絶対的幸福と相対的幸福(あんしん&安全) 全ての人間は尊厳を持っており、敬意と尊敬に値いします。

安全とはリスクが受容できるレベルより低いこと。
安心とは、リスクの存在を忘れることができている心理状態。

第41回「SGIの日」記念提言-5 池田SGI会長

2016年01月31日 07時22分36秒 | 万人の尊厳・誰も置き去りにしない

第41回「SGIの日」記念提言-5 池田SGI会長 2016年1月26日

聖教新聞(1/27-2016年の2面) より抜粋要約・箇条書き(連続掲載予定)

A
人道と人権-子どもの生命と権利を共に守る

 今年5月に行われる世界人道サミットに関しての提案。

1-特に難民の半数を占める子どもたちの生命と権利を守るための対策を強化する。

2-難民問題の対応の基盤は国際人権法の中核をなす「人間の生命と尊厳」の保護に置くことを再確認すべき。

3-国連が主導する中東地域での受け入れ国支援の強化と、アフリカやアジアなど他の地域でも同様のアプローチを重視することを合意に盛り込むよう提唱したい。

B
難民受け入れ国支援

  難民条約の前文では、「難民に対する庇護の付与が特定の国にとって不当に重い負担となる可能性」への留意を促した上で、「問題についての満足すべて解決は国際協力なしには得ることができない」と記されているが、この条約の原点に脈打つ国際協力の精神を今一度想起し、難民問題に臨むことが求められていると思う。

 受け入れ国の青年や女性も一緒に教育支援や就労支援を受けられるような仕組みを各国の協力で設けることを提案。
(昨年の「SGIの日」記念提言で提案)

 
C
日本の取り組み

 これまでシリアと周辺国への人道支援を続けてきた経験を生かしながら、今後は特に「子どもたちの未来を育むための支援」に大きな力を注ぐことを呼びかけたい。

 現在、トルコやレバノンなどでは、難民の子どもたちが学校や一時的な教育施設に通える状況も生まれているが、大半の子どもは教育から取り残されたままとなっている。

 ユニセフと連携し、シリアや周辺国での教育支援を進めてきたEU(欧州連合)とともに、日本がその分野で貢献を果たしてほしい。

 現在、日本のいくつかの大学が、国連難民高等弁務官事務所と協力して、難民となった若者たちに大学教育の機会を提供する「難民高等教育プログラム」を実施していますが、こうした若い世代への教育支援をあらゆる形で広げていくべきである。

D
排他主義に流されない人権文化の確立が急務

喫緊の課題は次の二つ
 1-自由で平和、多元的で誰も排除されない社会の責任ある一員として、人が成長するよう支援すること。

 2-あらゆる形態の差別、人種主義、固定観念や憎悪の扇動、それらの背景にある有害な態度や偏見との戦いに貢献すること。

 ここで焦点となるのは、自分が差別をしないだけでなく、「誰も排除されない社会」を築くために、偏見や憎悪による人権侵害を許さない気風--すなわち、人権文化を社会に根づかせることにある。

 牧口会長が”不善は悪に通じる”と警鐘を鳴らしたが、一人一人の行動が鍵を握る人権文化の建設には、そうした不善の意味に対する問い直しが強く求められる。

 国連の宣言では、人権に関する知識の習得や理解の深化にとどまらず、「態度と行動を育むこと」を明確に射程に入れているほか、人権教育と研修を「あらゆる年齢の人びとに関わる、生涯にわたるプロセス」と位置づけている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第41回「SGIの日」記念提言-4 池田SGI会長

2016年01月30日 07時07分35秒 | 万人の尊厳・誰も置き去りにしない

第41回「SGIの日」記念提言-4 池田SGI会長 2016年1月26日

聖教新聞(1/26-2016年の5面) より抜粋要約・箇条書き(連続掲載予定)

