に選ばれた「選民」であり、神から最も祝福されるべき民族のはずである。その選民が何故ホロコーストの目に遭わなければならなかったのだろうか。600万人のユダヤ人が犠牲になった悪夢は何を意味するのだろうか。人類の歴史は戦争の歴史だともいうが、あのホロコーストは戦争ではなく民族差別である。しかも最も文化の進んだヨーロッパの中心ドイツ人によって行われた。世界中の良識ある指導者たちはどうしてヒットラー率いるナチス政権の蛮行を見過ごさねばいけなかったのだろうか。
イエス・キリストが十字架で処刑された後、ユダヤ人たちはローマ軍に滅ぼされ祖国を失った。流浪の民となったユダヤ人たちはヨーロッパやアフリカに逃れ、およそ2000年の歳月をよそ者扱いをされて生き抜かねばならなかった歴史を持つ。それでも彼らは生き抜いた。普通なら逃れた先で同化してしまうだろう。そうして消えて行った民族は数限りなくある。どうして彼らユダヤ民族だけは亡びなかったのだろうか。彼らが守り抜いたユダヤ教とはどんな力が存するのだろうか。
モーセの十戒(レンブラント)
ユダヤ人たちを受け入れた国の人たちはどうして彼らを虐待したり処刑したりしたのだろうか。宗教が違うということはそんなにも共存できない問題なのだろうか。人類の中でユダヤ人ほど根深く長期間にわたり迫害された民族はいないだろう。元来ユダヤ人は勤勉でよく働く民族である。受け入れ国の発展にも貢献したはずである。ユダヤ教を極端に排斥したキリスト教の指導者に罪や責任はないのだろうか。日本人の目から見るとこんな理不尽はないと思わずにはいられない。
日本人は自然災害には度々遭遇し、辛酸を舐めた体験はあるが、他国からの支配で苦しんだ体験は殆どない。恵まれた民族・日本人には理解を超える課題ではあるが、素朴な疑問を抱きつつユダヤ人たちの生きざまを考えてみたい。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教についてもその特徴を考えてみたい。ユダヤ人が歩いた足跡をたどりながら世界の歴史を考えてみたい。とかく平和に安住してボンヤリ暮らしている日本人として目を覚ますきっかけを探してみたい。
~~さわやか易の見方~~
*** *** 上卦は水
******** 困難、悩み
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*** *** 下卦は雷
*** *** 活動、志
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「水雷屯」の卦。屯(ちゅん)は生みの苦しみ。新しいことを始めようとするには悩みがつきものである。屯の字は草木の芽が地面を突き破ろうとして苦しんでいる様を表している。人間で言えば、悩み多き青年期。新事業を起こそうとする者には創業時の困難山積みの時である。この卦は四大難卦の一つであるが、必ずしも悪い卦ではなく、苦難に耐えた先には新天地が待っている。
ユダヤ教は食生活からして、厳格な制約が多く、とても日本人には馴染めないだろう。豚肉はダメ、エビ、カニ、タコ、イカもいけない。牛肉も乳製品と一緒には食べてはいけないという。食材が豊かで何でも食べられる日本人には考えられないが、ユダヤ人たちはそれが当たり前として生活している。しかし、宗教に無関心で生きる日本人を宗教とともに生きるユダヤ人からは信じられないほど奇異に映るだろう。日本人とユダヤ人の共通点は識字率が高いことだという。お互いに学ぶところは多いのではないだろうか。
ユダヤ人の人口は世界の人口のわずか0,2%だという。ところが、毎年ノーベル賞の受賞者は平均で20%はユダヤ人だという。いかに優秀な民族かという証である。迫害の民族ユダヤ人たちは生きる上でなくてはならない人材になることが生きる道だった。まさに臥薪嘗胆で能力を鍛えてきたのだろう。そんな真剣勝負で生き抜いたユダヤ人に日本人はもっと謙虚に学ぶ必要があると思う。日本の抱える問題の解決法もその中にあるかも知れない。
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