蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

漢字に関する色々なことを発信して行きます。中国語も有りますよ!

「あまた」

2009年07月29日 | 中国語を題材にして
【「あまた」】
  ∴「あたま」ではありまえん

≪あまた:数多、許多≫
①数が多いさま。たくさん。多数。
「数多の尊い犠牲者を出した」
②程度がはなはだしいさま。たいへん。非常に。
註:〔「あまる」「あます」などの語幹と同じ語源の「あま」に接尾語「た」の付いたものという〕
このようにweb辞書“大辞林”には載っている。


「数多」=「数が多い」~なるほど理解できる
「許多」は、「幾許:いくばく(例:余命幾許もない)」など、数に関係することは判るが、詳しくは判らない。

さて、「中国語でどうなのだ?」と思いつき、調べてみるとなにやらヒントらしき物に出あえた。

それは、中国語で
「許多」でピンインは「xu3 duo1」
「数多」のピンインは「shu3 duo1」
●「xu」のすぼめの「u」と「shu」の反り舌音の「sh」のちがい

中国語を初めて聞いた人や、ピンインのシステムがない江戸時代・明治時代などでは、普通に「シュートー」と聞こえてしまう。まぎらわしい。

先人は、「許多:xu3 duo1」を、数に関係する言葉だから「数」にして、奇しくもかなり近い音の響きになり日本語に写し取られたのであろう。
今では、同じ意味として用いられている。

明治期に日本に入ってきた言葉を漢語のまま使った例であろう。



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