A
「誰も置き去りにしない」世界を築くために対話は絶対必要

 「厳しい状況に置かれている人々の目線」から出発し、解決の道筋を一緒に考えることが肝要であり、その足場となるのが対話。

 防災対策として、一人暮らし高齢者の家の耐震化を進めたとしても、それだけでは、その人が日々抱えてきた問題-例えば、病院通いや買い物にいつも難儀してきたような状況は取り残されてしまう。
 
 こうした被災前から存在する、見過ごすことのできない課題も含めて、復興のプロセスの中で解決を模索していく「ビルド・バック・ベター」の重要性に注目すべき。

 「ビルド・バック・ベター」とは、復興を進めるにあたって、災害に逢う前から地域が抱えていた課題にも光を当てて、その解決を視野に入れながら、皆にとって望ましい社会を共に目指す考え方。

(仙台防災枠組-2030年までの国際的な防災指針をまとめたものの中の原則の一つ。2015年3月採択)

B
「一人一人の尊厳」をすべての出発点に据えなければ、本当の意味で前に進むことはできない。

 そこで重要なのが、危機の影響や被害を最も深刻に受けてきた人たちの声に耳を傾けながら、一緒になって問題解決の糸口を見出していく対話。

 深刻な状況にあるほど、声を失ってしまうのが人道危機の現実であり、対話を通し、その声にならない思いと向き合いながら、「誰も置き去りにしない」ために何が必要となるのかを、一つ一つ浮かびあがらせていかねばならない。

C
国際社会の結束を強めるための要諦。
 
 国連の新目標の推進において、厳しい状況にある人たちの声に耳を傾けることが必要。

「この問題は、私たちの人間性の居場所を見つけることにもつながります。課題や紛争が山積し、来る日も来る日も、良いニュースがほとんどないような世界へと迷い込む過程で、私たちが落としてきたものを再び拾い上げる、ということです」

(国連のアミーナ・モハメッド事務総長特別顧問が、国際社会の結束を強めるための要諦について語った言葉。)

D
排他主義や扇動主義に押し流されない社会を築く。

 「一対一の対話」を通して自分の意識から抜け落ちているものに気づくことが重要な土台になっていく。

 自分の意識にないことは、「自分の世界」から欠落してしまう。

 人間はともすれば、自分の近しい関係のある人々の思いは理解できても、互いの間に地理的な隔たりや文化的な隔たりがあると、心の中でも距離が生じてしまう傾向がある。

E
難民となった人たちの物語紹介キャンペーン
(国連難民高等弁務官事務所-2015年)

 この物語に触れた人が周囲や友人にも知らせる呼びかけ。

 難民となった人たちの名前と共に紹介されていたのは、「園芸家・母親・自然愛好家」や「学生・兄・詩人」など、国籍に関係なく”身近に感じられる姿”を通して語られる人生の物語であり、境遇への思い。

F
心の世界地図を友情で描き出す。

 対立や緊張があるから、対話が不可能なのではない。相手を知らないままでいることが対立や緊張を深める。だからこそ自分から壁を破り、対話に踏み出すことが肝要であり、すべてはそこから始まる。

 現代において切実に求められているのは、国家と国家の友好はもとより、民衆レベルで対話と交流を重ね、民族や宗教といった類型化では視界から消えてしまいがちな「一人一人の生の重みや豊かさ」を、自分の生命に包みこんでいくことでないか。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第41回「SGIの日」記念提言-3 池田SGI会長

2016年01月29日 05時57分28秒 | 万人の尊厳・誰も置き去りにしない

第41回「SGIの日」記念提言-3 池田SGI会長 2016年1月26日

聖教新聞(1/26-2016年の4面) より抜粋要約・箇条書き(連続掲載予定) 

A
SGIの座談会

 世界を取り巻く脅威や危機が拡大し、複雑化する中で、ともすれば埋没し、蔑ろにされがちな”一人一人の生の重みと限りない可能性”を取り戻すためにSGIが社会的使命として実践してきた「民衆の民衆による民衆のためのエンパワーメント」という場が座談会。

