さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

序卦伝(23)沢地萃と地風升

2024-07-17 | さわやか易・講座

「天風姤」は悪いこととは限らない。人と人が遇うというのが、「天風姤」であるから、当然素晴らしい出会いもあるはずだ。

「物相遇うて、而して後に聚(あつ)まる、故に之を受くるに萃を以てす。萃とは聚まるなり。」
人と人が遇う。それが、集まるに繋がる。卦の形は、地の上に沢がある。これは地上のオアシスである。水を求めてあらゆる動物たちが集まって来る。オアシスは動物たちにとっては、生きるために必要不可欠だろう。しかし、集まることによって、様々なドラマがあり、様々な問題もある。
 
「聚まりて上(のぼ)る者は、之を升と謂ふ、故に之を受くるに升を以てす。」
人と人が集まると、何かに向かって成長しようとする。成長を表す卦が「地風升」である。成長や進歩を表す卦には、他にも「火地晋」、「風山漸」がある。「火地晋」は快進撃をするが、その後に急に衰退する。「風山漸」はゆっくりと着実に進むことである。「地風升」はさらにゆっくり成長する。
 
卦の形は、地の下に風、風はこの場合「木」である。すなわち木の根が成長していることを表している。どんな大木もそれを支えているのは根である。見た目の成長より、目に見えないところでしっかりと育っていることが大切なのだ。人間で言えば、精神、心の成長こそが土台であり、見た目の成長はその結果である。結果より原因の方が大事であることを教えてくれる。