絶対的幸福と相対的幸福(あんしん&安全) 全ての人間は尊厳を持っており、敬意と尊敬に値いします。

安全とはリスクが受容できるレベルより低いこと。
安心とは、リスクの存在を忘れることができている心理状態。

幸福の原則「他人は変えられないが自分は変えれる」No.12

2008年07月15日 06時56分17秒 | Weblog

幸福の原則「他人は変えられないが自分は変えれる」No.12

塚本氏の言葉に真実味を与える事件が起こった。

 ワコールの労働組合が「これこれの要求を呑まない限り、全面ストに入る」
という要求を多忙なとき突きつけられた。

 当時塚本氏は、「相互信頼」を経営理念として打ちたて実行していた、
という自負があったが、まさに窮地。

 DVDの中で塚本氏は
「自分を空しくして、他人の為の判断をしよう」

「限られた人生の中で出会いを大切に」

「全社員を信頼しよう」

「人を動かすことはできない。
 相手が自主的に共感してくれて、自主的に動いてくれることしかない」

 という本質的な言葉の後に、この事件を語ってくれた。

 当時の役員は労働組合の要求事項にたいして
 「すべて要求にしたがったら、会社経営が財務的に成り立たない、
  しかし創業者である塚本氏の判断に任せる。

  これで会社が倒産しても一緒に朽ち果てる」
 と塚本氏に一任。

 役員が自主的にこのような意見を述べること自体に、塚本氏の「相互信頼・
共感力」は役員の中では完璧なんだと私はびっくり。

 そして労働組合の要求に対して、塚本氏
「すべての要求をのみましょう」と、要求内容を確かめることもなく、
めくら判で署名・印鑑を押す。

 この時塚本氏が労働組合に提案し、約束した条件。
「1 遅刻・早退を人事考課に反映しない。
 2 日給制を月給制に変える。
 3 工場労働者(女性が多かった)と事務員の制服を同じにする。
 4 労働組合の条件を100%容認」

 多分このとき役員は今の売り上げでは「人件費倒産」ということを
覚悟していたと思う。

 しかしこの日依頼労働組合は組合員全員に「働こう!と指示」。
仕事場でゆったりと動作したり歩いていた組合員が全員走るように
動き回り、環境は一変し、ワコールの成長性を更に高めた。

 ここで私は二度びっくり、役員のみならず、全社員に対しても、
まさに幸福の原則である「他人は変えられないが自分は変えれる」
を実行した塚本氏はすごい、と思った。

 DVDに登場する塚本氏の表情はいつも「笑顔」。
 わが身を捨ててこそ、共感の渦の中心になれるし、
 「相互信頼」という言葉が本物になる。

 一人の確固たる幸福感が本物の「笑顔」を創り、周囲の「笑顔」を
量産していくというワコールの歴史を塚本氏の言葉と表情から学べた
ことは、私にとって衝撃的だった。

 

歓乃喜 師弟 No.12(7/15 2008)
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