 平和運動や国連を支援する活力もそこから生まれているのであり、まさに信仰実践と社会的活動は地続きの関係にある。

 私どもは、そうした往還作業を通し、「他人の不幸の上に自分の幸福を築かない」「いちばん苦しんだ人が、一番幸せになる権利がある」との誓いを共々に踏み固めながら、すべての人々の尊厳が輝く世界の建設を目指してきた。

B
関係性の網の中で変革の波を起こす。

 他の人々の苦境を半ば看過するような考え方の行き先は、人類の生存基盤を突き崩しかねないことに、目を向けるべきである。
 
 「過去のどの時代にも増して、私たち誰もが、一度も会ったことのない人々に依存し、彼らもまた私たちに依存しています」

 「このグローバルな相互依存の外にいる人は一人もいません」
(マーサー・C・ヌスバウム博士-世界市民意識の涵養呼びかけ文)

C
関係性の「想像力」を、教育によって培う必要がある。

 教育は、人間が他者の苦しみを前にした時に、”胸の痛み”を通じて浮かんでくる人生の座標軸の骨格に、一つ一つ肉付けをする上で、絶対に欠かせないものだといえる。

 例えば、環境問題や格差の問題にしても、教育による学びを通じて、”背景や原因を見つめるまなざし”を磨いてこそ、問題に向き合う座標軸がより鮮明になり、揺るぎないものとなる。 

D
応用の勇気を発揮することが教育の目的

 教育とは正解のようなものを提示することでなく、”問題と向き合う道筋を見出す力”を糧としながら、自分自身で問題の解決の糸口をつかんでいく「応用の勇気」の発揮に焦点を置くべき。

 応用の実行でなく、勇気という言葉に、一人一人の存在の重みをどこまでも大切にする心と、どんな困難にも屈しない力が人間に備わっていることへの限りない期待がある。

E
8億6000万人の夢と変化を生む力

 「私たちは発展途上国で暮らす8億6000万人の若い女性・女児です。

しかし、単に8億6000万人という統計上の数字の留まるのではありません。

私たちには8億6000万の夢があり、変化をもたらす力があるのです」
(アフリカ・ジンバブエ出身の10代の女性が国連本部で語った言葉)

 世界で今、脅威や危機が広がれば広がるほど、その問題の大きさを前に埋没しそうになっているのが、一人一人の生の重みであり、限りない可能性である。

 それぞれの人間が紡いできた人生の物語や大切な夢をはじめ、心の中に積もった思いや、足元から変化を起こす力までもが、おしなべて見過ごされそうになている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第41回「SGIの日」記念提言-2 池田SGI会長 

2016年01月28日 06時57分00秒 | 万人の尊厳・誰も置き去りにしない

第41回「SGIの日」記念提言-2池田SGI会長 2016年1月26日

聖教新聞(1/26-2016年の3面) より抜粋要約・箇条書き(連続掲載予定) 

A
難民支援

 5年近くにわたり紛争が続くシリアでは20万人以上が犠牲になり、人口の約半数が家や故郷から追われる状態に陥っている。

 「難民として生きる人生は、動くたびに沈む流砂にはまったようなものだ」(シリアから逃れた父親の言葉)。どこまで逃れても安心が得られず、先の見えない日々で生きる縁(よすが)を失いかけている人は、今も後を絶たない。

 「彼らは私たちと同じく生身の人間です。私たちは彼らが沖合で溺れているのを見てみぬふりをしているわけにはいきません」(イタリアの港町で暮らす人の言葉)

 世界人権宣言には、「すべての人は、迫害を免れるため、他国に避難することを求め、かつ、避難する権利を有する」とある。しかしそれ以前に、”胸を痛めるあ心”こそが、人権規範のあるなしにかかわらず、どんな場所でも灯すことのできる人間性の光明だと思う。


B
戦時中に難民を守り支え続けた人々

 6000人ものユダヤ難民を救った杉原千畝外交官、アンネ・フランクと彼女を命がけで支えたオランダの女性。私はここに歴史の水脈に流れる「人間性の輝き」を見る思いがする。

 マハトマ・ガンジーが周囲から投げかけられてきた”大勢の人をすべて救うことなどはできない”との声を念頭に置きつつ、自分の孫に語りかけた言葉。

「その時々に、一人の命に触れるかどうかが問題なんだ。何千という人々すべてを見まわすことは、必要じゃない。あるとき、一人の命に触れ、その命を救うことができれば、それこそ私たちが作りだせる大きな変化なんだ」

 ささやな行動だったとしても、それがあるかないかは、差し伸べられた人にとって決定的な重みをもつ大きな違いである。

C
人間の苦しみに無縁なものはない

 このガンジーの信条は、私どもSGIが信仰の実践の面はもとより、国連支援などの社会的な活動を展開する上でも銘記してきた、「徹して一人一人を大切にする」との精神と深く響きあるものがある。

 仏法が説く「利他」も、自分を無にすることから生まれるものではない。

それは、自分の存在と切っても切り離せない胸の痛みや、これまで歩んできた人生への愛(いと)しさを足場としつつ、人間の苦しみや悲しみに国や民族といった属性による違いなどなく、”同じ人間として無縁な苦しみなど本来一つもない”との生命感覚を磨く中で、おのずと輝き始める「人間性の異名」である。

D
誰もが「自分の今いる場所を照らす存在」になることができる。

 仏法を貫く「徹して一人一人を大切にする」との精神には、もうひとつ欠くことのできない重要な柱がある。

 それは、これまでどのような人生を歩み、どんな境遇に置かれている人であっても、誰もが「自分の今いる場所を照らす存在」になることができるという視座であり、確信である。

 目に映る「現れ(これまでの姿)」で人間の価値や可能性を判断するのではなく、人間に本来具わる「尊厳」を見つめるがゆえに、その輝きによって、今ここから踏み出す人生の歩みが希望で照らされることを互いに信じ合う。

 そして、これまで味わった苦難や試練も人生の糧としながら、自分だけの幸福だけでなく、人々のため、社会のために「勇気の波動」広げる生き方を、仏法は促している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第41回「SGIの日」記念提言 池田SGI会長 2016年1月26日

2016年01月27日 15時23分20秒 | 原発

第41回「SGIの日」記念提言 池田SGI会長 2016年1月26日

聖教新聞(1/26-2016年の1面 連続掲載予定) より抜粋要約・箇条書き


A
提言「万人の尊厳 平和の大道」

「誰も置き去りにしない」との誓い。

国連で2015年9月に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(http://xtw.me/XCSzgN3)
の基調をなすこの誓いは仏法の尊厳観とも相通じる。

B
提言内容

1-教育と対話の必要性。
2-戦後最大の難民問題解決のための国際協力の強化。
3-温暖化防止のための環境制約。
4-紛争やテロの拡大を防ぐための武器貿易条約の批准の呼びかけ。
5-核時代に終止符を打つことの訴え。

C
 SGIが国連を支援するNGO(非政府組織)としての活動を本格的に開始してから、今年で35年。(http://xtw.me/XaDizh2)
 SGIが国連広報局にNGO登録されたのは1981年、国連経済社会理事会との協議資格を持ったのは1983年。
 

 人間には誰しも幸福に生きる権利がある。その権利を守るために民衆の連帯をひろげ、地球上から「悲惨」の二字をなくすことにSGI運動の眼目はあり、国連支援運動はその当然の帰結。

D
 世界での難民と避難民が今6000万人にもなっている。かってない規模で難民が増加する中、その状況と真正面から向き合わずして、21世紀の人類の未来は開けない。

 また相次災害により、わずか1年の間に1億人を超える人々に被害が及んでいる。洪水や暴風雨など気候に関連したものが9割近くを占める。地球温暖化がもたらす影響の拡大が懸念される。

 E
 国連で2015年9月に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は2030年に向けて包括的な解決策を図ることが目指されている。

 「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」との文言が象徴するように、すべての課題を貫く前提として「誰も置き去りにしない」との誓いが明記された点が何よりも注目される。
 

聖教新聞(1/26-2016年の2面 明日以降 連続掲載予定) 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする